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これも隠蔽
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隠蔽系のスキルは、前世でも修得が難しいスキルとされてきた。
昔からスキルがあって、誰もがスキル修得に尽力してきた世界だ。当然、今の世界よりもそっちは知識もあったし、研究もされてきた。
魔法教師だった私は、当然それに見合うスキルを持っていたし、修得の為に努力も重ねた。
魔術のスキルしか残らなかったのは残念だけど、記憶を思い出せて良かった。
ポチの咆哮弾は、前世で持っている魔物がいた。ピヨちゃんの穴掘りだけが、謎スキルだ。名前からしてあんまり役に立たなそうなスキルだけど、ピヨちゃんはレベルのお陰でか、充分強い。
「ね、ピヨちゃん、穴掘りのスキル、使ってみてよ」
「ココー?」
駄目だこりゃ。
言葉の違う多種族や魔物と話す方法として、念話がある。
一生懸命話すと思えば通じるかも知れない?
ただ、これは相手もその気になってくれないと覚えられないし、私も持っていなかったスキルだし…どうかな?
エストレイラ様の加護があるけど、ピヨちゃん達にはないし、双方で持っていないと意味がない。
「ま、やる価値はあるかも」
動物と話せるなんて、ファンタジーそのものだ。
(タマ、ポチ、ピヨちゃん)
振り向け、と念じながら、呼び掛けるけど、みんな我関せずだ。うん…最初から上手くはいかないよね。
うん。気長にやろう。
野菜を収納庫に仕舞いながら、じゃがバターが食べたいなと考える。
収納庫を思い出してから、家の物も色々と仕舞い込んでいる。その中には鍋やフライパンもあって、バターはないけどマヨネーズがある。つい、仕舞ってしまったのだ。
階段を一段下り、魔法で出した石を組んで、洗ったじゃがいもを茹でる。
あ、丁度ピヨちゃんが卵を産んだ。サラダを作ろう。
ピヨちゃんが産んだ卵もゆで卵にして、切って潰す。冷やすのは魔法だ。
何も攻撃に使うばかりが魔法じゃない。魔法は生活を便利にするものだ。
美味しいし、おやつに丁度いいな。
子供になってしまって、色々と不器用になったけど、ポテトサラダ位なら作れる。
ポチ達も欲しがったからあげたけど、ピヨちゃんは卵使ってるし、共食いにならないのかな…
まあ、喜んでいるからいいかな。
暫くスキル修得に頑張った後、家に戻った。
「あら?この前買ったテフロン加工のフライパン、どこに置いたかしら?」
ギクッ!
「儂の揃いで買った包丁も、無くなっておる。和美、お前使ってないか?」
ギクギクッ!
「私が武器で使っているのは自分で買った肉切り包丁よ?」
「そうか…畑の方も探してみるか」
ごめんなさい…全部私だ。ついでに菜箸とか食器もいくつか。片手鍋もあんまり使ってないからいいかな…って。包丁だって、普段使いしてるのは菜切り包丁だけだし、いいじゃん?
つい、ね。何でも入っちゃうから、あると便利かなって。万引きはしないよ?家の物だけ。
あとで100円ショップに行った時に、調味料とか買ってもらおう。
折角手軽に食材が手に入るんだし、ちょっと作ってみたくなる。
そろそろ次の階層に行きたいな。5階層は野菜が手に入るから、家族がよく行く階層だけど、魔力にも余裕が出てきた今は、次も気になる。
ダンジョンの中は地下だからか、そこまで冷え込まない。
冬休み中は、遠方の高校に通う為にアパート暮らししてる誠一お兄ちゃんが帰ってきた。
家の裏にダンジョンが出来た事を聞いていたのだろう。早速翔真兄ちゃんと一緒に潜りに来た。
「美優も一緒に行っていい?」
「えっ…魔物が出るし、危ないよ?」
「5階層までならタマ達も一緒に潜ってくれるし、美優は魔法が使えるから大丈夫だよ」
「ま…魔法?」
「そう。しかも全属性。超チートだよな」
「へえ…俺も何度かダンジョンには潜ったけど、魔法は見た事なかったな」
「レベルは幾つだ?」
「5だよ。そう何度も行ける訳じゃないし、上層の方は魔物の取り合いだからな」
「うわ…経験値欲しさに潜るって奴か。ここはたまに冒険者が来るけどまだ知名度低いし、交通の便が悪いから人はあんまり来ないな」
