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妹の事
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私、エルミア アレシスには手のかかる妹、シーナがいます。
「お姉様!私、クルト様とお付き合いする事になりましたの!」
そんな風にドヤ顔で言ってきますが、その方には確か、婚約者がいた筈では?
「はぁ…クルト様にはルリ様がいらっしゃいますのに」
「だって、シーナの方が美人だし、胸だって負けてないもの」
シーナは入って来た時と同様に、バタバタと部屋を出て行きました。
こうしてはいられませんわ…すぐにルリ様に謝罪しなくては。
侍女に支度を頼み、手土産を持って出ようとすると、お兄様と廊下で出会しました。
「エルミア、またシーナが…」
「ええ。幸い、ルリ様とは親しいので、すぐに謝罪に向かいますわ」
「いつもすまない。父上も高位令息が来るパーティーは禁止したが、茶会までは流石に干渉出来なくて」
「今回は大丈夫ですわ」
馬車はルリ様のいる子爵家に到着しました。部屋に案内され、通されました。
「まあ!エルミア様、来て下さったのですね!」
「ええ…この度の事は」
「うふふ。クルト様の事なら渡りに船ですもの。全く気にしてませんわ。それに、シーナ様を知っててお茶会に出席頂いたのは私ですし」
でしょうね。クルト様は顔だけは良いと評判の方で、あまり良い噂は聞きませんし、ルリ様も婚約解消を願っていました。
「でも、どの道どなたかとは婚約しなければならないのですよね…エルミア様の方はどうなりましたの?」
伯爵家の跡継ぎにはお兄様がいますから、いずれは嫁がなければなりませんが…
シーナの事ばかり考えていたら、婚期を逃してしまいますわね。
「お姉様!私、クルト様とお付き合いする事になりましたの!」
そんな風にドヤ顔で言ってきますが、その方には確か、婚約者がいた筈では?
「はぁ…クルト様にはルリ様がいらっしゃいますのに」
「だって、シーナの方が美人だし、胸だって負けてないもの」
シーナは入って来た時と同様に、バタバタと部屋を出て行きました。
こうしてはいられませんわ…すぐにルリ様に謝罪しなくては。
侍女に支度を頼み、手土産を持って出ようとすると、お兄様と廊下で出会しました。
「エルミア、またシーナが…」
「ええ。幸い、ルリ様とは親しいので、すぐに謝罪に向かいますわ」
「いつもすまない。父上も高位令息が来るパーティーは禁止したが、茶会までは流石に干渉出来なくて」
「今回は大丈夫ですわ」
馬車はルリ様のいる子爵家に到着しました。部屋に案内され、通されました。
「まあ!エルミア様、来て下さったのですね!」
「ええ…この度の事は」
「うふふ。クルト様の事なら渡りに船ですもの。全く気にしてませんわ。それに、シーナ様を知っててお茶会に出席頂いたのは私ですし」
でしょうね。クルト様は顔だけは良いと評判の方で、あまり良い噂は聞きませんし、ルリ様も婚約解消を願っていました。
「でも、どの道どなたかとは婚約しなければならないのですよね…エルミア様の方はどうなりましたの?」
伯爵家の跡継ぎにはお兄様がいますから、いずれは嫁がなければなりませんが…
シーナの事ばかり考えていたら、婚期を逃してしまいますわね。
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