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第34話 外出
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午前11時
今日は久々の外出だ。
昨日の夜に伸二さんから連絡が来て、『最近、配信ばかりやってるけど外出てるか?』と聞かれた。そういえば、飯を買いにコンビニに行く以外は外に出ていな事に気付いた。
流石に不味いなと思った為、今日の配信を取り消して外出することに決めた。
伸二さんが言うには、『気付いていないところで人は、ストレスが大幅に溜め込んでしまう』らしい。せっかくなので、配信をして溜まったお金を使いたいと思う。一番効果的なストレス発散方法は、お金を使うの事だと俺は考えている。
「人混みは嫌だな・・。幸い、今日は平日だし人は少ないだろうけど。」
歩きながら今日の予定を考える。
別に明確な目標がある訳では無いので、ゆったりとした足取りだ。
「どうしようかなぁ・・。先に飯にしとくか、腹減って来たし。」
近場に食事が出来る場所が無いか調べてみる。
「約3年近くこの辺りに住んでたけど、まったく知らんのよなw通ったことがあったとしても覚えて無いし。」
引っ越してきた当初は、人の顔を見るのもきつかった。相手が何を考えてるのか分からない事がとても怖く感じた。今でも人と話すのは辛く感じる。ちゃんと話せるのは伸二さんと大家のおばあちゃんだ。他にも、電話の鳴る音や大きな声を聞くと心拍数が跳ね上がったり、外出する時に周りの目が気になって、動けなくなったりする。
この気持ちは分かる人には分かるだろう。分からない人は『何言ってんだ?』って思うかもしれないが。電話が鳴るたびに、体が緊張状態になるのは結構辛い。
歩く時は基本的に下を向いて歩くようにしている。あれから数年経つが、俺の顔を知っている人に出会わない為だ。目元を髪で隠して下を向きながら歩く、客観的に見ればヤバい奴に見えるかもしれないな。実際、顔を見られたせいで、アパートの俺の部屋の周りはがら空きだ。大家の方から苦情が来るかと思ったが、快く迎え入れてくれた。優しいおばあさんだ。
物件を探す時も苦労した。
俺みたいな奴を受け入れると、大手の不動産賃貸仲介業者だと傷が付いてしまう可能性があった為、個人経営しているアパートをいくつか紹介された。遠回しに犯罪者だと言われたような気分がして、あまり良い気持ちでは無かったな。
そんな事を考えていると、目の前に『焼肉 極』と書かれた店が見えた。
この店は書かれている通り焼肉店で、【安くて美味い極上の肉】というキャッチコピーでやっているらしい。調べた感じ雰囲気も良かったしな。何より、個室が完備されているのが良い。
「よしっ!入ってみるか!」
店の前で小さく気合を入れ、扉を開ける。
何回経験しても、初見の店に入り、店員と話すことは緊張するからな。
今日は久々の外出だ。
昨日の夜に伸二さんから連絡が来て、『最近、配信ばかりやってるけど外出てるか?』と聞かれた。そういえば、飯を買いにコンビニに行く以外は外に出ていな事に気付いた。
流石に不味いなと思った為、今日の配信を取り消して外出することに決めた。
伸二さんが言うには、『気付いていないところで人は、ストレスが大幅に溜め込んでしまう』らしい。せっかくなので、配信をして溜まったお金を使いたいと思う。一番効果的なストレス発散方法は、お金を使うの事だと俺は考えている。
「人混みは嫌だな・・。幸い、今日は平日だし人は少ないだろうけど。」
歩きながら今日の予定を考える。
別に明確な目標がある訳では無いので、ゆったりとした足取りだ。
「どうしようかなぁ・・。先に飯にしとくか、腹減って来たし。」
近場に食事が出来る場所が無いか調べてみる。
「約3年近くこの辺りに住んでたけど、まったく知らんのよなw通ったことがあったとしても覚えて無いし。」
引っ越してきた当初は、人の顔を見るのもきつかった。相手が何を考えてるのか分からない事がとても怖く感じた。今でも人と話すのは辛く感じる。ちゃんと話せるのは伸二さんと大家のおばあちゃんだ。他にも、電話の鳴る音や大きな声を聞くと心拍数が跳ね上がったり、外出する時に周りの目が気になって、動けなくなったりする。
この気持ちは分かる人には分かるだろう。分からない人は『何言ってんだ?』って思うかもしれないが。電話が鳴るたびに、体が緊張状態になるのは結構辛い。
歩く時は基本的に下を向いて歩くようにしている。あれから数年経つが、俺の顔を知っている人に出会わない為だ。目元を髪で隠して下を向きながら歩く、客観的に見ればヤバい奴に見えるかもしれないな。実際、顔を見られたせいで、アパートの俺の部屋の周りはがら空きだ。大家の方から苦情が来るかと思ったが、快く迎え入れてくれた。優しいおばあさんだ。
物件を探す時も苦労した。
俺みたいな奴を受け入れると、大手の不動産賃貸仲介業者だと傷が付いてしまう可能性があった為、個人経営しているアパートをいくつか紹介された。遠回しに犯罪者だと言われたような気分がして、あまり良い気持ちでは無かったな。
そんな事を考えていると、目の前に『焼肉 極』と書かれた店が見えた。
この店は書かれている通り焼肉店で、【安くて美味い極上の肉】というキャッチコピーでやっているらしい。調べた感じ雰囲気も良かったしな。何より、個室が完備されているのが良い。
「よしっ!入ってみるか!」
店の前で小さく気合を入れ、扉を開ける。
何回経験しても、初見の店に入り、店員と話すことは緊張するからな。
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