(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる

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幸せのリンゴ

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    折角の35階層なんだから、食べ物だけでいいのにさ。
    色々あるからみんな来る、魅力的なダンジョンになるんだろうけどさ。

    ここに来るみんなは気がついているのかな?対価に魔力や血を求められてる事。
    ダンジョンでの死亡率って、意外と高いんだよね。私がマスターになったダンジョンだって…

    自己責任だけど…

    うん。考えても仕方ない。
「蚊が鬱陶しいし、次に行こうか」
「うむ。果物では腹は膨れぬ」
    いや…普通にお中にたまるけど。

「今度、来る事があったら虫よけ薬を作ろうね」
    亜空間には蚊さえも侵入出来ないから、今まで不便さは感じなかったんだよね。

    36階層は…………これはまさか、色がちょっと違うけど。

    看破    ゴッキーZ    隅を歩き、黒光りする体は嫌われがち。一匹見たら30匹いると思え

    いやあぁぁー!しかも知りたいと、ちょっとでも思っちゃっただけで看破しちゃうから…む、無理無理!!

「ふむ…あの山のダンジョンにいた奴の進化系だな」
「そういう情報要らないから!」
「大丈夫、メイが嫌な物は、ボクが全部消し炭にしてあげるの」

    浄化の炎…!いや、奴にそこまでしなくていいけど。
    てか、やっぱり私自身が戦うの無理だわ…
    登山ダンジョンと同じ方法でこの階層は抜ける事にした。

    女性冒険者で、まともにこの階層、抜けられた人はいるのだろうか?

    あっという間に37階層だ。
    
    ソルジャーオークだ。豚肉でも脂身が少なめで、私はこっちの方が好きだ。
    お。肉大好きな眷属達の目の色が変わった。今の所、豚肉は足りてるんだけど、勢いは止まりそうにないな。

    まあ…あるに超した事はないよね。料理、頑張ろう。

    夕方まで狩りを楽しんで、亜空間に戻った。

    スマホ内にメタルと入って、大量の豚肉を出す。
「畑の収穫が終わったら、料理を手伝って」
(了解しました)
    角煮、トンカツ、トンテキ、生姜焼き、豚大根もいいな。

「ありゃ…大根足りるかな」
    先に大根の種を買って来よう。大概、メタルに買い物は頼んでいるから、たまには自分で買いに行こう。

    道具屋に行き、種を見繕うと、新しくカレールーが売られているのに気づいた。
    あの辛すぎるカレーの実から、甘口、中辛と、色々作ったからな…努力の成果だね!
    ルーの形で売られているのは、多分私の農園になったから…かな。だって、その前は変化なかったからね。

    折角だから、ルーを使ってカレーも作ろう。

    小屋に戻って、カレールーの香りに、笑顔になる。
    今は随分お金も貯まったし、これからは激辛カレーの実から色々と調節していい感じのカレーを作らなくても、ルーを買えばいい。設備はこれから増える事はないだろうし、カレーを充分堪能出来るだろう。
「えへへ…」

    キーマカレー、カレーパン。色々作ってみたいな!

    よし…こんな物かな。カレーは早速出荷しよう。
    甘口と中辛、両方作ってみたけど、今の私には両方を同じくらいブレンドした物が、美味しいと感じる辛さだ。
    私もちょっとは成長してる。流石に転生前の激辛大好き状態までは遠いな。

    スマホから戻ると、みんなにカツカレーを出した。因みにカツはお代わり自由だ。
「この香りだけで食が進むな」
「そうなんだよね。カレーだとつい、食べ過ぎちゃう」
「メイはもっと、食べた方がいいにゃ」
「食べ過ぎたら、太っちゃうよ」
    運動、というか、戦いで充分体は動かしているから大丈夫だとは思うけど。

「じゃあ、お楽しみのミツミツリンゴを食べようか」
「幸運が上がるリンゴか…それは主が食べた方が良いのではないか?」

「アロカシア、私はみんなで幸せになりたいんだよ。それに、私の幸運の値は充分高いと思うし」
    なんせ、レアな物を手に入れられる確率が異様に高いし。

「しかし、五つに分けるのは難しい…なら、こうしよう」
    リンゴを六つに切って、2切れを私の前に置く。
「まあ、取ったのは私だしね」

    食べると、口一杯に広がる蜜リンゴ。まさに幸せの味だ。
    数値よりも、この美味しさこそが、幸運のリンゴだ。
「えへへ…こんなに美味しいなら、また取りに行きたくなるよね…」
「メイが幸せなら、にゃー達も幸せにゃ」
「幸せ魔力は心地いい」
「ふむ…明日も35階層に行くか?」
「うーん。先に進みたいかな?痒いのは嫌だし、必ず見つかる訳でもないんだし」
「メイなら、毎日でも見つかると思うの」
「えええ…」

    完全否定は出来ないかも。
    いや、ここで運を使い切るのも…


    
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