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マルクトの町
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漸く邪神跡地を抜けた。眼前には海が広がっていて、南に下ると、かなり大きな町が見える。ちょっと角度がずれたかな?
でも、海岸に降りて、驚いた。
「もしかして、ダンジョンかな?」
「ですね。あ…人が出てきた」
冒険者風の人達で、魚の串うちを始めた。
「もしかして、ダンジョンで魚が?」
「あ?知らないのか…?見ない顔だな。まあ、いい。けど、中で怪我しても知らないぞ?」
ひゃっほう!
焼き魚食べたい!
早速1階層。おお…!岩魚だ!海の近くなのに、岩魚とか…ダンジョンは何でもありだな。
「全く…当初の目的を忘れてましてよ!折角森を抜けたのに…」
「いいじゃん!カルシウムは大事なの!骨は食べないけどね」
「カルシウム…?ここのダンジョンにも鉱石はあるみたいだな」
「そう…ま、そのうちね」
「今のミノリに何を言っても無駄なのです。魚しか見えてないのです」
倒しても何も残らない時もあるけど、結構な数が採れた。
「あれ…さっきの。結構いい腕してるな。どれ…串うちの仕方は分かるか?」
「うん!…よっと。塩も塗って…えへへ」
「やっぱり自分で採った獲物を食べるのが一番美味しいよな!」
ダンジョンから、続々と人が出てくる。思い思いに魚を焼いたり、貝を焼いたり…大アサリ?美味しそう…ホタテもあるんだ!…てか、大き過ぎない?!…私も頑張ろう!
「何かのスイッチが入ったな」
「ふふ…ミノリらしいわ」
ふう。お腹いっぱい。もう夜だし、町は明日にしよう。
冒険者の人達は、町に歩いていく。今までの町とは違う、文明が残っている。
なら、私が行かなくても平気かな?まあ…行くけどさ。
次の日、後ろ髪を引かれる思いで、町の方へ行く。
「止まりなさい!身分証を提示するんだ」
「あの…私はここの町の人ではないので…」
「何?!…まさか、ロストマルから…いや、見ない顔だな」
「あの森の向こうから来たんですよ」
「…は?!まさか」
うーん。塀には囲まれてるけど、結界碑は、只の石柱だな。飛べる魔物は防げないだろう。
「あ、私、世界再生のお手伝いをして回ってるんです。取り敢えず向こうに見える結界碑は力を失ってるみたいなので、建て直しますね」
「おい!こら、勝手に…」
今までにない展開に、戸惑う。
スマホを操作して、結界碑を隣に建てると、安心感とポイントが手に入った。
「うーん…大きな町だから、1本じゃ足りないな」
「待て、待て。とにかく領主様に会って頂く」
まあ…勝手に色々やるのも良くないか。
馬車だ!お馬さんは、絶滅してなかったんだね!…でも、道はガタガタしてて、お尻が痛い。なら、空気のクッションだね!
お尻の下に、空気で出来た見えないクッションを想像する。…よし!これで痛くない。
立派な館だ。でもここの町の住人も、普通に家に住んでるから大きさ以外は特別でもないのか。
門番から報告を受け、壮年の領主は半信半疑ながら出てきた。
「お前が、他所の町から来たのか?森を抜けて?」
「まあ、一応…苦労はしましたけど」
「他所の町はどんな感じだ?」
「こことは全然違って、生きていくだけで精一杯な感じですね…この町には馬もいるし、お金もあるみたいで、驚きました」
「ここは先の大戦で、勇者が降り立った地だからな。神の恩恵を受けている…が、お前は何なんだ?兵士の報告では結界碑の隣に新たな結界碑が瞬時にして立つと、感じた事のない安心感に包まれたという…」
「それが私の役目なので。森の向こうにある町には既に結界碑を建て、魔物の侵入から守られてます」
「む…う。その技を見せられるか?」
「いいですよ」
ここの町には結界碑が立つ場所は4箇所あったので、馬車でそれらを巡り、結界碑を建てていく。
「まさか…ホトス様の使徒様?!」
「神様に頼まれたのは事実ですけど…この町って畑とかないんですね?」
「それは、ここから南にあるロストマルで作り、運ばせている」
「へえ…分業してるって事ですか?」
「果樹は家庭で育てたりもするが、この町には土地が足りないのだ」
「人口はどれ位なんですか?」
「約五千人。戦いの力を持つ者は、北にあるダンジョンに潜り、魚を集めている。ここしばらくで戦いの力を持つ者も増えたし、中には森に挑む者もいる」
スキルはなくても努力で戦う力をつけたんだろうな…増えてるのは、私がこの世界に来たから…
「魔法は?」
「ま、魔法?!いや…ポーション作りに励む者が、最近質の良いポーションを作れるようになったと聞くが」
うーん?何か分かってないのかな?
「それより、使徒様は他に何が出来るんですか?」
「んー…鍛冶小屋を作ったりとか、畑や井戸を作ったりとか…ですかね?」
「その板で、ですか?」
「そうですね…私しか使えませんけど」
「な、何故?」
「そういう仕様?なので」
それに魔改造されてても、元は私のスマホだし。
「町を歩き回ってお疲れでしょう。今夜は我が屋敷でお寛ぎください」
「え、嫌だけど。すぐ戻れるんで、帰ります」
何かね…この人、裏がある気がして、あんまり仲良くはなれそうもない。
「また明日来ますけど、この町には私はあんまり必要じゃないみたい」
追いすがる部下の人々を避け、路地に入る所で部屋に入った。
「はあ…何かたいした仕事してないのに、疲れた…」
一応、顔は出すけど、あのおっさん相手は疲れるし、嫌だな…
まだ、魔物を相手に戦っていた方がまし…
でも、海岸に降りて、驚いた。
「もしかして、ダンジョンかな?」
「ですね。あ…人が出てきた」
冒険者風の人達で、魚の串うちを始めた。
「もしかして、ダンジョンで魚が?」
「あ?知らないのか…?見ない顔だな。まあ、いい。けど、中で怪我しても知らないぞ?」
ひゃっほう!
