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海ダンジョン2階層と、魔道具
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こっそりと海のダンジョンに行ってたのは、速攻でバレた。原因はスマホだ。相手の位置を調べるアプリで、不審がってたお母さんに、調べられてた。
収納庫に入れてる間は位置が確定してなかったみたいだけど、時間を確認する為に時々出していたから、その時にネズミーランド近くにいるのが分かったようだ。
「あれ程大人同伴でって言ったのに!」
「だってもう、幼稚園は卒園したよ?それに都会の人は他人に無関心だから平気そう」
「それは結果論でしょう?もう…どれだけ心配したと思ってるの!」
「…ごめんなさい」
普段通りに振る舞っていたつもりだったのに、何故バレたんだろう?
「とにかく、黙って行かない事。分かった?」
「うん。ちゃんと前以て言う。それと、すごく広いダンジョンだから、泊まりになる事もあるかもしれない」
「ええ?」
「ちゃんとセーフティエリアもあるし、大丈夫」
「でも、亜空間っていうの?それは目立つんじゃないの?」
「それは色々考えてあるから大丈夫だよ」
一応テントも用意してある。
「学校を一番に考えるのよ」
それはまあ、当然だよね。
それに家の裏のダンジョンと違って有名なダンジョンだから、内部マップとか魔物の種類も出ていたりする。
確かに広い所が欠点だけど、得られる物も多い。
「タマ達はまだ役に立ってるの?」
「?うん。すごく強いよ?」
「そう…?ペットって、役に立つのは最初だけって」
「うちの子達は強いよ?」
他の人のペットは進化しないのかな?絶対強くなるのに。
次の日は、昨日よりも早くに出掛けたけど、入り口が狭いし、魔法石は一つしかないから、みんな並んでいる。まるでダンジョンに出勤してるみたいだ。
「海人君は外泊の許可取れた?」
「美優ちゃんの亜空間ならいいって」
「それダメじゃん?前世でもダンジョンに亜空間は開かなかったのに」
「でも、この世界では試してないだろ?」
「そうだけど、一緒だと思う。だって、空気が一緒なんだもん」
「うーん。僕にはそういう感覚はないんだよな」
あれ?そう感じたのは私だけ?
「そうなの?…まあ、それは後でいいや」
順番が来たので、魔法石に触れると、2階層前だ。
情報通り、ウミウシだ。水深は浅く、長靴を履いてきたので、足が濡れる事もない。
そして何故か、モーと鳴く。
「牛ならミルクをくれればいいのに」
「こんな奴のミルクが欲しいのか?」
「やだ」
「にしても、次の魔物情報が丸分かりなダンジョンは刺激が薄れるな」
「家の裏のダンジョンだって、両親に聞けば分かるんじゃないの?」
「そうなんだよな…進む前にネタばらしされた気分だ」
家の裏のダンジョンは、確かにドキドキしながら次に進んでばかりだったな。
というか、未だに攻略情報が冒険者の書に出て来ない。
確かにお客さんも少ないけど、一応ちゃんとしたダンジョンなのに。
ああいうのって、誰が載せるんだろう?
小さな屑魔石を拾いながら進んでいく。
もっと大きくならないと、グラムでしか買い取りしてくれない。どうせ燃料として使うんだから、もうちょっと値段上げて欲しいな。
「こういう屑魔石は、砕いて魔道具を作るのに利用出来るんだ」
「そうなの?なら、ここの階層の魔石は海人君にあげる。何かいい魔道具作ってよ」
「どういう魔道具?」
「炬燵とか、身近な家電も、コンセントがないから使えなくて。家で作るのもありだけど、こんな風にお泊まりするならあった方がいいし」
「あー…まあ、ぼちぼちやってみるよ」
気長に期待しよう。
タマが影から出て来ない。ポチは元気に遊んでいるのに。ピヨちゃんは、消えて魔石になると分かると、啄むのを止めた。
この程度、ペット達に頼らなくても大丈夫だけど。
(元の姿に戻るのはだめなのー?)