そう。バスなんて一時間に1本しか通らないし、朝と夕方以外はもっと間隔が空く。それに町には宿泊施設がないから、余計に誰も来ない。
「じゃあ、慎重に行こうね。最初はスライムだから、余裕だと思うけど」
ポチだけが、今日は付いてきてる。タマは寒いからか、冬はお出かけしたくないみたいだし、ピヨちゃんは誠一お兄ちゃんのレベル上げする為に来たのに、魔物を勝手に倒してしまうから、置いてきた。
ポチは待てが出来る子だからね。
誠一お兄ちゃんがピンチの時だけ助けてくれるように、よくお願いした。
「美優、魔法を見せて」
バラバラと飛ばした石つぶてだけど、命中スキルが取れたから、ちゃんと当たる。
「凄いな…呪文の詠唱も要らないのか」
「うん。イメージだよ。他の魔法使いの人は、イメージで変わったりしないのかな?」
「スキルに火魔法とか出てるらしいぜ。美優のようにはいかないんじゃないか?」
「不便だね」
「本当にむかごばかりだな。町にはないから、久しぶりに食べたいな」
「えっ!…むかご、ないの?」
「たまに街路樹の所に生えていたりするけど、排気ガスに当たって不味そうだし」
「…それは食べたくないね」
「そろそろ2階層に降りてみたいな」
「タマ位ある大きなネズミだよ」
「けど、兄貴の長剣にはちょっと相性悪いかもな」
「気をつけてね?」
チョロチョロ走るネズミに、誠一はなかなか長剣を当てられない。片手剣より攻撃力はあるけど、素早い魔物には確かに相性悪いかもね。
誠一お兄ちゃんがダンジョンに入って得たスキルは、長剣術。
一番最初に持って入った得物によって手に入るスキルに影響があるらしい事は、冒険者の書に書いてあった。
私が持っていたのは魔女っ子の杖(玩具)だから、みんなそれで魔法スキルが取れたと勘違いしてるみたいだけど、本当は鑑定。
杖は関係ない。むかごを見て、これ、むかごだよね?と、思ったから取れたのだと思う。
こんな風に、努力なしに取れるスキルを開眼スキルって言うみたい。あとは10階層にいるボスを倒した時にもスキルが得られるみたいだから、楽しみ!
昔からスキルがあって、誰もがスキル修得に尽力してきた世界だ。当然、今の世界よりもそっちは知識もあったし、研究もされてきた。
魔法教師だった私は、当然それに見合うスキルを持っていたし、修得の為に努力も重ねた。
魔術のスキルしか残らなかったのは残念だけど、記憶を思い出せて良かった。
ポチの咆哮弾は、前世で持っている魔物がいた。ピヨちゃんの穴掘りだけが、謎スキルだ。名前からしてあんまり役に立たなそうなスキルだけど、ピヨちゃんはレベルのお陰でか、充分強い。
「ね、ピヨちゃん、穴掘りのスキル、使ってみてよ」
「ココー?」
駄目だこりゃ。
言葉の違う多種族や魔物と話す方法として、念話がある。
一生懸命話すと思えば通じるかも知れない?
ただ、これは相手もその気になってくれないと覚えられないし、私も持っていなかったスキルだし…どうかな?
エストレイラ様の加護があるけど、ピヨちゃん達にはないし、双方で持っていないと意味がない。
「ま、やる価値はあるかも」
動物と話せるなんて、ファンタジーそのものだ。
(タマ、ポチ、ピヨちゃん)
振り向け、と念じながら、呼び掛けるけど、みんな我関せずだ。うん…最初から上手くはいかないよね。
うん。気長にやろう。
野菜を収納庫に仕舞いながら、じゃがバターが食べたいなと考える。
収納庫を思い出してから、家の物も色々と仕舞い込んでいる。その中には鍋やフライパンもあって、バターはないけどマヨネーズがある。つい、仕舞ってしまったのだ。
階段を一段下り、魔法で出した石を組んで、洗ったじゃがいもを茹でる。
あ、丁度ピヨちゃんが卵を産んだ。サラダを作ろう。
ピヨちゃんが産んだ卵もゆで卵にして、切って潰す。冷やすのは魔法だ。
何も攻撃に使うばかりが魔法じゃない。魔法は生活を便利にするものだ。
美味しいし、おやつに丁度いいな。
子供になってしまって、色々と不器用になったけど、ポテトサラダ位なら作れる。
ポチ達も欲しがったからあげたけど、ピヨちゃんは卵使ってるし、共食いにならないのかな…
まあ、喜んでいるからいいかな。
暫くスキル修得に頑張った後、家に戻った。
「あら?この前買ったテフロン加工のフライパン、どこに置いたかしら?」
ギクッ!
