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丸いモノと…
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かに玉を食べながら、今後について話した。
私もフレイムも、今は高原薬草その他と、ダンジョンでの有用なアイテムの素材を研究したい。
「ならば、久しぶりに本体の所に行って、修行をしようか、二人共」
「えっ?にゃーも?」
「当然。でないと、シュガーだけ置いてけぼりになるぞ」
「それは嫌にゃ!」
「今の所まだ、どこかのダンジョンを目指すつもりはないよ」
「でもメイは、試練の洞窟ダンジョンをクリアしたにゃ?…にゃーはドラゴンとなんて、戦えないにゃ…」
「私も支援魔法かけただけだよ。というか、みんな強すぎて手が出せなかったというか…」
エリー姉様まで無双してたもんね…あれは凄かった。
「にゃーも頑張るにゃ。にゃーはメイのお姉ちゃんにゃ」
「気持ちは嬉しいけど、無理はしなくていいよ?」
「考えたら、にゃーの存在価値がないにゃ…フレイムには勝てるかもしれないけど、フレイムには錬金術があるにゃ」
「シュガーは…純真で気ままな所も可愛いよ」
「一番可愛いのはメイにゃ」
いや…シュガーの方が断然可愛いと思うけどな…
「それは当然だな。我らの主なのだから。さ、行くぞシュガー」
…行っちゃった。
「メイ、僕達は出来る事をするの」
「そうだね!新しいアイディアがあったらどんどん出してね」
「ボクは今、気になってる事があるの。錬金術でハーブティーの茶葉を作った事が書いてある本を前に見付けて、違う効能が付いたりするの」
「えっ?どこで見つけたの?」
「バルト国王都の図書館なの」
…って、この前までいた所じゃん!私は、ダンジョン素材の事ばかりだったからな…
「図書館、一緒に行く?」
「勿論なの」
これがシュガーだったら居眠りを心配しちゃう所だけど、フレイムなら安心だ。
そういえば以前、呪いの事を調べに来たな。
入館料を二人分払って中に入り、フレイムが読んだ本を広げた。
なるほど…エッセンシャルオイルとして使うのか…確かにこれなら、ハーブティーが苦手な人でも大丈夫だ。
しかも魔力をかけて作るから、ポーションのように効果が上がる…いいな。幾つか作ってみたい。
そうだ…精霊文字についても知りたかったんだ。
だけど、資料としては少ない。失われた技術として扱われているようだ。きっと特殊なスキルが必要なのだろう。
(これ…ボクが載ってるの)
ああ。フェニックスの事か。
そういえば、フェニックスの羽根も世界樹の葉と合わせて不死の霊薬、エリクサーになるんだっけ…フェニックスは希少種族。そして世界樹の葉はエルドさんが守っている。その二つが揃うことは恐らくないんじゃないかな。
ウチには両方揃ってるけど…
やっぱり、図書館は楽しい。新しい知識が色々入ってくる。
(私は、作りたい物が見つかったよ。フレイムは?)
(ボクもなの)
珍しく今日は、早めに図書館を出た。
「メイ、ボクは材料を採取してくるの」
「じゃあここで解散だね…一人で大丈夫?」
「そんなに手間はかからないの」
私はちょっと買い物をする。食べ物じゃないよ?…まあ、食料品も見るけどね。
亜空間に戻り、早速作業を始めた。
ハーブを使って中身を作り、巾着に詰めて、外側の丸いぬいぐるみを作る。
あとはひたすら裁縫タイム。綿と一緒にハーブの袋を詰めていく。
やがて帰って来たみんなが、私の作品を見て首を傾げる。
「…丸い…魔物?」
「これはコッコとそのヒヨコだよ。こっちはスライム」
「…何故、みんな丸いんだ?」
「そんなの、可愛いからに決まってるじゃん?これ、商業ギルドを通して、雑貨屋さんとかに置いてもらえるかな…って。売れるよね?」
「それは分からんが…この香りはハーブか?」
「そう。安眠効果のあるハーブを詰めたの。こっちは集中力を高める効果があるの」
「…と、いう事は机に置いたりするんだよな?転がって邪魔にならないか?」
「そ、それは…でも可愛いは正義だよ?」
目が泳いでいる。そこまで考えてなかったらしい。
「幼い子供なら、ベッドに置くかもしれないが…需要はあまりなさそうだな」
「え?こんなに可愛いんだよ?後でモコモコも作るんだ!」
「そ…そうか」
「…メイは時々、分かんないにゃ」
「こら、シュガー、そんなはっきりと」
…そうですか…ダメですか。私的には超可愛いと思うんだけどな…
この丸い所が特に。みんなもデフォルメして丸く作ってみようかな?売り物にはしないで、プレゼントとしてあげれば、少しは喜んでくれるだろう。
シュガーには勿論、目を冴えさせる効能の物をあげよう。
「出来たの!」
そういえば、フレイムは何を作ってたんだろう?
