裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる

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海人君の新たなスキル

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    散々足止めされてた海人君だけど、お店の閉店後に海人君のお母さんが付き添ってくれる事になった。
    目視出来る私が居た方が速いので、付いていく事にした。

    ついでに魚を一網打尽にしたら、海人君のお母さんが引いてた。
「そりゃ…一気に経験値も上がる訳だよな…」
「今はそれほど感じないけどね」
    所詮は魚。それに、魔法で一気に倒しているから苦労はない。

「今日はペットは連れて来なかったの?」
「タマは寒いの苦手だし、ピヨちゃんはもう寝てます。ポチは何か遠慮してるみたいで」
    多分タマに対して?あんまりレベル差が開くのは良くない的な所があるのかも。

「あら?海人ももしかして、透明な床が見えているの?」
「一応、魔力感知のスキルは取れたから。でも美優ちゃん程じゃないよ」

「そうよね…美優ちゃんは魔法に関する事は天才的だもの」
    それは前世の記憶のお陰だ。

    よし!扉の前についた。
    一応、戦い方としては海人君メインだ。私は牽制のみ。海人君のお母さんは基本手出ししない。海人君はソロでやってるからね。

    ボスはやっぱりでっかいバッタだ。火が弱点だから、危ない時はとどめを差さないように、魔法で援護する。
    ずっと燻っていた海人君だから、割と余裕はありそうだけど、ジャンプされると手も足も出せない。

    でも、着地地点を狙って戦えてるし、私の魔法はほんの数発で済んだ。

「やった!宝箱だ!」
    ドロップした魔石を拾いつつ、開く。

    槌だ。ただし、実用的というよりは、装飾品?置物的な。
「美優ちゃん、見てよ」

    鑑定    神の加護が宿った槌。

(加護の依代的な物だね)
    思わず念話使ったけど、念話のスキルは相手も持っていないと、通じない。

「スキルは?…っ!やった!鍛冶だ!それと、強力が進化して、剛力になってる…え。これは…」
「どうしたの?」
「見てよ」

    いや、鑑定で見てもおかしな所はない。レベルは27か…うかうかしてると抜かれるかも。
「どうしたの?」
    お母さんも心配そうに覗くけど、口を噤んでしまった。

「取り敢えずさ、オーク相手に戦えるか試してみたら?」
「そうだな。取り敢えず二人共手出し無用で」

    レベル的には充分だし、私が戦った時より高いレベルだからか、問題はなさそう。
    スキルが進化したのもありそうだ。非常に力強い攻撃を繰り出している。

    欲しかった鍛冶のスキルを手に入れたからか、嬉しそうだ。

「夜遅いし、私は戻るね?海人君も明日は幼稚園だから程々にね」
「付き合ってくれてありがとう、美優ちゃん」
「いえ」

    私の天啓と違って、非常にレアなスキルだ。…いや、天啓もレアだと思うけど、役に立っていない。
    転生者とか関係なかったみたいだ。だったらどうして?

    まあ、欲しいスキルは努力すれば手に入るし、いいけどね。

    私の今のレベルは35だ。スキルによる所もあるけど、同じパーティーで戦ってもいいレベルだ。ただ、居る階層が違うから、海人君には頑張って貰わないと。

    次の日。幼稚園に向かうバスの中で海人君が真剣な表情で聞いてきた。
「あの槌は何だったんだ?」
「ああ。神の加護の依代になってたみたいだね」
「そっか…実は加護が増えててさ。天津彦根の神で、鍛冶に関する神らしい」

「そっか…鑑定では、加護まで見えないから」
「そうなんだ。じゃあ、あの槌は神棚にでも祀るか」
「そうだね。鍛冶は試してみた?」

「いや…多分魔素がないから無理だな」
「鍛冶も前世では少しやってたもんね」
「鍛冶と錬金術のスキルは相性がいいんだよ」

「付与も出来ればパーフェクトだね」
「それは難しいな。魔法系は苦手だし」

    私とは真逆なんだよね…どんな効果かは分からないけど、日本の神様からも加護を得るなんて、海人君もチートだよね…

    私も海人君も、レベルの上がり方は速いみたいだ。それを言ったらポチ達もだけど、人と動物ではレベルの上がり方も違うみたいだし。

    幼稚園の教室は、頭がぼんやりする位、暖房が効いている。その状態で外に出ると気持ちいいけど、すぐに寒くなる。

    ん?何か寒さが辛くなくなった?何かスキルでも…熱変動耐性か…どんなスキルかな?
「美優ちゃん!ドッジボールやろう!」

    ぐえっ…未だに回避のスキルは取れてないんだよね…
    冒険者の書でも、自力で取り易いと言われているスキル。しかも加護でスキルが取り易くなってる筈なのに、どんだけ私には合わないスキルなのか…

    ドッジボールが始まった。予見でボールの動きは見える筈なのに、避けられない。その前に転んでしまったからだ。
    転んだ私に、容赦なく当ててくる…おかしいな。レベルが高い私は、みんなよりも素早く動けるはずなのに。

    枠の外から中のヒトを狙う。…あれ?私…命中スキル、持っていたよね?
    うーん。私に合わないスキルは、レベルの上がりも遅いという事なのかもしれない。

    いいもん。私は魔術師。自分に合った戦い方でやっていけばいいもん。
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