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第199話 コミュニケーション

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 「そんで、このタイミングに三期生をデビューさせるんなら、なんか理由があんだよな?」

 当然のごとく集めて来た濃いメンバーに、呆れと驚きを隠せない俺達の中から、いち早く復帰したのは城東さんだった。
 確かに、二期生がデビューしてから二週間も経たない内に、新たなライバーがデビューする事や、ブラックハッカーのを受けた今、デビューさせるリスクを高太郎さんが把握出来ない筈が無い。

 「まぁね!細かいことは、三人の個人情報や過去に関係してしまう為、私から話せることは少ないけれど、簡単に言えば『スペースオペラライバー兼護衛職』ってかんじだね!」

 『護衛』と言う言葉に、真田さんが良い笑顔のまま敬礼を返していた。
 どう考えても、元自衛隊員だよな?さっき、『しょ、私は―――』とか言ってたけれど、もしかして『将官』って言いそうになったのか?いや、自衛隊員が自分のことを『将官』って、説明するのかは知らないが。

 「外を見たら分かる通り、考えられないくらい過激化している人達から、君達ライバーが直接的な被害を受けてしまうことが考えられる訳だ!あっ、勿論、熟練警備員の増員や監視カメラの追加等、私達の方でも対策はしているつもりだけど、もし、何らかの手段で突破された緊急時の場合、君達の近くに、冷静な判断と自己防衛を行える人が居た方が安心だろう?」

 ちらりと、窓の外を見れば、未だに石を投げこんでいる人や、警察官の守備から突破を試みている人達が大勢見えた。
 この状態が、いつまで続くのかは分からない。もし、に突破された際、俺や城東さん等の、一部男性陣は何とか対応できるかもしれないが、女性陣はどうだ?
 とてもでは無いが、緒恋さんや母美津さん達が自信を守れるとは思えない。エストランネさんなら、いけるかもしれないが。

 「なるほど。ちなみに、ライバーとして活動する上での変更点等はありますか?もし、『コラボなどで護衛に使用が出てしまう場合が無し』とかは?」

 「いや、第一前提は『スペースオペラ三期生』だから、特に変える部分は無いよ?そもそも、護衛って言っても、無理に助けようとして怪我でもされたら、こっちが悲しいからね!!」

 「それなら、良いんじゃねぇか?俺達も、出来る限り固まって動いたり、何か問題が起きた場合、最低二人に相談したうえで対処したりすれば、そういう危険性も下がるだろ!」

 「気ぃ使ってもろて、あんがとなぁ!!せや、社長さんからお土産あるらしいで!!ここは、レディファーストでいこや!!」

 「ハハッ、猿飛君に言われてしまったね!」

 机の上に、パンパンに膨らんだ袋が、三つ乗せられた。

 「レディファースト、私、この言葉トラウマなんですよねぇ。」

 ワイワイと城東さんと嬢ノ内さんが、袋を物色するのを眺めていると、小さな声で隣に座っていた腹一さんから、そんな言葉が聞こえて来た。
 腹一さん、トラウマ多過ぎません?

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