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アナゴと、攻略不可?な階層
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15階層は、広がる砂浜と、青空。海の中には珊瑚もあって、綺麗な海!
わーい!なんて飛び出したりしないよ?素人の子供じゃあるまいに。
只でさえ危険なアナゴが魔物になって、更に危険になっているからね。
「海人君、今日は煮穴子だよ!」
「え…出来るの?」
「まっちゃんに色々と教わってきたからね。白焼きも作れるよ。それに、捌くのだって、ダンジョンがやってくれるからね!親切だよね!」
「お…おう」
杖の先端に出した、魔法の刃を当てると、簡単にアナゴは切断される。
切り身になったアナゴを拾いつつ、ごつごつな所が凶悪なサザエを拾う。
「これは、お土産用」
「え、食べないのか?」
「苦いから、苦手なの。食べたいなら焼くけど、貝はホタテかハマアサリがいいよね」
「うん。僕もそっちの方がいいな煮アナゴは、期待してる」
美味しく出来ればいいけど。
さて。夕ご飯だ。焼き網の方は海人君に任せてある。
「うわっ…美優ちゃん、これ生きてたんだけど」
「あ、ごめん。最後に空納に収納した奴、とどめ刺し切れてなかった?」
ちゃんと魔法はかけたつもりだったけど、弱かったかな?
「生きた魔物を持ち出すのは犯罪って言われてるけど、あんまり意味ない法律だよな」
「活き絞め料理屋さんとか、無理だよね」
「!あ…確かに」
許可取ってやってるかはわからないけど。
「そっち焼けた?」
「ああ。いい感じ」
「しゃあ、食べながら焼こう」
おにぎりにしたご飯を齧りながら、穴子を箸で切る。スッと身が割れる。
「あ、熱…美味しい!」
「こっちは気をつけろよ」
焼きたて貝は、間違いなく火傷しそうだ。
「タマ出していい?」
セーフティには誰もいない。
「猫又姿じゃなきゃ、いいんじゃないか?」
「そうだね」
「お待たせ、タマ。熱いから冷ますね」
冷風を出してみると、海人君が羨ましそうにしている。
「海人君もやってみたら?」
「うー…こんな感じ…わ!強過ぎ!」
穴子も飛ぶし、貝も飛ぶ。
「もう…小さい扇風機位でいいんだよ。手で持って使うやつ位で」
「う…こんな感じ…だけど、冷たくないな」
「ちょっとずつ、冬の寒い風を想像してみて」
「む…難しいな」
「魔法はイメージだよ。風よりも氷に意識を持っていきつつ、空気を動かして」
「んう…あ、出来てきたかも!」
「そう。そこでついでにかき氷を作るとか」
魔法はピタッと止まる。
「無茶言うから、魔力が途切れた」
「それが出来れば海人君も2属性の強力な魔法が使えるようになるよ」
「軽く言うなよ…穴子が冷めたな…ほら、タマ」
喜んで手で持って食べている。
「タマ、二足歩行にはならないで」
(他の人の気配もないし、いいでしょ?)
まあ、可愛いからいいか。
「満足満足!」
「旨かった。ありがとな」
「お粗末さまです」
「で?明日はどっちに進むんだ?」
「そりゃ、次の階層目指すでしょ。明日は穴子狙いじゃなくて、進むよ!」
「…はいよ」
まあ、今日遊び過ぎたから、階段まで行けるかはわからない。
タマ…私が寝られないよ…
寝袋の上で丸くなっているタマ。猫あるあるだけど。
「タマー?おやつ食べる?」
猫用とろーりおやつの袋を出すと、目付きが変わった。
渡してやると、自分で封を切って開け、絞りながら舐めている。
「じゃあ、お休み、タマ」
翌日、どうにか抜けて、次は16階層だ。
階段の下は水…しかも結構深い?!足場はあるけど、飛び石状態だ。
クラゲだ…時折パチパチいってる…電気クラゲ?
「マジか…飛び石を使って行けない事もないけど、厳しいな」
「うーん…蔓の梯子!」
結界や氷は滑るから、よく公園にあるような、縄梯子を連想して蔓で作ってみた。
「うわ…反則!」
どこからともなく吹く風の魔法で、大きく揺れる。
梯子ごとひっくり返った。
咄嗟に張った結界で、被害はないけどこの方法じゃ無理だな。
「大丈夫かー?」
入り口までゴロゴロと戻り、結界を解く。
「駄目…何か方法ないかな」
「あっ…!虫!小さい虫から風魔法が来るよ!」
「わ…ほんとだ」
海人君、お手柄だ。まあ…虫を倒しても、そのうち復活してくると思うけど。あとは短い距離で梯子を作りつつ、進むしかないかな…セーフティまで辿り着けるかな?
