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銃の魔道具
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今日は久しぶりの鰻丼だ。
「うわ…柔らかい!」
違う種類のヌメヌメエキスを纏っていたからか、スーパーだからか、食感が違う。味は…白焼きにも手を伸ばす。
「はふ…元の味がちょっと違うのかな?美味しい」
「うむ。気に入った」
一切れ一口。鰻は高級品だったのに…
まあ、ダンジョンで見かけてからは、そんなの関係なくなったけどね。
今日は、進化して床に寝るしかなくなったランスの所に行く。
「にゃっ?!ランスとも寝て…ベッドでにゃーと寝る日がまた減ったにゃ!」
「仕方ないでしょ。それに、大きなもふもふに包まれて寝てみたいし」
側に寄ると、お腹を見せて喜んでいるみたい。
「乗って平気?」
(問題ない)
シュガーとはまた違った柔らかさがある。ああ…至福。
それにしても、どうしてフレイムは私達を見失ったんだろう?認識阻害?…うーん。
あり得ない気がする。パスが切れた訳じゃ無かったから、フレイムも焦ってなかったし。
気がつかなかったけど、罠があったとか…明日、もう一度調べてみよう。
次の日の朝。どうしてかここの所、早朝に目覚めてしまう。小説を読んでつい夜更かししてしまっても一緒なのだ。
まあ、いいや。夜だと疲れてるから、スマホに入っても、必要最低限の事しか出来ないから。
メタルにいつもの収穫をお願いして、私は型作り。昨日のヌメヌメエキスを中に入れ、乾燥させていく。
そして、私は魔道具作りだ。魔道具の銃、魔道銃だ。
ゴム弾でどこまで魔物相手に通用するか分からないけど、ノリで作れそう。
こんな感じかな?形は適当だから、似た銃があるかも分からないけど、成功すればいいな。
昔作った投擲練習用の的を立てて、充分離れて打つ。
僅かに魔力を吸われる感覚。音は出ない。火薬を使っている訳じゃないからね。
「おー…木の的を貫通したよ」
正直、予想以上の威力だ。これなら硬い魔物以外なら、充分渡り合えると思う。
初めて使った銃が狙い通りに的を貫通したのも、命中スキルのお陰だろう。
魔法もだけど、石を投げても命中スキルは成長する。でなければ、球技全般が駄目だった私が、狙って当てられるとは思えない。
受けるのも避けるのも、勿論思い通りに投げるのも苦手だった…ドッジボールとかね。
指でクルリと回して、はたと思いつく。ホルスターがないじゃん。出して打つ時も、しまう時も収納庫じゃ格好がつかない。
魔道具登録は…止めておこう。魔物討伐に使われるのはいいけど、戦争になんて使われたくないからね。どう考えてもメインの武器は双剣だから、銃にはなり得ないけれど。
ホルスターも出来たし、出し入れの練習をやってみた。
いい感じ?
