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消毒と、アルコール

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    北の町に行き、聖魔法のピュアを使う。私の周囲だけ除菌された?…うーん。まあ、一番の原因が居座ったままでは焼け石に水かな。
    でも、子供達がいる建物内には、しっかりと使う。それと、外にいて再び石化が始まった人にも。
「あの、回復魔法を覚えてみませんか?」
「お、俺?ですか?」
    何となく、ミカルに似た金髪の男性に声をかけてみる。
「私は毎日来られる訳じゃないので、もし覚える気があるなら…」
「俺に出来るかは分かりませんが、是非お願いします!俺は、レッドと言います!」
    うん。レッドはヒーローの色だよね。服は赤くないけど。

    手の空いてる人達も、熱心に話を聞いてくれる。魔力操作を覚えたのはレッドさんが一番速かった。
「クリーン…わ?!ベトついた髪が軽く…凄い。気持ちいい!」
「それが光魔法です。傷を治したりも出来ると思うので、イメージをしっかりと持ってやってみましょう」
「石化も?」
「…いっぱい頑張れば?ですね。原因は毒の含まれた空気にあるので、その毒素を抜くイメージで。焦らずにやってみて下さい」

    今はそれしか言えないかな…奴を倒せれば、毒素も発生しないと思うんだけど、私とスキルの関係。そして、いつか言ってた、私が死んじゃうと、この世界も滅びるしかないという言葉がずっとひっかかっていて、自信もないけど、それが免罪符のように感じている。

    トールの世界の勇者様、何であんなのを残したんですか?

    遠目に見えるドラゴンが、ため息でもつくように大きく息を吐き出すと、黒く靄のかかった空気が大きく動く。

    いつかはやってやる!覚えてろよー!

「無理は禁物なのですよ」
「今のは決意表明だよ、アクア」

    森の民の所に行ってみる事にした。旧い知識を色々と持ってそうだから、魔道具についても詳しいかもしれない。

「久しぶりですね、使徒様」
「本当に…忘れていた訳じゃないですよ?あ、種とか苗木、要ります?」
「では、オリーブの木を…黄金の油が採れるあの木があれば、料理に役に立ちますし」
    あ、確かに…他の町にはどうだったかな…?

    畑は最初と比べて大きく広がっている。
    やっぱり手軽だからか、芋が多いけど、小麦もある。
「私も多少は魔法で成長を促進出来るんですよ…まあ、使徒様程ではありませんが」

「え!それって魔法なの?!」
「逆に魔法って思わない方がおかしいわよっ!」
    ソウデスネ…スミマセン。
「ほら、蔦を伸ばして魔物を拘束したりとか…お手伝いしましたよね?」

「…確かに。いつも頼りにしてます」
    ただ私の使うのとはちょっと違う。地面を耕して水をやって…それが結果的に作物にいい影響をもたらしているだけ。

    でも、魔法と意識すれば、どう使えばいいかは分かる。試しにこの芋を…

    芽がぐんぐん伸びて、あっという間に花が咲いた。白くて可愛い花。
「そういえば、人数少なくないですか?」
「海まで、塩を作りに行ってます」
    逞しいな…魔法もこの町は大丈夫そうだし。

「そういえば、魔道具を作ったりします?」
「いえ…私達は、自分の魔法でやる方が一般的ですね。そういう物がある事は知っていますが、ここにはありません」

「じゃあ、森の民の皆さんは全員魔法が使えるんですか?」
「熟練度にはばらつきがありますが…そうですね。全く使えない人はいません」

    そこは知識の差かな。大戦前の知識を持っている人は、他の町には少ない。

「町によって、色々ですね…じゃあ、またそのうち来ますね」

    ダンジョンには行ったけど、今日はレベル上がってないな…魔物自体も弱かったからかな?

    ハーブに漬け込んで、簡易の冷蔵庫に入れておいた鶏肉。
    新しいポイントは、まだ少なくて使い道がない。…何となく避けてるけど、マルクトにも行かないとな…でも、カイルに会いたくないな…はっきり黒だと決まった訳じゃないけど、次に何かあって、疑う事になったら…はぁ。情けないな。

    ふと思い出して、トールに以前貰った料理酒を鑑定してみた…うわ。かなりアルコール濃度が高い。普通の料理酒はここまで高いのはない。よく加熱して使ってたし、大丈夫だよね?酔ってなかったし…怖いな、この料理酒。逆にこれだけ濃度が高いなら、消毒用に使えそうだけど…ん?このお酒をドラゴンゾンビにかけたら、毒素も消えて、やられたりは…ないよね。後処理としては使えそうだけど、私がこのお酒を作れる訳じゃないし…うん。これに頼るのはよそう。


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