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離別
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わたくしの事で意見が別れてからでしょうか。お父様とお母様の仲が最近よろしくありません。
思ったのですけれど、国外追放なんて、家族に黙って行われる訳はないのですわ。もしかしたら、婚約破棄されたわたくしに用はないと、お母様が同意されたのかもしれませんわね…
なんて、一度疑ってしまうとどんどん悪い方に考えてしまいます…だめですわね。
あれから半年、アベル殿下の誕生日パーティーの招待状が届きましたが、参加資格があるのは婚約者のいない者。なので、わたくしは関係ないはずなのですが、お母様が何とかわたくしの機嫌を取って行かせようとするのです。
勿論、頑として拒否しましたが。
あんな思い、2度とごめんですもの。
アージェ様の取り巻きだった方々。まだアール男爵が爵位を頂く前なので、パーティー等で出会っても、至って普通の方々ですわ。勿論アージェ様自身に会う事もありません。
アベル殿下の時は迎えにだけ来て後は放置だったので、丁寧にエスコートされるのは慣れていませんの。
だから2度目の人生とはいえ、この手の事には不慣れなのです…他の方々は、こんな風に愛を囁かれたりしてるのでしょうか?
だとしたら、皆様強靭な神経の持ち主なのですね…わたくしはどうしても顔が火照ってしまい、俯いてしまうのです。
勿論、言って下さる事はとても嬉しいのですけれど。
そうしてアベル殿下との交流など全くないまま、時が戻ってから10年の月日が経ちました。
前回ではなかった事で最も大きな事は、両親が離婚して、お母様が実家の伯爵家に返された事です。
原因は、お母様の浮気です。わたくしの事でお父様は不信感を抱き調べた所、やはり側妃様と通じあっていた事が分かり、わたくしの事よりも側妃様を優先するお母様に愛想が尽きたようです。
以来、まともに話し合う事すらなくなり、淋しさから家の従者とそういう関係になったそうです。
家でそんな事があればお父様が知らずにいる訳はないので、離婚となりました。
原因の一端はわたくしにもありますが、これで無理にアベル殿下との交流を強制される事はなくなりました。
一緒の学園に通う事にはなるのですが、なるべく接点を持たないようにしたいと思っています。
思ったのですけれど、国外追放なんて、家族に黙って行われる訳はないのですわ。もしかしたら、婚約破棄されたわたくしに用はないと、お母様が同意されたのかもしれませんわね…
なんて、一度疑ってしまうとどんどん悪い方に考えてしまいます…だめですわね。
あれから半年、アベル殿下の誕生日パーティーの招待状が届きましたが、参加資格があるのは婚約者のいない者。なので、わたくしは関係ないはずなのですが、お母様が何とかわたくしの機嫌を取って行かせようとするのです。
勿論、頑として拒否しましたが。
あんな思い、2度とごめんですもの。
アージェ様の取り巻きだった方々。まだアール男爵が爵位を頂く前なので、パーティー等で出会っても、至って普通の方々ですわ。勿論アージェ様自身に会う事もありません。
アベル殿下の時は迎えにだけ来て後は放置だったので、丁寧にエスコートされるのは慣れていませんの。
だから2度目の人生とはいえ、この手の事には不慣れなのです…他の方々は、こんな風に愛を囁かれたりしてるのでしょうか?
だとしたら、皆様強靭な神経の持ち主なのですね…わたくしはどうしても顔が火照ってしまい、俯いてしまうのです。
勿論、言って下さる事はとても嬉しいのですけれど。
そうしてアベル殿下との交流など全くないまま、時が戻ってから10年の月日が経ちました。
前回ではなかった事で最も大きな事は、両親が離婚して、お母様が実家の伯爵家に返された事です。
原因は、お母様の浮気です。わたくしの事でお父様は不信感を抱き調べた所、やはり側妃様と通じあっていた事が分かり、わたくしの事よりも側妃様を優先するお母様に愛想が尽きたようです。
以来、まともに話し合う事すらなくなり、淋しさから家の従者とそういう関係になったそうです。
家でそんな事があればお父様が知らずにいる訳はないので、離婚となりました。
原因の一端はわたくしにもありますが、これで無理にアベル殿下との交流を強制される事はなくなりました。
一緒の学園に通う事にはなるのですが、なるべく接点を持たないようにしたいと思っています。
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