裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる

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ムカデの素材

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    そろそろ12階層に降りてみようかな?
    万全の状態で進む為に、人の気配がないのをいい事にピヨちゃんに乗ってオークをなぎ倒しつつ進む。

    階段手前。
    しっかりと魔法石に触れて魔力登録をして、慎重に下る。
    下にも人の気配はなさそうだ。
    うわ…巨大ムカデじゃん!確か、触覚が弱点なんだっけ。

    ドロップアイテムは、嫌がらせレベルの甲殻の一部か魔石。
大人の鎧の一部に使う位だから、かなり大きい。運ぶなら、数枚持って1階層の階段を登り、車に積んで戻らなければならないだろう。

    私は収納庫があるから楽々持ち帰れるけど。
    魔石も結構質のいい物が出てきた。程度のいい魔道具が作れるレベルだけど、魔道具は宝箱で出てくる物以外はない。カイなら作れるだろうけど、特に欲しい物もない。

    この世界は便利過ぎる位だから、魔道具は発展しないだろう。魔道具を作る位なら、魔石をエネルギーに変える事を選ぶだろう。

    でも…嫌じゃないのかな?ムカデの甲殻が鎧なんて。

    ともかく、私もペット達もムカデに充分に対応出来ている。オークエリアで結構長い時間レベル上げしていたし、そのお陰もあるのだろう。
    先に進もうかな…食べられない魔物だし。
    スキル上げ位には多分役に立つ。動きが読めないから、予見のアップに繋がるだろう。

    ピヨちゃんの蹴りは凄い。オークの時も思ったけど、態々弱点を狙わなくても、相手は勝手に倒れる。
    タマの爪攻撃は、甲殻に逸らされて届かない。

(タマ、それには頭の天辺に焔を使った方がいいと思うよ)
(そうだけど…何か悔しいのよね!あの子は何も考えないで攻撃してるのに、倒しているし)

(ピヨちゃんはパワフルだからね…というか、考えた攻撃なんて無理かもね)
    本能のままに戦ってる感じかな。

(たのしー!)
    うん…虫だけど、ムカデは食べられないからね?
    私は収納庫があるから楽に持ち帰れるけど、そんなに買い取ってくれるかな?

    持ち帰ったら、喜んで買い取ってくれた。
    ムカデの甲殻は、中級冒険者が使う装備として割と一般的なのに、誰も持ち帰ってくれなくて、ショップの店員が集めてくるしかなかった。

「それにしても…魔術って、凄いのね」
「今までは火魔法使いとか、そんなスキル持ちしかいなかったからな。勿論、誰にも言わないから安心してくれ」

「いえ…でもこんな小さなお店で沢山在庫があったら大変じゃないですか?」
「いいえ!私達は加工は出来ないから、専門の職人がいる工場に持って行くのよ。定期便があるから、ここでの在庫なんてすぐになくなるわ」
「肉等の食料品も扱っているけど、傷みやすい魚の切り身は扱えなくて。9階層で狩りをする冒険者もあまりいないけどな」

「魚…美味しいのに」
「美優ちゃんは9階層でも狩りをしているのね」
「母さん達も毎朝確認に行ってるんだから、倒せばいいのに」
「網はすぐに駄目になっちゃうし、魔法を使う魚もいるから大変なのよ。酷い時は一回で網が駄目になるから」

    網の外側から剣使ってたら、確かに駄目になるか。攻撃的な魚ばかりだし。

    魔法がないと不便な階層だね。前世では、魔力量の差はあるけど、殆どの人が魔法を扱えたからな…というか、魔力を使うスキルも結構多いから、それなりに魔力を持ってる人はいると思う。

    剣圧を飛ばすスキルも、絶対魔力を飛ばしていると思うんだよね…魔力があれば、あとはイメージだと思うんだけど…

「とにかく、ムカデの甲殻ありがとう。無理ない範囲で拾えたらまた宜しくね」
    うん。かなりいい収入源になったな。魔石はあんまり売りたくないレベルになってきてるから、こういう所で稼げるのは嬉しい。

    喜んで貰えるなら、それなりに納品しようかな。今まで捨ててたけど、こんなに高く買い取ってくれるなんて。
    東京で遊びたいもんね。萌え萌えキュンなメイドさんにも会ってみたいし。

    お金かかるな…電車代は半額でも、食べたりするお金はかかるし、東京のアドベンチャーショップにも行ってみたい。

    そんな話を海人君にしたら、東京のどこ?って聞かれた。東京は思っているより広いらしい…ちょっとショックだ。
    海人君も行ければ道案内してくれるって言うけど、そんなに広いなら、道案内は必要かも。というか、1人で行ったら迷子になる未来しか浮かばない。

    ネズミーランドの近くの駅から行けばいいと思ってたけど、実は千葉県で、東京じゃないなんて…でもさすがに、家からバスと電車を使って行くよりは近いよね!

    駅のある隣の市に行くと、方向的には逆になるし、県の中心地まで行くバスは、隣の市に行くより本数が少ないし、凄く時間がかかる。

「時々思うんだよね。ダンジョンもこんな田舎に出来ても餌不足で枯れて終わりなんじゃ?…って。ショップもここじゃ採算取れないんじゃないかと思うよ。ただ父さん達もまだ最終階層には辿り着けてないから、思ってたよりも深さはあるかも」

「そのうち、私とペット達のパーティーが追い越すかもよ?」
「まさか。それよりも、追い付けたら美優ちゃん達のパーティーに入れて欲しい」
「手助けはするよ?でもスキルも積極的に取って、技術も磨いてね。ポーション系も期待してるから」

    今の美優ちゃんには僕は必要ないのかな…ペット達が凄すぎて、役に立てる気がしない。
    淋しいけど、隣に立てるように頑張るしかないんだよな。


    
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