弾はBB弾みたく勝手に吸い上げて装填される。
早速試してみたい!…鱈なら倒せるかな?ミノタウロスは流石に無理だろうな…正直、慣れない銃を扱うより動いて双剣を振った方が早いだろうし、オリハルコンの剣は大概の物を切り裂く。
それと、思いついたのはボールだ。ドライを途中で止めて、状態維持の付与をかける。思ったように、よく弾む。
これはランスの玩具だ。ちょっと思いついて、さっきのボールより小さい物を作り、以前拾ったキラキラのトンボの羽根と、鳥の羽根を差して程よく乾燥させる。
よし、シュガーの玩具も出来た。
作り置きにも問題ないし、おやつもたくさんある。
「戻ろう、メタル」
「戻ったか、主」
「あれ…時間、経ってた?」
「僅かの間でも、パスが途切れれば、分かるからな」
まあ確かに、スマホの中にいる時はみんなの様子は分からないけどね。
「ね、これを見て」
「…何だ?これは」
「銃なの。昨日集めたヌメヌメを乾燥させた弾を飛ばす武器だけど…強い魔物には効かないと思う。たまに使いたいなって」
「我の知識には思い当たる物がない。どれ…物理攻撃専門の魔道具か」
「確かにこの世界にはない物だから、使う時は慎重にするよ」
射程は魔法には遠く及ばないし、元の世界のそれには威力も劣るだろうけど、安易に広めたくない物だからね。
「それと、シュガーとランスには玩具ね」
シュガーは時折自分の手で弾いて玩具を追いかけ、ランスは咥えて持ってきて、尻尾が床掃除する。…可愛いんだけど、伝説の聖獣がこれでいいのか。
「魔法じゃない物を撃ち出すなんて、凄いの。ボクが考えていたのは…」
面白い。マントの内側に定着させて、熱を発する暖かマントを作ろうとしてたなんて。
私の考えた銃は売れない物だけど、寒さ厳しいこの世界の人達には、ヒット商品になったりするかも?勿論どうやって量産するかとか、材料の確保の問題も出てくるけど、依頼という形で出せば…ただ、ウナギなのに何故か不人気階層みたいだから、数は集まらないかも?
海岸ダンジョンのヌメヌメウナドンはあんなに人気だから、同じように使えるなら、材料は簡単に集まりそうだけど。
「じゃあ、今日はウナドンをたくさん手に入れようか」
「欲しいのはエキスだけど、ウナドンは美味しいの」
「そうだね」
という訳で、今日はウナドンをメインで集める事にした。
早朝に入ったにも関わらす、人の気配はあったけど…やっぱりいなくなってしまった。
もしや…人じゃなかったりして…お化け、とか?
「ないない!お化けも魔物、だもんね!」
「ん?」
あう…恥ずかしい。心の内が言葉に出ちゃうと、恥ずかしいよね。
「…あれは人の気配だ。魔物ではない。だから、ゴーストの類いではない」
…だよね。
ウナドンと、ヌメヌメエキスをたくさん手に入れて、その日は終わりになった。
「うわ…柔らかい!」
違う種類のヌメヌメエキスを纏っていたからか、スーパーだからか、食感が違う。味は…白焼きにも手を伸ばす。
「はふ…元の味がちょっと違うのかな?美味しい」
「うむ。気に入った」
一切れ一口。鰻は高級品だったのに…
まあ、ダンジョンで見かけてからは、そんなの関係なくなったけどね。
今日は、進化して床に寝るしかなくなったランスの所に行く。
「にゃっ?!ランスとも寝て…ベッドでにゃーと寝る日がまた減ったにゃ!」
「仕方ないでしょ。それに、大きなもふもふに包まれて寝てみたいし」
側に寄ると、お腹を見せて喜んでいるみたい。
「乗って平気?」
(問題ない)
シュガーとはまた違った柔らかさがある。ああ…至福。
それにしても、どうしてフレイムは私達を見失ったんだろう?認識阻害?…うーん。
あり得ない気がする。パスが切れた訳じゃ無かったから、フレイムも焦ってなかったし。
気がつかなかったけど、罠があったとか…明日、もう一度調べてみよう。
次の日の朝。どうしてかここの所、早朝に目覚めてしまう。小説を読んでつい夜更かししてしまっても一緒なのだ。
まあ、いいや。夜だと疲れてるから、スマホに入っても、必要最低限の事しか出来ないから。
メタルにいつもの収穫をお願いして、私は型作り。昨日のヌメヌメエキスを中に入れ、乾燥させていく。
そして、私は魔道具作りだ。魔道具の銃、魔道銃だ。
ゴム弾でどこまで魔物相手に通用するか分からないけど、ノリで作れそう。
こんな感じかな?形は適当だから、似た銃があるかも分からないけど、成功すればいいな。
昔作った投擲練習用の的を立てて、充分離れて打つ。
僅かに魔力を吸われる感覚。音は出ない。火薬を使っている訳じゃないからね。
「おー…木の的を貫通したよ」
正直、予想以上の威力だ。これなら硬い魔物以外なら、充分渡り合えると思う。
初めて使った銃が狙い通りに的を貫通したのも、命中スキルのお陰だろう。
魔法もだけど、石を投げても命中スキルは成長する。でなければ、球技全般が駄目だった私が、狙って当てられるとは思えない。
受けるのも避けるのも、勿論思い通りに投げるのも苦手だった…ドッジボールとかね。
指でクルリと回して、はたと思いつく。ホルスターがないじゃん。出して打つ時も、しまう時も収納庫じゃ格好がつかない。
魔道具登録は…止めておこう。魔物討伐に使われるのはいいけど、戦争になんて使われたくないからね。どう考えてもメインの武器は双剣だから、銃にはなり得ないけれど。
ホルスターも出来たし、出し入れの練習をやってみた。
いい感じ?
