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第219話 勇気
しおりを挟むモテスタッフさんが切り替えたカメラ三には、俺達の元に投げつけられたり、侵入者が所持していた物品がテーブルの上に映る、スペースオペラの地下にある一室に設置したカメラだった。
画面の端には、真っ白の手袋を付けたスタッフさんの手も映っている。
手のひらより小さく硬い石から、鉈のように大きなナイフまで、それぞれの分類ごとや大きさごとに並べられているのを見ると、少しカッコ良く見えてしまう。
俺の隣に座るシリウスさんも、映像を観ている目には、輝きを感じられるような気がする。やはり、男にしか分からないロマンだろうか。
「こうやって見ると、完全に俺らを殺しに来ているようにしか、考えられませんね。どうします?これを見た奴等が、飛び道具を持って来たら。ほら、ボウガンとかお馴染みの展開ですよね?」
「こ、怖い事言わないで下さい奈落さん!でも、もし本当にそんな物を持って襲って来たとしても、こちらには勇敢な警備員の方々が居るので、大丈夫です!!対策方法も既に、伝達済みらしいですよぉ!」
「わ、我は怖くないぞ?そんな飛び道具、我が結界の前には無力も同然!無駄なことは止めるのだな!」
「あらあら、シリウスちゃんたら、腰が引けてるわよ?口だけ魔王も可愛いわねぇ!」
「な、なんだと⁉我は、口だけ魔王などでは無い!!」
「まぁまぁ、落ち着きましょう?」
〈変わらねぇなぁwwww〉
〈『口だけ魔王』ナイス!!〉
〈そんな挑発的な発言と捉えられるような事して、大丈夫なの?〉
〈武器からして殺意MAXだな!!〉
〈流石に飛び道具は警備員も逃げるってwww〉
〈その前に、鉈とか持った人を前に動けた警備員の人達、凄すぎだろww〉
〈これって、証拠物として扱われてるんじゃないの?警察に渡さなくて大丈夫?〉
コメント欄でも、様々な心配の声が挙がる中、落ち着かせるには丁度良いコメントが流れて来た。
「あー、『回収した武器が証拠物で、警察に渡さなくて大丈夫なのか?』って言う意見が多数見られますが、安心してください。これらを管理している部屋は、こちらの警備員にプラスして、警察側の守備も混ざった隊で管理しているので、簡単に持ち出される危険性は、ほとんどありません。」
「ちなみに、普段は厳重な金庫の中にしまってあるから、見ること自体が不可能ね!」
そもそもの話、スペースオペラに地下室があるなんて話を伸二さんから聞かなければ、俺達ライバーでさえ知らなかっただろう。
勿論、そんな大事な部屋を警備している人達は、しっかりとした身辺調査を元に送られているので、裏切りの可能性も無い。
後、コメントで『流石に勇敢な警備員も、飛び道具には立ち向かわないだろう!』のようなコメントが多かったが、警備員たらしの母美津さんが言うなら、本当に立ち向かうかもしれないな。まぁ、あまり口には出さないが。
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