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エルフ族
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もう…さっさと転移しちゃったら、ドロップアイテムの確認も、宝箱が出たかどうかも分からないじゃん。
毎度お馴染みになった、コアルーム。ため息をつきつつ、ダンジョンコアに近付く。
「それにしても…他のマスターって全然いないのかな?」
『当コアに関しては、約1000年前にアルミネア様がマスター登録しています』
…へ?まさかのアルミネア。ダンジョン攻略したの?
『貴方が再登録されますと、当時の設定が白紙になります』
いやそれ、不味いじゃん?
「どんな設定になっているの?」
『エルフ族への39階層以降の譲渡、マスタールームの一部権力譲渡、通称空飛ぶ島への転移門の設置。後に38階層への罠設置、一部がエルフ族のみ使用可能になりました』
うわ…。あれ?私達は?
「ね、確かに38階層に罠があったけど、罠を見破ったから先に進めてるのかな?」
『39階層以降へは、上位存在なら進めます。尚、仮マスターとして登録されるなら、一部機能は解放されますし、こちらとしても、1000年以上更新がないので』
私としては構わないんだけど、恐らくは救済措置として設定した物なのだろう。
「仮登録でも、マスタールームには行ける?」
『可能です』
なら、仮でもいい。別にマスターに拘っている訳じゃないんだけどね。
(みんな、色々と説明しなきゃだから、マスタールームにはまだ呼べないんだ。だから今日これからは自由行動で)
(何か危険がある訳ではないなら…我らに異存はない)
よし。取り敢えずマスタールームに転移だ。
え…何で家があるの?エルフ族の人達の住居?
気配を察知されたのか、エルフの人達が出てきた。
「…うむ。人族の子供にしか見えぬが、伝承ではここに来られるのは、我等以外では神しかあり得ないはず…貴方様は何者か伺っても宜しいか?」
「確実な所で言うと、アルミネアとネリーの娘、かな」
「神の娘…!では、我等の窮状を改善して頂けると」
「ごめんなさい…そもそも、大した知識はなくて。何か困ってるなら、私に出来る事なら力になりたいけど」
私はちゃんとした神様じゃない。人生経験だって少ない8歳の子供だ。
説明として、空飛ぶ島へ転移したけど、超寒い!…そりゃ、とんでもない高さだし、当然だよね…。ただ、全然住んでない訳じゃなくて、高い所でも育つ野菜を交替で作っているとか。
調査だけど、どれ位高いかなんて、島の下を覗いて見たり出来ない。そんな事したら死んじゃうし!
何と、フレイムも作ったヌメヌメエキスで熱を逃がさないようにしたコートの上に、更に温度上昇の付与までしてある。
そこまでしないと、ここでの活動はさすがに無理だな…
「取り敢えず、私の眷属達とも色々相談したいので、連れてきていいですか?」
「はあ…貴方がそう言われるのでしたら。私はエルフ族の長、アルカームと申します」
「私はメイ。神様にちょっと贔屓されてるだけの、只の子供だよ」
只の、でもないか。チートな自覚はかなりあるし。
今回は魔道具とか魔法とか、そんな物でどうにか出来るような物じゃない。マスタールームとはいえ、ダンジョンなんて人の生活する場所じゃない。
どうしても補えないような物は、偽装の魔道具を使ってフードを被り、素材を売ってそのお金で町で買い物をしたりもするけど、伝承がしっかり受け継がれているから、人族は恐怖の対象のようだ。
とにかく、何かいい考えはないか相談してみよう。
亜空間に戻って、エルフについての知識を森羅万象から改めて得てみた。
今度は詳しく見られる…今までは制限がかかっていたって事?
分からないけど、よく種族として途絶えなかったなと思った。
それよりも前の段階で、アルミネアが助けなければ、人族の手で狩り尽くされていたかも。
長生き種族だから、今は途絶えた知識も持っている。精霊文字による付与よりも強力な効果を与える方法。精霊魔法。
長生き種族なのと、魔力が高いのは魔族の人達と一緒だけど、エルフ族には魔族程の強さはない。でも、高い魔力と精霊魔法があるから、人族よりは強い…ただ、個人で強くても、人数で負けてる。
それにしても…魔素の薄さには驚いたな。地表を覆っている魔素が、遥か上空にある島まで届かないのだろう。
だからマスタールーム逃げた?でも、あの場所に留まっても発展はないだろう。
「はぁ…ていうか、アルミネアだって種族絶滅を避ける為に応急措置として、島を空に浮かべた位、手立てがなかったんだろうし…力にはなってあげたいけど、私だけじゃ…」
ぶつぶつと独り言を言ってたら、アロカシアが帰ってきた。珍しい。今日は買い物に出掛けていたんだ。
「何か悩みがあるのか?主」
「ん…どうせだから、みんな揃ったら話すよ」
それとも、ダメ元で教会に行ってみるか…うん。そうしよう。
「ちょっと出掛けて来るね」
「我もついて行こうか?」
「平気だよ。町に行くだけだし」
やっぱりダメか…アルミネア達に相談したかったんだけどな。
神様達にそっくりな、白磁の像。…私は、どうしたらいいのかな?
戻って来たみんなに話すも、特にいい意見はない。
「あまり一つの種族だけを贔屓するのは良くないのではないか?」
うーん…確かにそうかもしれないけど、暗いマスタールームとあの寒い島でしか暮らせない現状を考えたら、出来る事なら力になりたいと思うじゃん。
偽装の魔道具は、精霊文字の刻まれた腕輪型の魔道具で、魔力を流すと長い耳が縮んで見える。
でもうっかり気を抜くと、偽装は解けちゃうみたいだから、スキルに近いのかも。
その魔道具を使い続けていればスキル化する事もあるみたいだしね。
取り敢えず、買い物も満足に出来ない状態は、改善してあげたいな…
毎度お馴染みになった、コアルーム。ため息をつきつつ、ダンジョンコアに近付く。
「それにしても…他のマスターって全然いないのかな?」
『当コアに関しては、約1000年前にアルミネア様がマスター登録しています』
…へ?まさかのアルミネア。ダンジョン攻略したの?