(他の人がいる所はだめって言ったでしょ?人は少ないけど、急に現れる可能性もあるの)
(んー)
というか、チョコっちが元の姿なんだね…もう白色レグホンじゃないってことか。
「どうしたんだ?」
「ん。ピヨちゃんが飽きたみたい。チョコっちの姿に戻りたいって」
「走り抜けたいのか…流石に無理だな」
「ごめんね?ピヨちゃん。家の裏のダンジョンならいいんだけど」
絶対ではないけど、他の人に見られる心配はないからね。
海藻の影で、何かがキラリと光った。
落とし物…じゃないだろう。余計な物はダンジョンに取り込まれちゃうからね。
「…お。何かの素材だな」
「やっぱりそうなんだ」
小指の先程のそれを拾い上げて、鑑定をかける。
鑑定 海魔石 魔素を含んだ海水が変化した物
「やっぱりそうか。海でしか採れないと思ってたけど、ここではダンジョン限定になるんだろうな」
「そりゃ、外の海に魔素は含まれてないし」
魔石の代わりとしても使えるし、錬金術の素材としても使える。
「海人君にあげるよ」
「サンキュー。まだ扱えるかは微妙だけどな」
錬金術の事は詳しくないけど、魔力と集中力を使うスキルだし、スキルレベルも一年じゃそう高くはならないだろう。
「探すとわりとあるな。小さいから集めるのが大変だな」
「任せて」
素材を見ながら魔法で集めて、袋に入れておく。
荷物は私預かりだけど。
セーフティエリアを見つけた。もう夕方だし、亜空間を開こうとしたけど、やっぱり無理だった。
ダンジョンは独立した空間だから等色々言われてたし、不思議さは感じない。
「もう半分は進んだと思うし、テントを張る?」
「そうだな。因みに空間拡張は?」
「ビニール製品には付与は無理だよ」
「そっか…残念」
それでも、大人用のテントだし、2人で寝るのには充分だ。
収納庫に入れてる間は位置が確定してなかったみたいだけど、時間を確認する為に時々出していたから、その時にネズミーランド近くにいるのが分かったようだ。
「あれ程大人同伴でって言ったのに!」
「だってもう、幼稚園は卒園したよ?それに都会の人は他人に無関心だから平気そう」
「それは結果論でしょう?もう…どれだけ心配したと思ってるの!」
「…ごめんなさい」
普段通りに振る舞っていたつもりだったのに、何故バレたんだろう?
「とにかく、黙って行かない事。分かった?」
「うん。ちゃんと前以て言う。それと、すごく広いダンジョンだから、泊まりになる事もあるかもしれない」
「ええ?」
「ちゃんとセーフティエリアもあるし、大丈夫」
「でも、亜空間っていうの?それは目立つんじゃないの?」
「それは色々考えてあるから大丈夫だよ」
一応テントも用意してある。
「学校を一番に考えるのよ」
それはまあ、当然だよね。
それに家の裏のダンジョンと違って有名なダンジョンだから、内部マップとか魔物の種類も出ていたりする。
確かに広い所が欠点だけど、得られる物も多い。
「タマ達はまだ役に立ってるの?」
「?うん。すごく強いよ?」
「そう…?ペットって、役に立つのは最初だけって」
「うちの子達は強いよ?」
他の人のペットは進化しないのかな?絶対強くなるのに。
次の日は、昨日よりも早くに出掛けたけど、入り口が狭いし、魔法石は一つしかないから、みんな並んでいる。まるでダンジョンに出勤してるみたいだ。
「海人君は外泊の許可取れた?」
「美優ちゃんの亜空間ならいいって」
「それダメじゃん?前世でもダンジョンに亜空間は開かなかったのに」
「でも、この世界では試してないだろ?」
「そうだけど、一緒だと思う。だって、空気が一緒なんだもん」
「うーん。僕にはそういう感覚はないんだよな」
あれ?そう感じたのは私だけ?