焼き魚食べたい!
早速1階層。おお…!岩魚だ!海の近くなのに、岩魚とか…ダンジョンは何でもありだな。
「全く…当初の目的を忘れてましてよ!折角森を抜けたのに…」
「いいじゃん!カルシウムは大事なの!骨は食べないけどね」
「カルシウム…?ここのダンジョンにも鉱石はあるみたいだな」
「そう…ま、そのうちね」
「今のミノリに何を言っても無駄なのです。魚しか見えてないのです」
倒しても何も残らない時もあるけど、結構な数が採れた。
「あれ…さっきの。結構いい腕してるな。どれ…串うちの仕方は分かるか?」
「うん!…よっと。塩も塗って…えへへ」
「やっぱり自分で採った獲物を食べるのが一番美味しいよな!」
ダンジョンから、続々と人が出てくる。思い思いに魚を焼いたり、貝を焼いたり…大アサリ?美味しそう…ホタテもあるんだ!…てか、大き過ぎない?!…私も頑張ろう!
「何かのスイッチが入ったな」
「ふふ…ミノリらしいわ」
ふう。お腹いっぱい。もう夜だし、町は明日にしよう。
冒険者の人達は、町に歩いていく。今までの町とは違う、文明が残っている。
なら、私が行かなくても平気かな?まあ…行くけどさ。
次の日、後ろ髪を引かれる思いで、町の方へ行く。
「止まりなさい!身分証を提示するんだ」
「あの…私はここの町の人ではないので…」
「何?!…まさか、ロストマルから…いや、見ない顔だな」
「あの森の向こうから来たんですよ」
「…は?!まさか」
うーん。塀には囲まれてるけど、結界碑は、只の石柱だな。飛べる魔物は防げないだろう。
「あ、私、世界再生のお手伝いをして回ってるんです。取り敢えず向こうに見える結界碑は力を失ってるみたいなので、建て直しますね」
「おい!こら、勝手に…」
今までにない展開に、戸惑う。
スマホを操作して、結界碑を隣に建てると、安心感とポイントが手に入った。
「うーん…大きな町だから、1本じゃ足りないな」
「待て、待て。とにかく領主様に会って頂く」
まあ…勝手に色々やるのも良くないか。
馬車だ!お馬さんは、絶滅してなかったんだね!…でも、道はガタガタしてて、お尻が痛い。なら、空気のクッションだね!
お尻の下に、空気で出来た見えないクッションを想像する。…よし!これで痛くない。
立派な館だ。でもここの町の住人も、普通に家に住んでるから大きさ以外は特別でもないのか。
門番から報告を受け、壮年の領主は半信半疑ながら出てきた。
「お前が、他所の町から来たのか?森を抜けて?」
「まあ、一応…苦労はしましたけど」
「他所の町はどんな感じだ?」
「こことは全然違って、生きていくだけで精一杯な感じですね…この町には馬もいるし、お金もあるみたいで、驚きました」
「ここは先の大戦で、勇者が降り立った地だからな。神の恩恵を受けている…が、お前は何なんだ?兵士の報告では結界碑の隣に新たな結界碑が瞬時にして立つと、感じた事のない安心感に包まれたという…」
「それが私の役目なので。森の向こうにある町には既に結界碑を建て、魔物の侵入から守られてます」
「む…う。その技を見せられるか?」
「いいですよ」
ここの町には結界碑が立つ場所は4箇所あったので、馬車でそれらを巡り、結界碑を建てていく。
「まさか…ホトス様の使徒様?!」
「神様に頼まれたのは事実ですけど…この町って畑とかないんですね?」
「それは、ここから南にあるロストマルで作り、運ばせている」
「へえ…分業してるって事ですか?」
「果樹は家庭で育てたりもするが、この町には土地が足りないのだ」
「人口はどれ位なんですか?」
「約五千人。戦いの力を持つ者は、北にあるダンジョンに潜り、魚を集めている。ここしばらくで戦いの力を持つ者も増えたし、中には森に挑む者もいる」
スキルはなくても努力で戦う力をつけたんだろうな…増えてるのは、私がこの世界に来たから…
「魔法は?」
「ま、魔法?!いや…ポーション作りに励む者が、最近質の良いポーションを作れるようになったと聞くが」
うーん?何か分かってないのかな?
「それより、使徒様は他に何が出来るんですか?」
「んー…鍛冶小屋を作ったりとか、畑や井戸を作ったりとか…ですかね?」
「その板で、ですか?」
「そうですね…私しか使えませんけど」
「な、何故?」
「そういう仕様?なので」
それに魔改造されてても、元は私のスマホだし。
「町を歩き回ってお疲れでしょう。今夜は我が屋敷でお寛ぎください」
「え、嫌だけど。すぐ戻れるんで、帰ります」
何かね…この人、裏がある気がして、あんまり仲良くはなれそうもない。
「また明日来ますけど、この町には私はあんまり必要じゃないみたい」
追いすがる部下の人々を避け、路地に入る所で部屋に入った。
「はあ…何かたいした仕事してないのに、疲れた…」
一応、顔は出すけど、あのおっさん相手は疲れるし、嫌だな…
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