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第142話 腹一匁(これ、読める?)
しおりを挟む午後1時
昨日の、緒恋さんとの相談会で消費した、人見知り会話メーターが底をつきそうな俺は、腹一さんと食堂に来ている。そろそろ、部屋に引きこもりたい。
「今日のおすすめは・・・とんかつ定食か!いやー、この歳になると油物って、胃に結構な負担が掛かるんだけど、食べたくなるんだよねぇ?・・・・・前の会社で、上司から飲みに誘われた時は(強制的に)、無理矢理食べさせらたうえに、次の日は会社内の女性達から、『あの体系で脂っこい物ばかり食べてるんですって!!』『ちょっとくらいダイエットすれば良いのに?毎日鏡を見ていないんですかね?』、みたいな陰口が聞こえて来て、辛かったですね。・・・健康管理は早めが大事ですよ!」
「いや、最終的にネガティブな方向に進んでません?と言うか、ここ最近、配信内容に吊られてなのか、普段から腹一さんのネガティブ思考が加速してるって、報告が挙がったんですけど、大丈夫ですか?」
元々、ネガティブな発言をすることが多かった腹一さんだったが、最近になって、配信回数が多くなったせいか、独り言とネガティブ発言が増えているらしい。
高太郎さんからは、『精神的負担によって、言動や行動に異変が見られたら報告してくれ!!』と、説明を受けた。まぁ、あくまで『もしかしたら』の話だから、あまり悩んでいても、しょうがないだろう。
「そうですかね?・・・ネガティブな発言をするのはもう、一種の癖みたいなものですから、自分では気付いていないのかもしれません。・・こう言うのは、口癖に入るんですかね?」
「あー、配信者によっては、そう言うのも多いらしいですね。視聴者からすれば、その方が面白いのかもしれませんけど。」
「そうであって欲しいですね。この間コンビニに行った時も、独り言のせいか変な目で見られて、気まずくなりましたから!」
「それは・・・・キツイですね。」
そんな風に雑談を繰り広げながら番号札を渡し、とんかつ定食を受け取った後、空いている席に座る。
お盆の上にはとんかつの他に、ご飯(大盛りならプラス100円)と豚汁、シーザーサラダが乗っている。ちなみに、腹一さんの方はご飯大盛りだ。俺も大盛りにすれば良かったかな?
目の前に座る腹一さんを見ると、既に食べ始めていて、ご飯に至っては三分の一が消えていた。
「・・ご飯、食べるスピード早いですね。確か、この前食べた牛丼の時も、城東さんが目を疑ってましたからね!」
「ああ、やっぱり早いですよね!健康的には、ゆっくり食べて租借回数を増やした方が良いらしいですけど、何度直そうとしても無理でした。特に、お米に関しては私の大好物なので、さらに早くなってしまうんですよ!それのせいで、内臓脂肪も増えてしまって・・。」
「健康には、本当に気を付けて下さいね?折角、ここに就職出来たんですから。まぁ、俺自身も生活リズムが崩れている最中なので、人の事は言えないんですけどね。」
「・・ダイエットを本格的に始めた方が良さそうです。」
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