「そうなの?…まあ、それは後でいいや」
順番が来たので、魔法石に触れると、2階層前だ。
情報通り、ウミウシだ。水深は浅く、長靴を履いてきたので、足が濡れる事もない。
そして何故か、モーと鳴く。
「牛ならミルクをくれればいいのに」
「こんな奴のミルクが欲しいのか?」
「やだ」
「にしても、次の魔物情報が丸分かりなダンジョンは刺激が薄れるな」
「家の裏のダンジョンだって、両親に聞けば分かるんじゃないの?」
「そうなんだよな…進む前にネタばらしされた気分だ」
家の裏のダンジョンは、確かにドキドキしながら次に進んでばかりだったな。
というか、未だに攻略情報が冒険者の書に出て来ない。
確かにお客さんも少ないけど、一応ちゃんとしたダンジョンなのに。
ああいうのって、誰が載せるんだろう?
小さな屑魔石を拾いながら進んでいく。
もっと大きくならないと、グラムでしか買い取りしてくれない。どうせ燃料として使うんだから、もうちょっと値段上げて欲しいな。
「こういう屑魔石は、砕いて魔道具を作るのに利用出来るんだ」
「そうなの?なら、ここの階層の魔石は海人君にあげる。何かいい魔道具作ってよ」
「どういう魔道具?」
「炬燵とか、身近な家電も、コンセントがないから使えなくて。家で作るのもありだけど、こんな風にお泊まりするならあった方がいいし」
「あー…まあ、ぼちぼちやってみるよ」
気長に期待しよう。
タマが影から出て来ない。ポチは元気に遊んでいるのに。ピヨちゃんは、消えて魔石になると分かると、啄むのを止めた。
この程度、ペット達に頼らなくても大丈夫だけど。
(元の姿に戻るのはだめなのー?)
(他の人がいる所はだめって言ったでしょ?人は少ないけど、急に現れる可能性もあるの)
(んー)
というか、チョコっちが元の姿なんだね…もう白色レグホンじゃないってことか。
「どうしたんだ?」
「ん。ピヨちゃんが飽きたみたい。チョコっちの姿に戻りたいって」
「走り抜けたいのか…流石に無理だな」
「ごめんね?ピヨちゃん。家の裏のダンジョンならいいんだけど」
絶対ではないけど、他の人に見られる心配はないからね。
海藻の影で、何かがキラリと光った。
落とし物…じゃないだろう。余計な物はダンジョンに取り込まれちゃうからね。
「…お。何かの素材だな」
「やっぱりそうなんだ」
小指の先程のそれを拾い上げて、鑑定をかける。
鑑定 海魔石 魔素を含んだ海水が変化した物
「やっぱりそうか。海でしか採れないと思ってたけど、ここではダンジョン限定になるんだろうな」
「そりゃ、外の海に魔素は含まれてないし」
魔石の代わりとしても使えるし、錬金術の素材としても使える。
「海人君にあげるよ」
「サンキュー。まだ扱えるかは微妙だけどな」
錬金術の事は詳しくないけど、魔力と集中力を使うスキルだし、スキルレベルも一年じゃそう高くはならないだろう。
「探すとわりとあるな。小さいから集めるのが大変だな」
「任せて」
素材を見ながら魔法で集めて、袋に入れておく。
荷物は私預かりだけど。
セーフティエリアを見つけた。もう夕方だし、亜空間を開こうとしたけど、やっぱり無理だった。
ダンジョンは独立した空間だから等色々言われてたし、不思議さは感じない。
「もう半分は進んだと思うし、テントを張る?」
「そうだな。因みに空間拡張は?」
「ビニール製品には付与は無理だよ」
「そっか…残念」
それでも、大人用のテントだし、2人で寝るのには充分だ。
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