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第99話 呆れる
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急いで受付での手続きを終え、法廷に入る。
部屋の中には既に、裁判官や相手側の検察官、親戚のクズ親共が待機していた。何故か、他の接点も無かった親戚の奴らも居る。そして、目の前の奴ら全員が侮蔑の表情を浮かべていることに気付いた。
伸二さんと二人で指定された席に座ると、裁判官と思われる40代くらいの男が入って来た。
ここに来るまでに伸二さんから聞いた話だと、今回の裁判は、第一回目の口頭弁論である為、相手側の親族や親戚の奴等との弁論になる可能性が高いらしい。ただ、その話をしている時の伸二さんの顔色は、最悪の場合を想定しているようにも感じた。
また、相手側からの証拠・提訴書類、訴状などは、裁判所で確認された後、俺達被告人側にも送られて来る筈だった。しかし、今日送られて来た茶封筒の中には、今までの必要書類が纏めて入れられていた為、伸二さんの方でも確認出来ていない。
要は、今回の裁判では圧倒的に不利だと言うことだ。
『俊隆。本当にすまん。もしかしたら、一番最悪な結末になるかもしれん。』
裁判官が椅子に座ったと同時に、法廷の扉全てが閉められた。
「これより、第一審理、口頭弁論を始める。まず、今回の裁判における答弁書をご覧ください。」
裁判官の近くに立っていた女性が宣言すると、中央付近に置かれていたプロジェクターの画面に、答弁書の内容と思われる物が映し出され、隣に座っていた伸二さんも、カバンの中に入っている茶封筒から答弁書を取り出し、机の上に置いた。
横目で、机に置かれている答弁書を見ながら、プロジェクターに映し出されている答弁書と同じ物か確認する。もしかすると、答弁書にも何か仕掛けているかもしれないからな。
いつの間にか準備されていた、俺達側の答弁書も確認等が終わり、いよいよ口頭弁論へと移る。
口頭弁論では、お互いの証人や証拠を提示したり、相手に尋問することが出来る。ここで、提示した情報から裁判所側が判断するため、とても重要だ。
今回の争論は、『俺が事件の犯人なのかの見極め』『本当に俺が相手を殺したのは正当防衛だったのか』『両親の遺産は元々、自分達の家系にも配分する権利があったのではないか』のようだ。
『両親の遺産は元々、自分達の家系にも配分する権利があったのではないか』。これで、何故、他の親戚の奴らがここに居たのかが分かった。
両親の遺産、特に土地関係の物は、祖父や祖母から受け継いだ時にも、同じような騒ぎになったのだろう。その時はどうやって親戚の奴らを追い払ったのか分からないが、ハイエナみたいな奴らだな。
相手側の席を見ると、流也の親族、親戚のクズ親、親戚のハイエナ、その他、合計25人くらいだろうか。25対2。えげつないな。
そして、こちらを見ながら、楽しそうに会話をしている奴等に対して、一切注意もしないような裁判官達。
「気持ち悪いな。」
部屋の中には既に、裁判官や相手側の検察官、親戚のクズ親共が待機していた。何故か、他の接点も無かった親戚の奴らも居る。そして、目の前の奴ら全員が侮蔑の表情を浮かべていることに気付いた。
伸二さんと二人で指定された席に座ると、裁判官と思われる40代くらいの男が入って来た。
ここに来るまでに伸二さんから聞いた話だと、今回の裁判は、第一回目の口頭弁論である為、相手側の親族や親戚の奴等との弁論になる可能性が高いらしい。ただ、その話をしている時の伸二さんの顔色は、最悪の場合を想定しているようにも感じた。
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要は、今回の裁判では圧倒的に不利だと言うことだ。
『俊隆。本当にすまん。もしかしたら、一番最悪な結末になるかもしれん。』
裁判官が椅子に座ったと同時に、法廷の扉全てが閉められた。
「これより、第一審理、口頭弁論を始める。まず、今回の裁判における答弁書をご覧ください。」
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いつの間にか準備されていた、俺達側の答弁書も確認等が終わり、いよいよ口頭弁論へと移る。
口頭弁論では、お互いの証人や証拠を提示したり、相手に尋問することが出来る。ここで、提示した情報から裁判所側が判断するため、とても重要だ。
今回の争論は、『俺が事件の犯人なのかの見極め』『本当に俺が相手を殺したのは正当防衛だったのか』『両親の遺産は元々、自分達の家系にも配分する権利があったのではないか』のようだ。
『両親の遺産は元々、自分達の家系にも配分する権利があったのではないか』。これで、何故、他の親戚の奴らがここに居たのかが分かった。
両親の遺産、特に土地関係の物は、祖父や祖母から受け継いだ時にも、同じような騒ぎになったのだろう。その時はどうやって親戚の奴らを追い払ったのか分からないが、ハイエナみたいな奴らだな。
相手側の席を見ると、流也の親族、親戚のクズ親、親戚のハイエナ、その他、合計25人くらいだろうか。25対2。えげつないな。
そして、こちらを見ながら、楽しそうに会話をしている奴等に対して、一切注意もしないような裁判官達。
「気持ち悪いな。」
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