159 / 166
着水
しおりを挟む
不満というか不安かな。そういう思いはあったけど、強い反発はなかった。
取り敢えずみんなマスタールームに避難して貰い、空納に…うーん。無理か。
あれ?…状態保存の付与がかかってる。これじゃあ動かせない。
これは、島が崩れたりしないようにもしてるんだ…って、待って。これを解除したら途端に落ちたりしないよね?!
ええと…細かい付与が幾重にも付いているんだ…なんて繊細な作業。これをやったのがアルミネアだっていうのがまた凄い所だよね…色々解析して、幾つか解除すれば、動かせる事が分かった。
それは一度に解除するより難しい。精密魔力操作を持ってて良かったな。
よし。空納に…うわわっ?!地面がないー!落ち、落ちるーー!!
今立っていた島を空納に仕舞ったんだから、当然だよね…良かった。飛翔スキルがあって。
心臓に悪い……いや、自業自得なんだけどね。完全に。
いや、入るとは思ってたけど、本当に島一つ入っちゃったよ。
気配遮断のマントを羽織ってゆっくりと下に降りる。そう。ここはチョコとカレーの国だ。
もうオカカの実は充分な量が採れているから、要らないけどね。
それにしても…高度が違うとここまで気温差があるんだな…
寒さ対策の防寒着の上に更に気配遮断のマントを羽織っているから、ほんの少しの時間でも汗が滝のように流れてくる。
すぐに亜空間に入ったけど、あの国にはまた行きたいと思ってたんだよね…
とにかく、色々脱いで身軽になる。
「強い恐怖を感じたが、何があったのだ?」
「えへへ…島にいる状態でうっかりそのまま島を空納に仕舞っちゃってさ…落ちて死ぬかと思った」
「反重力の魔法もあるし、飛翔スキルがあるのだから焦る必要はあるまい」
咄嗟にそれを思い出す程、私の心臓は強くないのさ。
スカイダイビングなんて、死んでもやりたくない。
「高い所は苦手なんだよ…」
「我は一度、主を背に乗せて飛びたいと思っていたのだが…」
「アロカシアは私を殺す気?」
「我はけして落としたりなどせぬ!」
「…叶う事のない夢だね…」
ドラゴンに乗って飛ぶなんて、ファンタジー過ぎる光景だけど、私には無理!
とにかくこれを王都近くの海岸に降ろせば完了だ。
降ろせば…!いや、解除はまだで、ゆっくりと降下させればいいんだよね。
一応みんなにも来てもらい、空納から出すと、島は凄い勢いで上昇して、上空で停止した。
「見える範囲だけど、ショートワープじゃ無理だね…」
ドローンを上空に飛ばし、陸との位置を確認する。下が尖っているから、刺さる感じになる。
ただ、遠浅だから、距離を見極めないと…取り敢えずアルカームさんにも確認して貰おう。
「ちょっと行ってくるね」
アルカームさんを連れて戻って来たら、思ったよりギャラリーが増えていた。
丁度いいや。エリー姉様にも確認して貰おう。
もふもふ兵士の人達に名乗ると、突然出現した島の事は、エリー姉様も把握してるらしい。
「津波が心配だから、海岸から離れてて欲しいんだけど…」
「津波?それは何だ?」
「あー…」
地震もないこの世界では、分からないのか…結界張ったりとか、対策はするつもりだけど。
「ヤブラン、島を落としたら、大きい波が来るかもだから、その時は結界で対応して。シュガーもお願いね」
「良く分からぬが…承知した」
「任せるにゃー!」
最悪結界で取りこぼしても、シュガーが空間遮断してくれるだろう。
島の上までロングワープ!…うわ。寒っ!
慌ててコートを着て、島に手をつく。
…位置の状態固定…これを、まず反重力をかけて、時間遅延も…それで、外す。
島はスーッと降下していく。更に…更にゆっくりと。胃が口から出ちゃうよ!
かなりの時間をかけて降下。着水は更に丁寧に。
波は立ったけど、ヤブランが防いでくれた。
あー…神経が物凄い勢いで削られた…疲れたよ。
「大丈夫にゃ?」
「ん…ちょっと休ませて」
え…シュガーが私を抱っこって…確かにシュガーよりは小さいけどさ!見た目的にちょっと…うわ!