「凄い…!虹色貝のピアスだね?効果は…治癒力上昇」
「ボクの羽根を使ったの。まずはメイにあげるの」
先に針で開けたら、あっという間に塞がりそう…これで直接刺すしかないよね。
痛いのは一瞬だと分かっていても、ちょっと怖い。先は丸くなってるし…着ける時だけ尖らせればいいかな。
「誰かやって?左右でバランス悪かったら嫌だし」
「それは…我々には難しいな。主を傷つける事になるのだし」
「でも、単なるピアスだよ?アクセサリー」
「にゃーがやるにゃ!キラキラで綺麗なピアス、きっとメイに似合うのにゃ!」
刺してもらったら、先を丸くして、抜けたりしないように変形させる。
「綺麗なの…メイには加護があるから効果は期待出来ないけど、作って良かったの」
「ありがとう、フレイム」
…うん。丸いモノは、自分用に作ったら、あとは売却でいいな…そこはかとなく負けた気分。
私もフレイムも、今は高原薬草その他と、ダンジョンでの有用なアイテムの素材を研究したい。
「ならば、久しぶりに本体の所に行って、修行をしようか、二人共」
「えっ?にゃーも?」
「当然。でないと、シュガーだけ置いてけぼりになるぞ」
「それは嫌にゃ!」
「今の所まだ、どこかのダンジョンを目指すつもりはないよ」
「でもメイは、試練の洞窟ダンジョンをクリアしたにゃ?…にゃーはドラゴンとなんて、戦えないにゃ…」
「私も支援魔法かけただけだよ。というか、みんな強すぎて手が出せなかったというか…」
エリー姉様まで無双してたもんね…あれは凄かった。
「にゃーも頑張るにゃ。にゃーはメイのお姉ちゃんにゃ」
「気持ちは嬉しいけど、無理はしなくていいよ?」
「考えたら、にゃーの存在価値がないにゃ…フレイムには勝てるかもしれないけど、フレイムには錬金術があるにゃ」
「シュガーは…純真で気ままな所も可愛いよ」
「一番可愛いのはメイにゃ」
いや…シュガーの方が断然可愛いと思うけどな…
「それは当然だな。我らの主なのだから。さ、行くぞシュガー」
…行っちゃった。
「メイ、僕達は出来る事をするの」
「そうだね!新しいアイディアがあったらどんどん出してね」
「ボクは今、気になってる事があるの。錬金術でハーブティーの茶葉を作った事が書いてある本を前に見付けて、違う効能が付いたりするの」
「えっ?どこで見つけたの?」
「バルト国王都の図書館なの」
…って、この前までいた所じゃん!私は、ダンジョン素材の事ばかりだったからな…
「図書館、一緒に行く?」
「勿論なの」
これがシュガーだったら居眠りを心配しちゃう所だけど、フレイムなら安心だ。
そういえば以前、呪いの事を調べに来たな。
入館料を二人分払って中に入り、フレイムが読んだ本を広げた。
なるほど…エッセンシャルオイルとして使うのか…確かにこれなら、ハーブティーが苦手な人でも大丈夫だ。
しかも魔力をかけて作るから、ポーションのように効果が上がる…いいな。幾つか作ってみたい。
そうだ…精霊文字についても知りたかったんだ。
だけど、資料としては少ない。失われた技術として扱われているようだ。きっと特殊なスキルが必要なのだろう。
(これ…ボクが載ってるの)
ああ。フェニックスの事か。
そういえば、フェニックスの羽根も世界樹の葉と合わせて不死の霊薬、エリクサーになるんだっけ…フェニックスは希少種族。そして世界樹の葉はエルドさんが守っている。その二つが揃うことは恐らくないんじゃないかな。
ウチには両方揃ってるけど…
やっぱり、図書館は楽しい。新しい知識が色々入ってくる。
(私は、作りたい物が見つかったよ。フレイムは?)
(ボクもなの)
珍しく今日は、早めに図書館を出た。
「メイ、ボクは材料を採取してくるの」
「じゃあここで解散だね…一人で大丈夫?」
「そんなに手間はかからないの」
私はちょっと買い物をする。食べ物じゃないよ?…まあ、食料品も見るけどね。
亜空間に戻り、早速作業を始めた。
ハーブを使って中身を作り、巾着に詰めて、外側の丸いぬいぐるみを作る。
あとはひたすら裁縫タイム。綿と一緒にハーブの袋を詰めていく。
やがて帰って来たみんなが、私の作品を見て首を傾げる。
「…丸い…魔物?」
「これはコッコとそのヒヨコだよ。こっちはスライム」
「…何故、みんな丸いんだ?」
「そんなの、可愛いからに決まってるじゃん?これ、商業ギルドを通して、雑貨屋さんとかに置いてもらえるかな…って。売れるよね?」
「それは分からんが…この香りはハーブか?」
「そう。安眠効果のあるハーブを詰めたの。こっちは集中力を高める効果があるの」
「…と、いう事は机に置いたりするんだよな?転がって邪魔にならないか?」
「そ、それは…でも可愛いは正義だよ?」
目が泳いでいる。そこまで考えてなかったらしい。
「幼い子供なら、ベッドに置くかもしれないが…需要はあまりなさそうだな」
「え?こんなに可愛いんだよ?後でモコモコも作るんだ!」
「そ…そうか」
「…メイは時々、分かんないにゃ」
「こら、シュガー、そんなはっきりと」
…そうですか…ダメですか。私的には超可愛いと思うんだけどな…
この丸い所が特に。みんなもデフォルメして丸く作ってみようかな?売り物にはしないで、プレゼントとしてあげれば、少しは喜んでくれるだろう。
シュガーには勿論、目を冴えさせる効能の物をあげよう。
「出来たの!」
そういえば、フレイムは何を作ってたんだろう?
「凄い…!虹色貝のピアスだね?効果は…治癒力上昇」
「ボクの羽根を使ったの。まずはメイにあげるの」
先に針で開けたら、あっという間に塞がりそう…これで直接刺すしかないよね。
痛いのは一瞬だと分かっていても、ちょっと怖い。先は丸くなってるし…着ける時だけ尖らせればいいかな。
「誰かやって?左右でバランス悪かったら嫌だし」
「それは…我々には難しいな。主を傷つける事になるのだし」
「でも、単なるピアスだよ?アクセサリー」
「にゃーがやるにゃ!キラキラで綺麗なピアス、きっとメイに似合うのにゃ!」
刺してもらったら、先を丸くして、抜けたりしないように変形させる。
「綺麗なの…メイには加護があるから効果は期待出来ないけど、作って良かったの」
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