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子供達
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じゃがいもや、串焼きがかなりの数出来たので、一旦外に出ることにした。
丁度冒険者達が出てくる時間で、籠を背負った子も、多少の分け前を貰い、集まる。
「あのね?じゃがいもで良かったら食べない?串焼きもあるよ」
「えっ…ポーターがそんな事、勝手にしちゃいけないんだよ?」
「え?私は冒険者だよ。とにかく、いっぱいあるから食べよう?」
アイテムボックスからどんどん出していくと、子供達が集まってきた。
最初に声をかけた女の子が、みんなを集めてくれる。
バター、あるいはマヨネーズをかけたじゃがいも。串焼きを手に、最初は遠慮していた子達も、今はマシロを撫でたり、お代わりを貰いに来たりして、随分慣れた。
たとえ偽善者の自己満足だとしても、子供達の無邪気な笑顔は、心が暖かくなる。
「凄いね…私と同じ位なのに、テイマーだし、ちゃんと冒険者やってるんだね」
赤みがかった巻き毛の子は、キャシーちゃん。
「え…キャシーちゃんはどう見ても10才位だよね?」
「サヤカちゃんはどう見ても同じ位だよ?」
周囲の子達も頷いている。
身長は、私の方が多少高いけど、顔立ちがはっきりしてるからね。
異世界の人って大人っぽい人が多いな。
子供達が満足した所で別れ、宿から亜空間に入った。
樹木は時間がかかるので、オリーブオイルはまだ出来ていない。でもローズマリーは出来ていたので収穫し、また苺を植えた。
「マシロ、今日はご苦労様」
上に乗られたり、毛を引っ張られてもじっとマシロは耐えていた。
ブラシですいてやると、嬉しそうにゴロゴロと喉を鳴らした。
因みにチョコには、子供達もちょっと触れる位だった。
嘴も鋭いし、脚も太くてチョコは強そうだからね。
今日は私もじゃがバターでお腹いっぱいだ。妖精さんの作ってくれる野菜は、とにかくサイズが大きいのだ。じゃがいもも、特大サイズだ。
苺も拳位あるから、一つで充分。どこのブランド物の苺かと思う位。
1日置いてよく味の染みた手羽先大根は、薄い味付けでも凄く美味しい。
バターは今日で使い切ってしまった。これからはマヨネーズか塩で対応するしかないかな。じゃがいもの在庫はまだまだあるけど、主食にするならパンの方がいいよね。
こちらのパンはフランスパンみたいな硬いのが主流だから、子供達には食べずらいかも?それとも慣れてるのかな?
私にはちょっと硬いから、明日の朝用に、今は牛乳と卵液に浸けてある。明日はフレンチトーストにするつもりだ。
こちらの世界に来てよく体を動かすせいか、食事量も増えたし、夜もぐっすり眠れる。
原稿を書く事もなくなったから、夜更かしもない。少し淋しい気もするけど、推しについて友人と語りながら書くのが楽しかったから、何もない状態で書いても仕方ないんだよね。
こんな生活してたら、称号は変わるかもしれない。
でも、スマホでも称号は見られない。レベルが上がれば見られるのかな?
横にスライドさせて、アッシュさんの名前が見えて、慌てて更にスライドさせる。
うん。モチのステータスだ。アッシュさんの名前、やたらと長かった。絶対覚えられないやつ。
ステータスが見えたのは、亜空間に入っているからなのか。気をつけよう。
モチのレベルが20越えてるよ…いつの間に。というか、この聖女の加護って何?いつの間にゆかりに加護なんて…いや、あり得ないよね?モチが従魔になったのは、ついこの前だし。
いつの間にかそんな偉い人と会ってて、モチに加護を貰ったとか?
あ…宿の犬獣人のサーシャさん?それかおかみさん…あ、ギルドの受付の人…モチは基本鞄の中に入れてたし、人と接してないんだけどな。
まあ、いいや。悪い物じゃなさそうだし、その人が秘密にしてたら探っちゃだめだよね。
身体能力に軽いバフがかかってるみたい?モチの身体能力って…ジャンプ力とか?
可愛いモチに加護をありがとうございます。どこの誰かはわからないけど。
次はこの鶏肉を使った料理でも出そうか。鶏冠は少し残して流石に売ったけど、鶏肉のような浅い階層で採れる物はかなり安くしか売れないから、みんなで食べた方が絶対いい。
あの子達は、私みたくたまにたくさん食べさせてくれる冒険者がいるからとても助かっているって。
国とかからの補助だけでは満足になれないから、働いて少しでも足しにしようと頑張っている。
お腹が空いているのは辛い事だ。そして、親がいない事も。
私にはお母さんがいたけど、生活の為に家を空ける事が多かった。
淋しさは埋めてあげられないけど、元気を出す為にもお腹は満たしてあげたい。
翌日、働き方に出る前の子達に、苺を配った。随分顔色が良くなっている。
「ありがとう、サヤカちゃん」
「うん、お互いに今日も頑張ろう!」
せめてコッコ位は余裕で倒せるようにならないとね!