そのままシュガーがショートワープしたみたいだ。
見ると、陸地から島は結構離れている。離れすぎかな…あと、海底に刺さった所から高さがある。
気温が変わる程じゃないし、平気かな?
あとで橋をかけるかどうか、確認してみよう。あの程度なら、土魔法で橋はかけられる。
「大丈夫?メイ」
「エリー姉様…ちょっと精神的ダメージが…大丈夫です。それより後の事はお願いします」
「勿論よ。メイはお城で休んでいて。ね?」
ヤブランとランスが、どちらが私を抱っこするかで揉めてるけど、フレイムが横からさらっと抱き上げた。
(ヤブランはここにいて、アルカームさんをお願い)
(くっ…承知した)
(あと、島に生えているのはこの気温では駄目になっちゃうものだと思う。相談して、貴重な物があったら、回収を手伝ってあげて)
眠い…アルミネアの付与はかなり強力なものだった。島の為の状態保存を残して解除するのもかなり力任せにやったな…これで、いいんだよね?
フレイムの体温がぽかぽかと暖かい。フレイムは人より体温が高いからな…お休みなさい。
取り敢えずみんなマスタールームに避難して貰い、空納に…うーん。無理か。
あれ?…状態保存の付与がかかってる。これじゃあ動かせない。
これは、島が崩れたりしないようにもしてるんだ…って、待って。これを解除したら途端に落ちたりしないよね?!
ええと…細かい付与が幾重にも付いているんだ…なんて繊細な作業。これをやったのがアルミネアだっていうのがまた凄い所だよね…色々解析して、幾つか解除すれば、動かせる事が分かった。
それは一度に解除するより難しい。精密魔力操作を持ってて良かったな。
よし。空納に…うわわっ?!地面がないー!落ち、落ちるーー!!
今立っていた島を空納に仕舞ったんだから、当然だよね…良かった。飛翔スキルがあって。
心臓に悪い……いや、自業自得なんだけどね。完全に。
いや、入るとは思ってたけど、本当に島一つ入っちゃったよ。
気配遮断のマントを羽織ってゆっくりと下に降りる。そう。ここはチョコとカレーの国だ。
もうオカカの実は充分な量が採れているから、要らないけどね。
それにしても…高度が違うとここまで気温差があるんだな…
寒さ対策の防寒着の上に更に気配遮断のマントを羽織っているから、ほんの少しの時間でも汗が滝のように流れてくる。
すぐに亜空間に入ったけど、あの国にはまた行きたいと思ってたんだよね…
とにかく、色々脱いで身軽になる。
「強い恐怖を感じたが、何があったのだ?」
「えへへ…島にいる状態でうっかりそのまま島を空納に仕舞っちゃってさ…落ちて死ぬかと思った」
「反重力の魔法もあるし、飛翔スキルがあるのだから焦る必要はあるまい」
咄嗟にそれを思い出す程、私の心臓は強くないのさ。
スカイダイビングなんて、死んでもやりたくない。
「高い所は苦手なんだよ…」
「我は一度、主を背に乗せて飛びたいと思っていたのだが…」
「アロカシアは私を殺す気?」
「我はけして落としたりなどせぬ!」
「…叶う事のない夢だね…」
ドラゴンに乗って飛ぶなんて、ファンタジー過ぎる光景だけど、私には無理!
とにかくこれを王都近くの海岸に降ろせば完了だ。
降ろせば…!いや、解除はまだで、ゆっくりと降下させればいいんだよね。
一応みんなにも来てもらい、空納から出すと、島は凄い勢いで上昇して、上空で停止した。
「見える範囲だけど、ショートワープじゃ無理だね…」
ドローンを上空に飛ばし、陸との位置を確認する。下が尖っているから、刺さる感じになる。
ただ、遠浅だから、距離を見極めないと…取り敢えずアルカームさんにも確認して貰おう。
「ちょっと行ってくるね」
アルカームさんを連れて戻って来たら、思ったよりギャラリーが増えていた。
丁度いいや。エリー姉様にも確認して貰おう。
もふもふ兵士の人達に名乗ると、突然出現した島の事は、エリー姉様も把握してるらしい。
「津波が心配だから、海岸から離れてて欲しいんだけど…」
「津波?それは何だ?」
「あー…」
地震もないこの世界では、分からないのか…結界張ったりとか、対策はするつもりだけど。
「ヤブラン、島を落としたら、大きい波が来るかもだから、その時は結界で対応して。シュガーもお願いね」
「良く分からぬが…承知した」
「任せるにゃー!」
最悪結界で取りこぼしても、シュガーが空間遮断してくれるだろう。
島の上までロングワープ!…うわ。寒っ!
