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スイッチ

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    翌日に、また動作確認。デバッグは欠かせないのさ。

    体感的には農園の中は三割位時間が増えた感じかな。等倍よりは、ましな感じ。

    そういえば、魔族や獣人族に対してはどうなのかな?一応少ないけど、あそこには人族も来るけど、殆どもふもふ達だけだし。

    それも併せて聞いてみよう。

    自分のスマホ農園でも農作業をして、辞典をぱらぱらと捲ってみる。調味料…特に味噌は教えたいな。

「という分けで、エルフ族の人達の所に行ってくるね」
「我も行く!崇拝の対象である主に何か企むとは思えないが、何か力になれるかもしれないだろう?」

「分かった。他のみんなは自由行動でいいかな?」
「お昼寝でもいいにゃ?」
「いいよ。ダンジョンクリアしたんだから、しばらくゆっくりしてても問題ないよ」
「ボクはまだ、研究したい事があるの」
「俺も行ってもいいか?食料が大丈夫なら、メイについて行きたい」

    よし。ランスとアロカシアを連れて出発だ。
    
    マスタールームに入ると、エルフ族の人達もだけど、ランス達も驚いていた。
    そりゃ、ここのマスタールームは階下のダンジョンと同じ仕様で、薄暗い空間だもんね。
    逆に、海岸ダンジョンみたく大空ビューになってたら私、泣いちゃうよ?

「あの…その方々は」
「私の眷属。あと2人いるけど、今日は来てないよ」

「眷属と言われましても…獣人族の方、ですか?」
「いや、俺は…」
「獣人族の人は平気?あと、魔族の人は?」
「質問の意味が分かりませんが…そちらの方が、魔族ですか?」
「我もランスも主の眷属。それでいいだろう」

「魔族の人と、獣人族の人が大丈夫なら、そこの国と付き合っていけばいいんじゃないかと思って」
「成る程な。確かに、この状態は良いとは言えないし」
「人族も交易の為に来るけど、何かあれば魔族の人が助けてくれるし」

「いや…その国の情勢やら何やら、お恥ずかしい事に、何も分からないのです」
「うーん…アロカシア、お願いしていい?」
    説明丸投げ。エルフ族の人は、精霊文字を扱えるし、それで交易とかすればいいと思うんだ。

    私の考えなんて、アロカシアにはお見通しみたいで、私以上に詰めて話してくれる。
「すぐに上手くはいかないと思うけど、取り敢えずの食料は、このスイッチの中で作業してもらえば野菜は手に入るよ?」
   取り敢えず代表のアルカームさんにスイッチを渡して、軽く説明して入ってもらった。

    暫くして出てきたアルカームさんは、涙を流して感謝してくれた。
「まさか…このような神器を我らに与えて頂けるとは」
「神器じゃないよ…それの真似っこかな?エルフ族の人は全員転移装置に魔力登録してあるでしょう?これは、そのデータを借りて発動するの。
    でも、一応重大な罪を犯した人には使えない…まあ、今の所カブしか作れないけど、将来的にはそれこそ殆どの野菜や鉱石が手に入るよ…その攻略本…てか説明書的な物は今、私が書いてるんだけど、もうちょい時間かかるかな…」

    問題は、住居だよね。エリー姉様にお願いして、転移門設置させて貰えないかな?

    問題はまだある。転移門なんて魔術具を、私が作れるか。

    取り敢えずは、エリー姉様と色々話さないと。
「その辺の説明もアロカシアがやってくれると助かるんだけど…」
「はぁ…構わぬが、あの御仁は
我は苦手なのだ」

    今まで鎖国状態だったのを、いきなり文明開化させるような状態かな…混乱は大きいと思う。現に状況に付いていけてなさそうな人も見えるし。

    混乱は想定内。
    でも、生きるのに厳しいこの状況に満足している人はいない。

    説明だけで1日終わってしまった。スイッチは、色々な人が順番で入っていた。
    最初だから、出来る事なんて釣り位しかないんだけどね。

    さすが魔法得意種族。空納は勿論、収納庫を使える人もそれなりにいた。あの時助けた女の子は、同じ歳位かと思ってたのに、まさかの51歳だった。
    それでもエルフ族から見たら子供の部類らしく、麦の収穫を仕事にしているようだ。

    子供が出来にくい種族でもあるからか、みんなに大切にされていて、村ぐるみで育てられているみたいだ。
    名前はシャーロット。私の年齢を聞いて、すごく驚いていた。
「そんなに驚く事かな?」
「だって…それ位だとよちよち歩き出来る位でしょう?」
「人族は成長が速いんだよ…でも、確かに同じ8歳位だと、普通の子はダンジョン攻略しないと思う。あ、野生児だからじゃないよ?偶々だよ」

    神様も含めて、私の周りはみんな過保護だからね。

    エリー姉様の所か…果物がたくさん乗ったフルーツタルトでも作ろうかな。
    そして勿論、ダンジョンでレッドコーク狩りをするんだ!

「メイ様は、特定の精霊を使われないのですか?」
「へ?」
「精霊は力を貸してくれます。それだけ精霊に好かれているなら、従える事も出来るでしょう」
    うーん…似たような事、前にシュガーも言ってたな。あとで聞いてみよう。

    …はっ。それが分かるという事は、電飾人間姿見られてる!ああ…でも皆さん似たような物だね。私1人じゃないなら恥ずかしくないし、アロカシア達もそうだからね。


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