「儂の揃いで買った包丁も、無くなっておる。和美、お前使ってないか?」
ギクギクッ!
「私が武器で使っているのは自分で買った肉切り包丁よ?」
「そうか…畑の方も探してみるか」
ごめんなさい…全部私だ。ついでに菜箸とか食器もいくつか。片手鍋もあんまり使ってないからいいかな…って。包丁だって、普段使いしてるのは菜切り包丁だけだし、いいじゃん?
つい、ね。何でも入っちゃうから、あると便利かなって。万引きはしないよ?家の物だけ。
あとで100円ショップに行った時に、調味料とか買ってもらおう。
折角手軽に食材が手に入るんだし、ちょっと作ってみたくなる。
そろそろ次の階層に行きたいな。5階層は野菜が手に入るから、家族がよく行く階層だけど、魔力にも余裕が出てきた今は、次も気になる。
ダンジョンの中は地下だからか、そこまで冷え込まない。
冬休み中は、遠方の高校に通う為にアパート暮らししてる誠一お兄ちゃんが帰ってきた。
家の裏にダンジョンが出来た事を聞いていたのだろう。早速翔真兄ちゃんと一緒に潜りに来た。
「美優も一緒に行っていい?」
「えっ…魔物が出るし、危ないよ?」
「5階層までならタマ達も一緒に潜ってくれるし、美優は魔法が使えるから大丈夫だよ」
「ま…魔法?」
「そう。しかも全属性。超チートだよな」
「へえ…俺も何度かダンジョンには潜ったけど、魔法は見た事なかったな」
「レベルは幾つだ?」
「5だよ。そう何度も行ける訳じゃないし、上層の方は魔物の取り合いだからな」
「うわ…経験値欲しさに潜るって奴か。ここはたまに冒険者が来るけどまだ知名度低いし、交通の便が悪いから人はあんまり来ないな」
そう。バスなんて一時間に1本しか通らないし、朝と夕方以外はもっと間隔が空く。それに町には宿泊施設がないから、余計に誰も来ない。
「じゃあ、慎重に行こうね。最初はスライムだから、余裕だと思うけど」
ポチだけが、今日は付いてきてる。タマは寒いからか、冬はお出かけしたくないみたいだし、ピヨちゃんは誠一お兄ちゃんのレベル上げする為に来たのに、魔物を勝手に倒してしまうから、置いてきた。
ポチは待てが出来る子だからね。
誠一お兄ちゃんがピンチの時だけ助けてくれるように、よくお願いした。
「美優、魔法を見せて」
バラバラと飛ばした石つぶてだけど、命中スキルが取れたから、ちゃんと当たる。
「凄いな…呪文の詠唱も要らないのか」
「うん。イメージだよ。他の魔法使いの人は、イメージで変わったりしないのかな?」
「スキルに火魔法とか出てるらしいぜ。美優のようにはいかないんじゃないか?」
「不便だね」
「本当にむかごばかりだな。町にはないから、久しぶりに食べたいな」
「えっ!…むかご、ないの?」
「たまに街路樹の所に生えていたりするけど、排気ガスに当たって不味そうだし」
「…それは食べたくないね」
「そろそろ2階層に降りてみたいな」
「タマ位ある大きなネズミだよ」
「けど、兄貴の長剣にはちょっと相性悪いかもな」
「気をつけてね?」
チョロチョロ走るネズミに、誠一はなかなか長剣を当てられない。片手剣より攻撃力はあるけど、素早い魔物には確かに相性悪いかもね。
誠一お兄ちゃんがダンジョンに入って得たスキルは、長剣術。
一番最初に持って入った得物によって手に入るスキルに影響があるらしい事は、冒険者の書に書いてあった。
私が持っていたのは魔女っ子の杖(玩具)だから、みんなそれで魔法スキルが取れたと勘違いしてるみたいだけど、本当は鑑定。
杖は関係ない。むかごを見て、これ、むかごだよね?と、思ったから取れたのだと思う。
こんな風に、努力なしに取れるスキルを開眼スキルって言うみたい。あとは10階層にいるボスを倒した時にもスキルが得られるみたいだから、楽しみ!
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