飛び石みたく利用して行ければ一番だけど、運動神経のなさは自覚ある。
虫退治は海人君が石を投げたら、一発で仕留められた。
「海人君…先に行っていいよ」
「えっ…でも」
「海人君なら行けるでしょ?虫を倒し損ねても、バランス取れそうだし」
「そうかもだけど…美優ちゃんも、一緒に行こう?」
「セーフティで待ってて。何とか方法を考えてみるから」
それでも躊躇う海人君。優しい所は変わりないな…。
「本当に大丈夫。意地でも行くから」
「まあ…セーフティで2日位は待つよ」
「ごめんね」
さて、どうすべきか。
新連載始めました。ちょこちょこ書いていたので、毎日投稿出来ています。
異世界再生!ポイントゲットで楽々でした。
読んで頂けると嬉しいです。
わーい!なんて飛び出したりしないよ?素人の子供じゃあるまいに。
只でさえ危険なアナゴが魔物になって、更に危険になっているからね。
「海人君、今日は煮穴子だよ!」
「え…出来るの?」
「まっちゃんに色々と教わってきたからね。白焼きも作れるよ。それに、捌くのだって、ダンジョンがやってくれるからね!親切だよね!」
「お…おう」
杖の先端に出した、魔法の刃を当てると、簡単にアナゴは切断される。
切り身になったアナゴを拾いつつ、ごつごつな所が凶悪なサザエを拾う。
「これは、お土産用」
「え、食べないのか?」
「苦いから、苦手なの。食べたいなら焼くけど、貝はホタテかハマアサリがいいよね」
「うん。僕もそっちの方がいいな煮アナゴは、期待してる」
美味しく出来ればいいけど。
さて。夕ご飯だ。焼き網の方は海人君に任せてある。
「うわっ…美優ちゃん、これ生きてたんだけど」
「あ、ごめん。最後に空納に収納した奴、とどめ刺し切れてなかった?」
ちゃんと魔法はかけたつもりだったけど、弱かったかな?
「生きた魔物を持ち出すのは犯罪って言われてるけど、あんまり意味ない法律だよな」
「活き絞め料理屋さんとか、無理だよね」
「!あ…確かに」
許可取ってやってるかはわからないけど。
「そっち焼けた?」
「ああ。いい感じ」
「しゃあ、食べながら焼こう」
おにぎりにしたご飯を齧りながら、穴子を箸で切る。スッと身が割れる。
「あ、熱…美味しい!」
「こっちは気をつけろよ」
焼きたて貝は、間違いなく火傷しそうだ。
「タマ出していい?」
セーフティには誰もいない。
「猫又姿じゃなきゃ、いいんじゃないか?」
「そうだね」
「お待たせ、タマ。熱いから冷ますね」
冷風を出してみると、海人君が羨ましそうにしている。
「海人君もやってみたら?」
「うー…こんな感じ…わ!強過ぎ!」
穴子も飛ぶし、貝も飛ぶ。
「もう…小さい扇風機位でいいんだよ。手で持って使うやつ位で」
「う…こんな感じ…だけど、冷たくないな」
「ちょっとずつ、冬の寒い風を想像してみて」
「む…難しいな」
「魔法はイメージだよ。風よりも氷に意識を持っていきつつ、空気を動かして」
「んう…あ、出来てきたかも!」
「そう。そこでついでにかき氷を作るとか」
魔法はピタッと止まる。
「無茶言うから、魔力が途切れた」
「それが出来れば海人君も2属性の強力な魔法が使えるようになるよ」
「軽く言うなよ…穴子が冷めたな…ほら、タマ」
喜んで手で持って食べている。
「タマ、二足歩行にはならないで」
(他の人の気配もないし、いいでしょ?)
まあ、可愛いからいいか。
「満足満足!」
「旨かった。ありがとな」
「お粗末さまです」
「で?明日はどっちに進むんだ?」
「そりゃ、次の階層目指すでしょ。明日は穴子狙いじゃなくて、進むよ!」
「…はいよ」
まあ、今日遊び過ぎたから、階段まで行けるかはわからない。
タマ…私が寝られないよ…
寝袋の上で丸くなっているタマ。猫あるあるだけど。
「タマー?おやつ食べる?」
猫用とろーりおやつの袋を出すと、目付きが変わった。
渡してやると、自分で封を切って開け、絞りながら舐めている。
「じゃあ、お休み、タマ」
翌日、どうにか抜けて、次は16階層だ。
階段の下は水…しかも結構深い?!足場はあるけど、飛び石状態だ。
クラゲだ…時折パチパチいってる…電気クラゲ?
「マジか…飛び石を使って行けない事もないけど、厳しいな」
「うーん…蔓の梯子!」
結界や氷は滑るから、よく公園にあるような、縄梯子を連想して蔓で作ってみた。
「うわ…反則!」
どこからともなく吹く風の魔法で、大きく揺れる。
梯子ごとひっくり返った。
咄嗟に張った結界で、被害はないけどこの方法じゃ無理だな。
「大丈夫かー?」
入り口までゴロゴロと戻り、結界を解く。
「駄目…何か方法ないかな」
「あっ…!虫!小さい虫から風魔法が来るよ!」
「わ…ほんとだ」
海人君、お手柄だ。まあ…虫を倒しても、そのうち復活してくると思うけど。あとは短い距離で梯子を作りつつ、進むしかないかな…セーフティまで辿り着けるかな?
飛び石みたく利用して行ければ一番だけど、運動神経のなさは自覚ある。
虫退治は海人君が石を投げたら、一発で仕留められた。
「海人君…先に行っていいよ」
「えっ…でも」
「海人君なら行けるでしょ?虫を倒し損ねても、バランス取れそうだし」
「そうかもだけど…美優ちゃんも、一緒に行こう?」
「セーフティで待ってて。何とか方法を考えてみるから」
それでも躊躇う海人君。優しい所は変わりないな…。
「本当に大丈夫。意地でも行くから」
「まあ…セーフティで2日位は待つよ」
「ごめんね」
さて、どうすべきか。
新連載始めました。ちょこちょこ書いていたので、毎日投稿出来ています。
異世界再生!ポイントゲットで楽々でした。
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