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婚約
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幸せな気持ちでゆっくりと話していたら、突然扉が開きました…我が家にはそのような事をする人物は一人しかいないので、そっとため息をつきます。
「シーナ、お客様がいらしてるのだから、ちゃんと謝りなさい!」
「あ、ごめんなさーい!…あら。うふふ。やっぱりお姉様にはお似合いの方のようですね!良かったわね!お姉様!」
「シーナ!部屋に戻っていなさい!…失礼しました。下の娘はどうにも奔放な性格でして」
「いやはや…でもエルミア嬢とお似合いと言われたのは少し嬉しいな」
妹の嫌味に気付かないで良かったですわ…見かけ通りの純粋な方なのですね。
ウィル様の容姿はシーナの好みから完全に外れている。顔立ちは整っているが鍛えているからか筋肉質で、何よりこの素朴な雰囲気が妹の好みじゃない。
私はむしろ好ましく思います。ハリス様とは全く違うタイプで、とても誠実そう。
それに、辺境伯家の為に新しい薬草を探そうとしたりなさっているのですもの。
無事に婚約を結ぶ事が出来ましたわ。握手をして、大きくて固い手に少し驚いてしまいましたが、鍛えられた手なのだと思います。
私の婚約が整った事を次期当主でもあるお兄様も喜んで下さったけど、シーナの事もあって、手放しでは喜べない。
「エルミア、これからは自分の幸せの為に頑張るんだよ」
いつもシーナに振り回されてばかりでしたからね。では、これからの尻拭いはお兄様が?
お兄様も半年後には結婚予定ですし、忙しいですわね。
お相手のアニス様は子爵令嬢です。栗色のふわふわの巻き毛がアニス様の優しい雰囲気に合っていて、とても可愛らしい方です。
私の髪は腰のないストレートな髪で、結わえるのも難しく、ハーフアップにしててもリボンが緩いといつの間にかスルリと解けてしまうので、アニス様の髪質は羨ましい位です。
「お兄様も、アニス様との幸せを願っていますわ」
「ありがとう。ここからだと馬車でも5日はかかってしまうからなかなか頻繁には顔を合わせる事はなくなってしまうかもしれないな」
「そうですわね。でも、私…ハリス様と婚約していた時よりも幸せを感じていますの」
「そうか。それは何よりだ」
「シーナ、お客様がいらしてるのだから、ちゃんと謝りなさい!」
「あ、ごめんなさーい!…あら。うふふ。やっぱりお姉様にはお似合いの方のようですね!良かったわね!お姉様!」
「シーナ!部屋に戻っていなさい!…失礼しました。下の娘はどうにも奔放な性格でして」
「いやはや…でもエルミア嬢とお似合いと言われたのは少し嬉しいな」
妹の嫌味に気付かないで良かったですわ…見かけ通りの純粋な方なのですね。
ウィル様の容姿はシーナの好みから完全に外れている。顔立ちは整っているが鍛えているからか筋肉質で、何よりこの素朴な雰囲気が妹の好みじゃない。
私はむしろ好ましく思います。ハリス様とは全く違うタイプで、とても誠実そう。
それに、辺境伯家の為に新しい薬草を探そうとしたりなさっているのですもの。
無事に婚約を結ぶ事が出来ましたわ。握手をして、大きくて固い手に少し驚いてしまいましたが、鍛えられた手なのだと思います。
私の婚約が整った事を次期当主でもあるお兄様も喜んで下さったけど、シーナの事もあって、手放しでは喜べない。
「エルミア、これからは自分の幸せの為に頑張るんだよ」
いつもシーナに振り回されてばかりでしたからね。では、これからの尻拭いはお兄様が?
お兄様も半年後には結婚予定ですし、忙しいですわね。
お相手のアニス様は子爵令嬢です。栗色のふわふわの巻き毛がアニス様の優しい雰囲気に合っていて、とても可愛らしい方です。
私の髪は腰のないストレートな髪で、結わえるのも難しく、ハーフアップにしててもリボンが緩いといつの間にかスルリと解けてしまうので、アニス様の髪質は羨ましい位です。
「お兄様も、アニス様との幸せを願っていますわ」
「ありがとう。ここからだと馬車でも5日はかかってしまうからなかなか頻繁には顔を合わせる事はなくなってしまうかもしれないな」
「そうですわね。でも、私…ハリス様と婚約していた時よりも幸せを感じていますの」
「そうか。それは何よりだ」
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