弾はBB弾みたく勝手に吸い上げて装填される。
早速試してみたい!…鱈なら倒せるかな?ミノタウロスは流石に無理だろうな…正直、慣れない銃を扱うより動いて双剣を振った方が早いだろうし、オリハルコンの剣は大概の物を切り裂く。
それと、思いついたのはボールだ。ドライを途中で止めて、状態維持の付与をかける。思ったように、よく弾む。
これはランスの玩具だ。ちょっと思いついて、さっきのボールより小さい物を作り、以前拾ったキラキラのトンボの羽根と、鳥の羽根を差して程よく乾燥させる。
よし、シュガーの玩具も出来た。
作り置きにも問題ないし、おやつもたくさんある。
「戻ろう、メタル」
「戻ったか、主」
「あれ…時間、経ってた?」
「僅かの間でも、パスが途切れれば、分かるからな」
まあ確かに、スマホの中にいる時はみんなの様子は分からないけどね。
「ね、これを見て」
「…何だ?これは」
「銃なの。昨日集めたヌメヌメを乾燥させた弾を飛ばす武器だけど…強い魔物には効かないと思う。たまに使いたいなって」
「我の知識には思い当たる物がない。どれ…物理攻撃専門の魔道具か」
「確かにこの世界にはない物だから、使う時は慎重にするよ」
射程は魔法には遠く及ばないし、元の世界のそれには威力も劣るだろうけど、安易に広めたくない物だからね。
「それと、シュガーとランスには玩具ね」
シュガーは時折自分の手で弾いて玩具を追いかけ、ランスは咥えて持ってきて、尻尾が床掃除する。…可愛いんだけど、伝説の聖獣がこれでいいのか。
「魔法じゃない物を撃ち出すなんて、凄いの。ボクが考えていたのは…」
面白い。マントの内側に定着させて、熱を発する暖かマントを作ろうとしてたなんて。
私の考えた銃は売れない物だけど、寒さ厳しいこの世界の人達には、ヒット商品になったりするかも?勿論どうやって量産するかとか、材料の確保の問題も出てくるけど、依頼という形で出せば…ただ、ウナギなのに何故か不人気階層みたいだから、数は集まらないかも?
海岸ダンジョンのヌメヌメウナドンはあんなに人気だから、同じように使えるなら、材料は簡単に集まりそうだけど。
「じゃあ、今日はウナドンをたくさん手に入れようか」
「欲しいのはエキスだけど、ウナドンは美味しいの」
「そうだね」
という訳で、今日はウナドンをメインで集める事にした。
早朝に入ったにも関わらす、人の気配はあったけど…やっぱりいなくなってしまった。
もしや…人じゃなかったりして…お化け、とか?
「ないない!お化けも魔物、だもんね!」
「ん?」
あう…恥ずかしい。心の内が言葉に出ちゃうと、恥ずかしいよね。
「…あれは人の気配だ。魔物ではない。だから、ゴーストの類いではない」
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