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新たな力?

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    あれ?ポイントがバグってる。そういえば、温泉を作った時にポイントゲットの通知がなかったな…システム弱すぎじゃん?数字がバグって、変な記号になってるし。
「トール!連絡手段位残しておいてよ!メールなんて、何で一方通行な訳?…あれ?トールはスマホ…持ってるのかな?あるとは思えないけど…でもメールは来たし?」
    何でかなー?まあ、考えても分かる訳ないけど。
「トール!スマホがおかしいよー!」
    
    独り言で愚痴っても仕方ないか…

    ご飯にしよう。今日は豪華に高級和牛ステーキだ!

    まあ、ミノタウロスなんだけどね。
    胡椒をパラリと。塩もちょっとでいい。美味しいお肉だからねー。ミディアムレアが美味しい。
    つけ合わせの野菜は、アスパラに似たやつと、黄色いブロッコリー?こちらには、特製のタレをかけて。
「んー!口の中で蕩ける!」

「お、美味そうな肉だな」
「!と、トール…びっくりした」
「何か警報鳴ってたから来たけど、元気そうだな?」
「うん。おかしいのはスマホだよ…!あ、私のお肉!」
    くうっ!最後の一口盗られた!

「まあまあ、怒ると血圧上がるぞ?」
「失敬な!まだそんなのが心配な年齢じゃないよ!いいからスマホ見てよ!」
「あー…これな。ここをこうして、ちょいちょいちょいと。…よし」
    スマホに手を当ててただけじゃん?…新しいポイント?

「これは、夢現ポイントとでも名付けるか。ミノリに対する信仰心だ。これは…そうだな。叶えたい夢を実現させる為のポイントだな」
「例えば?」
「空を飛んでみたいとか。島にも町があるし、丁度いいな?」
    …胡散臭い。ていうか、夢見る少女の時代はとっくに過ぎてるよ。

「あとは、久しぶりにチェックしておくか」
    ソファーに座っているミノリの額をちょっと突く。クタリと寝てしまったミノリをじっと見…ため息をついた。
「仕方ない…サービスだからな?多様すんなよ…って、聞こえてないか」
    トールはミノリに、新たな力、リードを授けた。

    でも…嫌われてないみたいだ…良かった。無茶を頼んでいる自覚はあるし、ミノリの性格なら、やり遂げてくれるだろう…無茶をしても。
「それと、ブラックな労働を押し付けてなんて、ないからな?」

   仕方ない。やる気の出るプレゼントでも用意するか。

    研究用の机で、苦もなく炊飯器を作り上げる。

「属性精霊を揃えたご褒美だ。これ位、作れるようになれよ」
    
    メモを残して、寝ているミノリを見て、消えた。

    朝起きて、炊飯器を見て、驚いた。やったー!…でもこれ位?自作出来るようになれって…嫌味か!
「ふむふむ…保温は出来ないな。まあ、アイテムボックスに入れちゃえばいつでも熱々だ!やっふー!」
    早速おにぎり。中身…次までの課題かな。
    そして!炊きたてごはんといえば、卵かけごはん!
「んー!」
    土鍋で炊くと、水加減とか難しい。炊飯器なら、安定して普通のご飯が食べられる!嬉しい!
「トール、ありがとう!大好きだよ!今だけね!」

    まあ、今だけでもないかな。感謝はしてるし。
    次の日は、ロストマルの方に直接行った。
「ちょっと!何盗ってるの!それは私が持ってきたお肉だよ!岩塩も、返して!」
    兵士達が私が渡したお肉を持って行こうとしてる!それに、抵抗する人には躊躇いなく武器を振るう。
「し…しかし!奴らは犯罪者で」
「ふうん…私が置いたお肉を盗るあなたは犯罪者じゃないわけ?」
「使徒様…どうか、犯罪者の味方などされませんように。マルクトの者達も神の恩寵を受ける事を望んでいます」

「…は?あなたはマルクトの兵士でしょ?あなたの言い方だと、犯罪者には何も必要ないんでしょ?」

    もう、怒った!区画で見て、果物の木に当たらない所の結界碑を一つ止める!
    それと、この町範囲内で暴力を振るったら、自分に跳ね返るように呪いをかける!

「暴力を相手に振るったら、自分に跳ね返る呪いをかけたんですけど、皆さんケンカとかしないで下さいね?場所にかけたので、殴ったりしたら、その人が痛いですから」
「いや、喧嘩っ早い奴らのいい戒めになりますよ」
    なら、いいか。喧嘩両成敗って奴だね。結局ダメージは受ける事になるけど、止めるのは出来ない。
「じゃあ、また来ますね」

    私は海のダンジョンだ。
「止まれ、未成年者は同伴者無しで入れないぞ?」
「え…前に入った時は誰もいなかったよ?」
    頼れる兄貴って感じの男性だ。
「未来ある子供に無理はさせられないからな」
「いや…私、それなりに強いですけど?」
「それは、俺が判断してやる」
    一人じゃないんだけどな…周囲にたくさんいる妖精達は見えないだろうけど、お兄さんがいたら邪魔。

    適当に仕留めて、アイテムボックスに入れる。
「さっきから、どこかに収納スペースでもあるのか?」
「アイテムボックスっていうスキルです。空間魔法にも、物を仕舞える魔法がありますけど」
    私はアイテムボックスで事足りるので、使っていない。
    物は頭の中でリストアップされるし、今の所果ては見えない。時間停止だから、入れておいても腐る心配はないし。
    勝手についてくるけど、特に獲物を集めたりはしない。

「大戦前から生きてる人は、スキルが戻ったって言うが、持ってなくても、頑張ればスキル化して、自分の力になる…それは、何でなんだろうな?」
「スキルが戻って、いい事じゃないですか。理由、いります?」

「…いや。でもそんな風に失われた魔法を簡単に使いこなすなんて…どうやって?」
「いっぱい頑張った結果です。魔法もスキルなんですよ」
「いや…しかし」
「事象を想像して、体内の魔力で変換させるんです。別の空間に物を仕舞う魔法も、それで出来ますよ。私だけが特別とか、そういうのはないんです。まあ、このスマホだけは特別ですけど…あ、私しか使えないから、盗っても無駄ですよ?」

    立て続けにやられたら、誰だって警戒する。
「お、俺はそんな事、しないぞ!み、未成年者に魔物の被害が及ばないように…」

「まあ、どうでもいいです。でも、自分の住む町にとって一番大切なのは何か。考えてみてもいいんじゃないですか?」
    黙り込むという事は、何かしら思う事があるという事。
「そういえば、まだ名前聞いてませんでしたね?」
「…ヨーグ」

「じゃあ、また。ヨーグさん」
    お帰り頂いた。
 
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