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第3話 弁護士
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突然かかってきた電話の相手は、数少ない俺の味方となってくれている、斎藤《さいとう》 伸二《しんじ》さんだった。
「はい、もしもしこちら鬼道 奈落の電話番号ですが?」
「あっ、ごめんなさい。番号を間違えたみたいです。今度、無理矢理外出に連れ出そうと考えているのでよろしく!!」
「お電話変わりました、俊隆です。お願いですから外出は無しにして貰えませんか?!」
「外出するのは確定してるから良いとして、ふざけるのもほどほどにな俊隆ww」
「確定してんのかい!!まあいいや、それで今回はどんな御用で?」
「いつも通り、ちゃんと過ごしているかの確認と金に困っていないかの確認だ!」
伸二さんは弁護士として働いていて、とある事件の時に俺の弁護士として働いてくれた人だ。黒髪黒目で如何にも仕事が出来そうな雰囲気を出しているが、話し方が結構乱暴で兄貴肌みたいなところがあって、結構面倒くさい。また、その事件以来何を思ったのか分からないが、暇な時によく電話を掛けてくれる人だ。時々家にも来てくれて、いつ使うのかも分らない物をよく置いていく。VTuberをやる上で必要な物もその中に入っていた。ホントになんで持ってきたんだ?
「生活には特に問題は無いし、アルバイトも普段通り断られているよ」
「まだ間違った情報が流れてるのかよ!そろそろ金が厳しいんじゃないのか?」
「確かに厳しいけどまだ何とかなるよ。それよりもVTuberとしてデビューするからよろしく!」
「はぁっ⁈ちょっと待て⁈お前がVTuberになるだって?」
「うん。なんとなくだけど機材もあったし、やってみることにした。」
死ぬ前にやりたい事だったみたいなことを言えば、それこそ面倒だから内緒にしておこう。
「どこかの企業に所属するつもりなのか?」
「いや、とりあえずは個人でやっていくつもり。」
「まあ、いきなり企業勢になれるわけないもんな。」
「そもそも面接の段階で落とされるしなw」
企業に所属するVTuberになることの利点として、他のライバーとのコラボが円滑に行えることや、新人として告知され、初配信から一定数以上の視聴者(リスナー)に見てもらうことが出来る。他には、誹謗中傷などにも対策を行えるため、安心した配信を行うことが出来るらしい。
「そういえば、機材そっちに置いてたよな?」
「あっ、それ使わせてもらうから。」
「あー、了解。状態もあんまり使ってないはずだから大丈夫なはずだ。」
「そもそもの話、なんでこんな機材持ってたんだ?」
「いやね?一時期OO法律相談所みたいな、本物の弁護士が配信者として人気になった時期があんのよ?そん時に、『これ、VTuberでやってみたらいけるんじゃね?』って思ってたんだけどよー。」
「んで?どうなったん?」
「全然動画が伸びなくてよ?更には、『二次元が三次元に口出しすんな。』みたいなコメントが多なって、怖くなってやめたよ。」
「なるほどね、お金稼ごうと思ったら失敗したわけね。」
「はぁ⁈一言も「金稼ぐ」とか言ってなくね?」
「いやいや、いつも無気力な弁護士がいきなりVTuberになって、弁護相談するとか、何らかの理由があると思うだろ!」
どうせ、他の人の人気にあやかって、自分も儲けようと思ったんだろうけど、馬鹿だなぁww
反面教師にしましょうかねw
「ちっ、勘のいいガキは嫌いだよ。」
「おいおいおい‼パクんなパクんな‼後、多分だけど周りの人もそう思ってたと思うぞー」
「まぁ、なんだ、俺を反面教師として頑張れよ!」
「うん。さっき考えてたことと丸かぶりだから切るね!」
「おい⁈ちょっとま………」
「ふう、静かになったな。」
時計を見ると午前9時になろうとしていた。
「とりあえず寝るか。」
「はい、もしもしこちら鬼道 奈落の電話番号ですが?」
「あっ、ごめんなさい。番号を間違えたみたいです。今度、無理矢理外出に連れ出そうと考えているのでよろしく!!」
「お電話変わりました、俊隆です。お願いですから外出は無しにして貰えませんか?!」
「外出するのは確定してるから良いとして、ふざけるのもほどほどにな俊隆ww」
「確定してんのかい!!まあいいや、それで今回はどんな御用で?」
「いつも通り、ちゃんと過ごしているかの確認と金に困っていないかの確認だ!」
伸二さんは弁護士として働いていて、とある事件の時に俺の弁護士として働いてくれた人だ。黒髪黒目で如何にも仕事が出来そうな雰囲気を出しているが、話し方が結構乱暴で兄貴肌みたいなところがあって、結構面倒くさい。また、その事件以来何を思ったのか分からないが、暇な時によく電話を掛けてくれる人だ。時々家にも来てくれて、いつ使うのかも分らない物をよく置いていく。VTuberをやる上で必要な物もその中に入っていた。ホントになんで持ってきたんだ?
「生活には特に問題は無いし、アルバイトも普段通り断られているよ」
「まだ間違った情報が流れてるのかよ!そろそろ金が厳しいんじゃないのか?」
「確かに厳しいけどまだ何とかなるよ。それよりもVTuberとしてデビューするからよろしく!」
「はぁっ⁈ちょっと待て⁈お前がVTuberになるだって?」
「うん。なんとなくだけど機材もあったし、やってみることにした。」
死ぬ前にやりたい事だったみたいなことを言えば、それこそ面倒だから内緒にしておこう。
「どこかの企業に所属するつもりなのか?」
「いや、とりあえずは個人でやっていくつもり。」
「まあ、いきなり企業勢になれるわけないもんな。」
「そもそも面接の段階で落とされるしなw」
企業に所属するVTuberになることの利点として、他のライバーとのコラボが円滑に行えることや、新人として告知され、初配信から一定数以上の視聴者(リスナー)に見てもらうことが出来る。他には、誹謗中傷などにも対策を行えるため、安心した配信を行うことが出来るらしい。
「そういえば、機材そっちに置いてたよな?」
「あっ、それ使わせてもらうから。」
「あー、了解。状態もあんまり使ってないはずだから大丈夫なはずだ。」
「そもそもの話、なんでこんな機材持ってたんだ?」
「いやね?一時期OO法律相談所みたいな、本物の弁護士が配信者として人気になった時期があんのよ?そん時に、『これ、VTuberでやってみたらいけるんじゃね?』って思ってたんだけどよー。」
「んで?どうなったん?」
「全然動画が伸びなくてよ?更には、『二次元が三次元に口出しすんな。』みたいなコメントが多なって、怖くなってやめたよ。」
「なるほどね、お金稼ごうと思ったら失敗したわけね。」
「はぁ⁈一言も「金稼ぐ」とか言ってなくね?」
「いやいや、いつも無気力な弁護士がいきなりVTuberになって、弁護相談するとか、何らかの理由があると思うだろ!」
どうせ、他の人の人気にあやかって、自分も儲けようと思ったんだろうけど、馬鹿だなぁww
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「ちっ、勘のいいガキは嫌いだよ。」
「おいおいおい‼パクんなパクんな‼後、多分だけど周りの人もそう思ってたと思うぞー」
「まぁ、なんだ、俺を反面教師として頑張れよ!」
「うん。さっき考えてたことと丸かぶりだから切るね!」
「おい⁈ちょっとま………」
「ふう、静かになったな。」
時計を見ると午前9時になろうとしていた。
「とりあえず寝るか。」
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