巻き込まれ召喚された私は、ペットと共に穏やかに過ごしたい

あかる

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第五階層へ

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 今日からまた、冒険者として頑張ろうと思う。
 どこのダンジョンでも、5のつく階層は所謂ボーナスステージで、攻略者には嬉しい階層らしい。

 折角だから、階層転移を使ってみようと思う。
「魔物は出るから警戒してね」

 転移には結構な魔力が必要みたいだけど、私の魔力は多いみたいだし、やってみたかった。

「凄い…」
 ダンジョンの中のはずなのに、青空が広がっている。
「魔力は、平気?」
「問題ないです」
 神様に会った時に、聖魔法と魔法神の加護を頂いた。魔力の回復が早くなる効果と、習得難易度低下、イメージ出来る魔法なら、扱えるという物だ。

 だから今日は、ダンジョン内でそれらを練習してみようと思う。
 同じ魔法神様の加護を頂いてるマシロにも同じ効果があるけど、自分でも良く分かってないみたいで、土の弾でばかり攻撃している。
 どうしても、属性の相性はあるから、多分マシロは土の属性と相性がいいんだろう。あとは体験。汚れるのが嫌いなマシロが土と相性がいいのは…まあ、よく庭でゴロンゴロンしてたしな…

 そのうち私が風魔法を使い始めたら、じっと観察して同じように風魔法を使い始めた。
「凄い!凄いよマシロ!」

 少し遠い所にいたマシロがすぐ側に現れた。
「今の、何?」
「にゃん!」
 えっ…パスを通して私の場所を把握して、すぐに転移出来る魔法?!
 どや顔するマシロが可愛いくて、いっぱい撫でた。
(サヤカ!ちゃんと魔物の気配は探ってないと!)

 おお…危ない。それにしても、転移か…しっかりとそこの空間を認識出来ないと無理みたいだな。
 悔しいけど、私には無理。
 でも、所謂全属性。生活魔法でも扱えていたから、イメージするのは難しくなかった。

 特に難しそうな闇系統は、マシロに良く見せて貰った。
 スキルの水で扱えていた浄化等の一部は、聖魔法として扱えそうだ。

 ここには巨大な蜂も飛んでいて、倒すと蜂蜜入りの小瓶を落とす。それは嬉しいけど、地中から鋭い歯の生えたワーム…ミミズが時折襲ってくる。それが落とすのは肉なんだけど…流石にいらない。

 こっちの世界に来てジビエ肉は結構食べたし、美味しいとも思うけど、美味しいと言われても、蛇とミミズは無理だね。
 オーク肉は最初肉から入ったから平気だったのかも。醜悪な姿をしていても、豚肉と思えば食べられる。

 中ボスは、何故かリンゴの木。低確率で落とす金色のリンゴは、体力、魔力回復効果のある実らしい。


 これは誰があけても1本しか現れないみたいだ。

 そして、本当に現れた金色に光るリンゴ。
「これって、味はリンゴなんですかね?」
「さあ?ギルドでも常に貴族から依頼が出ているから、きっと誰もその場で食べたりしないと思うよ?」
 金貨10枚は下らないらしい。

(ボク達がちょっと狩りに出ればそれ位の稼ぎになるし、食べたいなら我慢しない方がいいよ)

 大きさは普通のリンゴより小さい。
「じゃあ、みんなで食べようか」
 大きさはきっかりではないけど五等分して、みんなに渡した。
 美味しい…少し柔らかくて、ふじとかそんな感じの味だ。
 口から種を出して、これは妖精さんに育てて貰えるかな?と考えた。

 6階層もまた、人が多い。魔物はブラウンバッファロー。
 落とすのは、牛肉、牛乳、皮、チーズもたまに落とす。

 チョコのやる気が違う…やっぱり肉だからかな?私はチーズも欲しい!それに、牛乳からバターも作れるはずだ。
 その割には並んでいる人が少ない。聞くと、上位種を倒すのが難しいらしい。
 ここのダンジョン攻略者は、6階層で引き返す人が殆ど。
(じゃあ、何回も出来るよね!)

 えええ…どんだけ牛肉好きなの?それともチーズ?たまに食べてるよね?そういう所、マシロはダンジョンでは絶対にそのままで食べようとしない。
 ただし、私が嫌がっていたミミズ肉は食べてるのを見かけた。生で食べられない訳じゃないみたい?
「マシロは律儀なのかな?」
「にゃっ!」

 ん?チョコにすすめられたの?
 あんまりないとは思うけど、私がマシロのご飯を出してあげられない時もあるかもしれない…そうなったら、自分で用意しないとならないから…マシロだったら自分で焼く位は出来そうだけど。

 中ボス戦には、モチも参加した。
 少ししか参加しなくても、スライムのモチはレベルが上がるのが早い。レベル45…あっさり抜かれた。

 経験値が上がるシステムについては分かっていなくて、例えば支援魔法しか使っていなくてもレベルが上がったりする。
 勿論、レベルが高い人ほどなかなかレベルが上がらないから、研究もしようがない。

 相変わらずの凄い数…
 そして、ドロップアイテムを拾い集めたら、宝箱が出現した。
(待って、宝箱には罠があるかもしれないから…マシロ、良く探ってみて?開いたら発動する仕組みになってる物。潰してごらん?)
 マシロは真剣な目つきでじっと宝箱を見つめる
 と、何かが割れる音がした。
 マシロのどや顔。

「マシロ、ありがとう」
 中に入っていたのは、肩掛け鞄?モチを入れて運んでいる物に似ている。
(魔力を感じるよ)
 鑑定    マジックバック    Aサイズ    時間停止なし

「へえ…出たとしても、普通はこんな浅い階層で出ないのに。まあ、あれだけ上位種が混じっていれは、あり得るのか」
(いいな!いいな!ボクに頂戴?これがあれば、狩りの獲物を持って来られるよ!)

「いいけど…蛇とかワームは嫌だよ?」
(ワームはこの辺にはいないと思う。ボーダースネーク以外ならいい?)
「スネークはだめ!シマヘビは毒はなくても、他の蛇はありそうだし。ね?」

 ちょっと不満そうだけど、持ってこられても料理はしないよ。絶対。
「えええ…また並ぶの?」
「肉はたくさんあってもいいよね!」
 鉄板で焼いて子供達と食べるのもいいな。
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