丁度冒険者達が出てくる時間で、籠を背負った子も、多少の分け前を貰い、集まる。
「あのね?じゃがいもで良かったら食べない?串焼きもあるよ」
「えっ…ポーターがそんな事、勝手にしちゃいけないんだよ?」
「え?私は冒険者だよ。とにかく、いっぱいあるから食べよう?」
アイテムボックスからどんどん出していくと、子供達が集まってきた。
最初に声をかけた女の子が、みんなを集めてくれる。
バター、あるいはマヨネーズをかけたじゃがいも。串焼きを手に、最初は遠慮していた子達も、今はマシロを撫でたり、お代わりを貰いに来たりして、随分慣れた。
たとえ偽善者の自己満足だとしても、子供達の無邪気な笑顔は、心が暖かくなる。
「凄いね…私と同じ位なのに、テイマーだし、ちゃんと冒険者やってるんだね」
赤みがかった巻き毛の子は、キャシーちゃん。
「え…キャシーちゃんはどう見ても10才位だよね?」
「サヤカちゃんはどう見ても同じ位だよ?」
周囲の子達も頷いている。
身長は、私の方が多少高いけど、顔立ちがはっきりしてるからね。
異世界の人って大人っぽい人が多いな。
子供達が満足した所で別れ、宿から亜空間に入った。
樹木は時間がかかるので、オリーブオイルはまだ出来ていない。でもローズマリーは出来ていたので収穫し、また苺を植えた。
「マシロ、今日はご苦労様」
上に乗られたり、毛を引っ張られてもじっとマシロは耐えていた。
ブラシですいてやると、嬉しそうにゴロゴロと喉を鳴らした。
因みにチョコには、子供達もちょっと触れる位だった。
嘴も鋭いし、脚も太くてチョコは強そうだからね。
今日は私もじゃがバターでお腹いっぱいだ。妖精さんの作ってくれる野菜は、とにかくサイズが大きいのだ。じゃがいもも、特大サイズだ。
苺も拳位あるから、一つで充分。どこのブランド物の苺かと思う位。
1日置いてよく味の染みた手羽先大根は、薄い味付けでも凄く美味しい。
バターは今日で使い切ってしまった。これからはマヨネーズか塩で対応するしかないかな。じゃがいもの在庫はまだまだあるけど、主食にするならパンの方がいいよね。
こちらのパンはフランスパンみたいな硬いのが主流だから、子供達には食べずらいかも?それとも慣れてるのかな?
私にはちょっと硬いから、明日の朝用に、今は牛乳と卵液に浸けてある。明日はフレンチトーストにするつもりだ。
こちらの世界に来てよく体を動かすせいか、食事量も増えたし、夜もぐっすり眠れる。
原稿を書く事もなくなったから、夜更かしもない。少し淋しい気もするけど、推しについて友人と語りながら書くのが楽しかったから、何もない状態で書いても仕方ないんだよね。
こんな生活してたら、称号は変わるかもしれない。
でも、スマホでも称号は見られない。レベルが上がれば見られるのかな?
横にスライドさせて、アッシュさんの名前が見えて、慌てて更にスライドさせる。
うん。モチのステータスだ。アッシュさんの名前、やたらと長かった。絶対覚えられないやつ。
ステータスが見えたのは、亜空間に入っているからなのか。気をつけよう。
モチのレベルが20越えてるよ…いつの間に。というか、この聖女の加護って何?いつの間にゆかりに加護なんて…いや、あり得ないよね?モチが従魔になったのは、ついこの前だし。
いつの間にかそんな偉い人と会ってて、モチに加護を貰ったとか?
あ…宿の犬獣人のサーシャさん?それかおかみさん…あ、ギルドの受付の人…モチは基本鞄の中に入れてたし、人と接してないんだけどな。
まあ、いいや。悪い物じゃなさそうだし、その人が秘密にしてたら探っちゃだめだよね。
身体能力に軽いバフがかかってるみたい?モチの身体能力って…ジャンプ力とか?
可愛いモチに加護をありがとうございます。どこの誰かはわからないけど。
次はこの鶏肉を使った料理でも出そうか。鶏冠は少し残して流石に売ったけど、鶏肉のような浅い階層で採れる物はかなり安くしか売れないから、みんなで食べた方が絶対いい。
あの子達は、私みたくたまにたくさん食べさせてくれる冒険者がいるからとても助かっているって。
国とかからの補助だけでは満足になれないから、働いて少しでも足しにしようと頑張っている。
お腹が空いているのは辛い事だ。そして、親がいない事も。
私にはお母さんがいたけど、生活の為に家を空ける事が多かった。
淋しさは埋めてあげられないけど、元気を出す為にもお腹は満たしてあげたい。
翌日、働き方に出る前の子達に、苺を配った。随分顔色が良くなっている。
「ありがとう、サヤカちゃん」
「うん、お互いに今日も頑張ろう!」
せめてコッコ位は余裕で倒せるようにならないとね!
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