『貴方が再登録されますと、当時の設定が白紙になります』
いやそれ、不味いじゃん?
「どんな設定になっているの?」
『エルフ族への39階層以降の譲渡、マスタールームの一部権力譲渡、通称空飛ぶ島への転移門の設置。後に38階層への罠設置、一部がエルフ族のみ使用可能になりました』
うわ…。あれ?私達は?
「ね、確かに38階層に罠があったけど、罠を見破ったから先に進めてるのかな?」
『39階層以降へは、上位存在なら進めます。尚、仮マスターとして登録されるなら、一部機能は解放されますし、こちらとしても、1000年以上更新がないので』
私としては構わないんだけど、恐らくは救済措置として設定した物なのだろう。
「仮登録でも、マスタールームには行ける?」
『可能です』
なら、仮でもいい。別にマスターに拘っている訳じゃないんだけどね。
(みんな、色々と説明しなきゃだから、マスタールームにはまだ呼べないんだ。だから今日これからは自由行動で)
(何か危険がある訳ではないなら…我らに異存はない)
よし。取り敢えずマスタールームに転移だ。
え…何で家があるの?エルフ族の人達の住居?
気配を察知されたのか、エルフの人達が出てきた。
「…うむ。人族の子供にしか見えぬが、伝承ではここに来られるのは、我等以外では神しかあり得ないはず…貴方様は何者か伺っても宜しいか?」
「確実な所で言うと、アルミネアとネリーの娘、かな」
「神の娘…!では、我等の窮状を改善して頂けると」
「ごめんなさい…そもそも、大した知識はなくて。何か困ってるなら、私に出来る事なら力になりたいけど」
私はちゃんとした神様じゃない。人生経験だって少ない8歳の子供だ。
説明として、空飛ぶ島へ転移したけど、超寒い!…そりゃ、とんでもない高さだし、当然だよね…。ただ、全然住んでない訳じゃなくて、高い所でも育つ野菜を交替で作っているとか。
調査だけど、どれ位高いかなんて、島の下を覗いて見たり出来ない。そんな事したら死んじゃうし!
何と、フレイムも作ったヌメヌメエキスで熱を逃がさないようにしたコートの上に、更に温度上昇の付与までしてある。
そこまでしないと、ここでの活動はさすがに無理だな…
「取り敢えず、私の眷属達とも色々相談したいので、連れてきていいですか?」
「はあ…貴方がそう言われるのでしたら。私はエルフ族の長、アルカームと申します」
「私はメイ。神様にちょっと贔屓されてるだけの、只の子供だよ」
只の、でもないか。チートな自覚はかなりあるし。
今回は魔道具とか魔法とか、そんな物でどうにか出来るような物じゃない。マスタールームとはいえ、ダンジョンなんて人の生活する場所じゃない。
どうしても補えないような物は、偽装の魔道具を使ってフードを被り、素材を売ってそのお金で町で買い物をしたりもするけど、伝承がしっかり受け継がれているから、人族は恐怖の対象のようだ。
とにかく、何かいい考えはないか相談してみよう。
亜空間に戻って、エルフについての知識を森羅万象から改めて得てみた。
今度は詳しく見られる…今までは制限がかかっていたって事?
分からないけど、よく種族として途絶えなかったなと思った。
それよりも前の段階で、アルミネアが助けなければ、人族の手で狩り尽くされていたかも。
長生き種族だから、今は途絶えた知識も持っている。精霊文字による付与よりも強力な効果を与える方法。精霊魔法。
長生き種族なのと、魔力が高いのは魔族の人達と一緒だけど、エルフ族には魔族程の強さはない。でも、高い魔力と精霊魔法があるから、人族よりは強い…ただ、個人で強くても、人数で負けてる。
それにしても…魔素の薄さには驚いたな。地表を覆っている魔素が、遥か上空にある島まで届かないのだろう。
だからマスタールーム逃げた?でも、あの場所に留まっても発展はないだろう。
「はぁ…ていうか、アルミネアだって種族絶滅を避ける為に応急措置として、島を空に浮かべた位、手立てがなかったんだろうし…力にはなってあげたいけど、私だけじゃ…」
ぶつぶつと独り言を言ってたら、アロカシアが帰ってきた。珍しい。今日は買い物に出掛けていたんだ。
「何か悩みがあるのか?主」
「ん…どうせだから、みんな揃ったら話すよ」
それとも、ダメ元で教会に行ってみるか…うん。そうしよう。
「ちょっと出掛けて来るね」
「我もついて行こうか?」
「平気だよ。町に行くだけだし」
やっぱりダメか…アルミネア達に相談したかったんだけどな。
神様達にそっくりな、白磁の像。…私は、どうしたらいいのかな?
戻って来たみんなに話すも、特にいい意見はない。
「あまり一つの種族だけを贔屓するのは良くないのではないか?」
うーん…確かにそうかもしれないけど、暗いマスタールームとあの寒い島でしか暮らせない現状を考えたら、出来る事なら力になりたいと思うじゃん。
偽装の魔道具は、精霊文字の刻まれた腕輪型の魔道具で、魔力を流すと長い耳が縮んで見える。
でもうっかり気を抜くと、偽装は解けちゃうみたいだから、スキルに近いのかも。
その魔道具を使い続けていればスキル化する事もあるみたいだしね。
取り敢えず、買い物も満足に出来ない状態は、改善してあげたいな…
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