慌ててコートを着て、島に手をつく。
…位置の状態固定…これを、まず反重力をかけて、時間遅延も…それで、外す。
島はスーッと降下していく。更に…更にゆっくりと。胃が口から出ちゃうよ!
かなりの時間をかけて降下。着水は更に丁寧に。
波は立ったけど、ヤブランが防いでくれた。
あー…神経が物凄い勢いで削られた…疲れたよ。
「大丈夫にゃ?」
「ん…ちょっと休ませて」
え…シュガーが私を抱っこって…確かにシュガーよりは小さいけどさ!見た目的にちょっと…うわ!
そのままシュガーがショートワープしたみたいだ。
見ると、陸地から島は結構離れている。離れすぎかな…あと、海底に刺さった所から高さがある。
気温が変わる程じゃないし、平気かな?
あとで橋をかけるかどうか、確認してみよう。あの程度なら、土魔法で橋はかけられる。
「大丈夫?メイ」
「エリー姉様…ちょっと精神的ダメージが…大丈夫です。それより後の事はお願いします」
「勿論よ。メイはお城で休んでいて。ね?」
ヤブランとランスが、どちらが私を抱っこするかで揉めてるけど、フレイムが横からさらっと抱き上げた。
(ヤブランはここにいて、アルカームさんをお願い)
(くっ…承知した)
(あと、島に生えているのはこの気温では駄目になっちゃうものだと思う。相談して、貴重な物があったら、回収を手伝ってあげて)
眠い…アルミネアの付与はかなり強力なものだった。島の為の状態保存を残して解除するのもかなり力任せにやったな…これで、いいんだよね?
フレイムの体温がぽかぽかと暖かい。フレイムは人より体温が高いからな…お休みなさい。
53
お気に入りに追加
1,656
あなたにおすすめの小説
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!
白夢
ファンタジー
何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。
そう言われて、異世界に転生することになった。
でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。
どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。
だからわたしは旅に出た。
これは一人の幼女と小さな幻獣の、
世界なんて救わないつもりの放浪記。
〜〜〜
ご訪問ありがとうございます。
可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。
ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。
お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします!
23/01/08 表紙画像を変更しました
裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!
転生幼女の怠惰なため息
(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉
ファンタジー
ひとり残業中のアラフォー、清水 紗代(しみず さよ)。異世界の神のゴタゴタに巻き込まれ、アッという間に死亡…( ºωº )チーン…
紗世を幼い頃から見守ってきた座敷わらしズがガチギレ⁉💢
座敷わらしズが異世界の神を脅し…ε=o(´ロ`||)ゴホゴホッ説得して異世界での幼女生活スタートっ!!
もう何番煎じかわからない異世界幼女転生のご都合主義なお話です。
全くの初心者となりますので、よろしくお願いします。
作者は極度のとうふメンタルとなっております…
神獣に転生!?人を助けて死んだら異世界に転生する事になりました
Miki
ファンタジー
学校が終わりバイトに行く途中、子供を助けて代わりに死んでしまった。
実は、助けた子供は別の世界の神様でお詫びに自分の世界に転生させてくれると言う。
何か欲しい能力があるか聞かれたので希望をいい、いよいよ異世界に転生すると・・・・・・
何故か神獣に転生していた!
始めて書いた小説なので、文章がおかしかったり誤字などあるかもしてませんがよろしくお願いいたします。
更新は、話が思いついたらするので早く更新できる時としばらく更新てきない時があります。ご了承ください。
人との接し方などコミュニケーションが苦手なので感想等は返信できる時とできない時があります。返信できなかった時はごめんなさいm(_ _)m
なるべく返信できるように努力します。
失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています
野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる