131 / 166
天空の塔ダンジョン 3
しおりを挟む
土瓶蒸しを作ろうと思ったけど、普通、土瓶なんてないよね。作るのも難しそうだし。
という訳で、普通に茶碗蒸しだ。
香りを楽しむ為の物だし、数も作らないといけないから、とっても薄切りだ。
銀杏はないので、代わりに枝豆を入れてみた。あとは白身魚と、鶏肉と、アジタケ。
あとはフナマスの煮付けと、蒸し鶏のサラダ。
肉を希望されても唐揚げも、とんかつも入っているし、肉料理は常に切らさないようにしている。
そういえば、魔宝石も出荷した事なかったな。オージェも、これを見たら少しは認めてくれるかな?
そう。魔宝石といえば、役に立ちそうな魔術具があるんだよね。
例えば範囲結界。
広い物だと、小国1つを覆う位大きな結界を張れる物もあるとか。魔力を込めるのが凄く大変そうだ。
中には人の手によって造られた物ではない物もあり、それはそれだけの効果を周囲の魔素を取り込んで稼働している物もあるらしい。造ったのはオージェかな?
そこまでは無理だとしても、自分の手で魔宝石を作れるようになったから、単なる魔力タンクとしてだけじゃなく、役に立つ物を作ってみたいな。
色々調べていたら、茶碗蒸しが出来た。凄いいい香り!
1つは出荷箱へ。あとは今日、早速食べてみよう。
「これがレアキノコのタケマツの茶碗蒸しだよ。熱いから気をつけてね…えっ!」
最初は香りを楽しんでいたけど、アロカシアが茶碗を持ち、中身を一口で飲み込んだ!
「アロカシア!火傷してない?大丈夫?!」
「?特に何ともない。元々我は火炎ブレスも吐くから、この程度の熱さは気にならないし、この茶碗に入っているのだから、これは飲み物ではないのか?」
「…うわぁ」
「熱くてほんの少しずつしか食べられないにゃ」
「ボクもブレスは吐くけど…人化してるんだから、人に合わせないとだめなの」
「そうだな。人には耐えられない熱さだ」
「む…確かにそうだな。亜空間だからと気を抜いてはだめだな」
「胃の中も熱さは平気なの?」
「特に問題はないな。鍋料理等、今までにも熱い物はあったし」
そっか…アロカシアは食べるペースも速いもんね。
よい子は真似しちゃいけません。(出来ません)
さすが、最強の防御力を誇るだけあるね。
忘れないように、週末はアロカシアと一緒に寝る日だ。私が毛布を持って近付くと、尻尾をバタバタ振って喜ぶ。
寝やすい位置に、布団を敷いてくれる。
布団に座ってアロカシアのお腹の所に寄りかかり、薄手の綿毛布を被る。
滑らかな鱗は金色の部分が増えてきた。
大人になったから変わったと思っていたけど、アロカシアの話ではちょっと違うみたい。
私とずっと一緒にいる為の資格を得たとか、聞いても良く分からなかったけど、何がなくても眷属なんだから、ずっと一緒にいる事は決まっているのにね。
階段を見つけてなかったので、また8階層からだ。朝早くから頑張るねー。冒険者さん達。って、私達も冒険者だけど。
でも、私達は更なる高みを目指すのさ…なんてね。
階段も見つけた。今度はどんな食べ物かなー?
っと。魔物ね。うん…狸だね。ジビエ料理にするね!
ブラックラクーンは、お泊まり実習の時にも倒して食べたね。
臭いからと、食べられない子もいたけど、私的には許せる範囲かな。しっかり臭みも取ったし。
お。モモ肉か。筋肉質の所は結構美味しいよね。
狸肉はあんまり売れないらしい。冒険者も少ない…と思ったら、先の採掘場所で、鉱石を採っていた。
でも、魔鉄は間に合ってるから要らないかな。
先に進むとすぐに階段があったから、みんなここに転移して採掘してるんだろう。
扉が閉まっているって事は、誰かがボスと戦っているのだろう。
暫く待つと、扉が開いた。
よし!突入!…なんだ。ホブゴブ君か。
宝箱が出た。中身は結界石だ。
売るか、ダンジョンの栄養にするか。
「このように多数の人が訪れるボス部屋でも宝箱が出るのは、とても運がいいのだろうな」
私には必要ないけどね。でも、買えばそれなりにする物なのかな?新しい魔道具じゃないからレシピは一般的な物だけど。
後で知った事だけど、宝箱は滅多に出なくて、出たとしてもポーション類らしい。
とにかく、やっと11階層だ。魔物はフォレストボア。
猪狩りだー!そういえば、暫く食べてないな、モツ鍋。
蒟蒻もあるし、久しぶりに作りたい…でも、落とすのは肉が多い。モツが食べたいなら、深淵の森に行けばいい。
フォレストボアは小型だけど、落とす肉は割と大きめ。外で狩った方が効率がいいけど、ついでだから、集めていく。
ふと、壁が気になった。
「どうしたにゃ?罠はにゃーよ?」
「んー?そうなんだけど…」
暫くその辺を探っていたけど、特に何もない。
「気のせいかな…」
コンコンッと、ノックしてみる。反応はない。もう一度。
『山』
…え?
「壁が喋ったにゃ!」
「罠か?!」
「か…川?」
『………』
「皮!」
ゴゴゴと音がして、壁が開いた。
「おおー。宝箱!」
中身は…確認しようとした途端、シュガーが飛びついた。
「ちょ…だめ!確認してから!」
この白っぽい蔓は…
看破 マタタタビ 一部魔物が喜ぶ植物。
タが1つ多いけど、マタタビだよね。
「亜空間に戻ったらね!」
喉を鳴らしてスリスリしてくるシュガー。
「うにゃ~、この気分は何なのかにゃー?」
「マタタビは初めて?珍しい物なのかな?」
「何でもいいにゃー。カミカミしたいにゃー」
「せめて階段は見つけようね?」
もう結構進んだから、そろそろ階段が見つかるかもしれない。
「シュガーの我が儘の為に中断してもいいのか?」
「いいよ。冒険者ギルドでレア情報とか、ちょっと知りたいし」
「確かに、それは我も気になっていた」
「だよねー」
まだ夕食には早い時間だから、店の2、3件寄れそう。
間もなく階段を見つけたので、魔法石に触れて、1階層に転移した。
という訳で、普通に茶碗蒸しだ。
香りを楽しむ為の物だし、数も作らないといけないから、とっても薄切りだ。
銀杏はないので、代わりに枝豆を入れてみた。あとは白身魚と、鶏肉と、アジタケ。
あとはフナマスの煮付けと、蒸し鶏のサラダ。
肉を希望されても唐揚げも、とんかつも入っているし、肉料理は常に切らさないようにしている。
そういえば、魔宝石も出荷した事なかったな。オージェも、これを見たら少しは認めてくれるかな?
そう。魔宝石といえば、役に立ちそうな魔術具があるんだよね。
例えば範囲結界。
広い物だと、小国1つを覆う位大きな結界を張れる物もあるとか。魔力を込めるのが凄く大変そうだ。
中には人の手によって造られた物ではない物もあり、それはそれだけの効果を周囲の魔素を取り込んで稼働している物もあるらしい。造ったのはオージェかな?
そこまでは無理だとしても、自分の手で魔宝石を作れるようになったから、単なる魔力タンクとしてだけじゃなく、役に立つ物を作ってみたいな。
色々調べていたら、茶碗蒸しが出来た。凄いいい香り!
1つは出荷箱へ。あとは今日、早速食べてみよう。
「これがレアキノコのタケマツの茶碗蒸しだよ。熱いから気をつけてね…えっ!」
最初は香りを楽しんでいたけど、アロカシアが茶碗を持ち、中身を一口で飲み込んだ!
「アロカシア!火傷してない?大丈夫?!」
「?特に何ともない。元々我は火炎ブレスも吐くから、この程度の熱さは気にならないし、この茶碗に入っているのだから、これは飲み物ではないのか?」
「…うわぁ」
「熱くてほんの少しずつしか食べられないにゃ」
「ボクもブレスは吐くけど…人化してるんだから、人に合わせないとだめなの」
「そうだな。人には耐えられない熱さだ」
「む…確かにそうだな。亜空間だからと気を抜いてはだめだな」
「胃の中も熱さは平気なの?」
「特に問題はないな。鍋料理等、今までにも熱い物はあったし」
そっか…アロカシアは食べるペースも速いもんね。
よい子は真似しちゃいけません。(出来ません)
さすが、最強の防御力を誇るだけあるね。
忘れないように、週末はアロカシアと一緒に寝る日だ。私が毛布を持って近付くと、尻尾をバタバタ振って喜ぶ。
寝やすい位置に、布団を敷いてくれる。
布団に座ってアロカシアのお腹の所に寄りかかり、薄手の綿毛布を被る。
滑らかな鱗は金色の部分が増えてきた。
大人になったから変わったと思っていたけど、アロカシアの話ではちょっと違うみたい。
私とずっと一緒にいる為の資格を得たとか、聞いても良く分からなかったけど、何がなくても眷属なんだから、ずっと一緒にいる事は決まっているのにね。
階段を見つけてなかったので、また8階層からだ。朝早くから頑張るねー。冒険者さん達。って、私達も冒険者だけど。
でも、私達は更なる高みを目指すのさ…なんてね。
階段も見つけた。今度はどんな食べ物かなー?
っと。魔物ね。うん…狸だね。ジビエ料理にするね!
ブラックラクーンは、お泊まり実習の時にも倒して食べたね。
臭いからと、食べられない子もいたけど、私的には許せる範囲かな。しっかり臭みも取ったし。
お。モモ肉か。筋肉質の所は結構美味しいよね。
狸肉はあんまり売れないらしい。冒険者も少ない…と思ったら、先の採掘場所で、鉱石を採っていた。
でも、魔鉄は間に合ってるから要らないかな。
先に進むとすぐに階段があったから、みんなここに転移して採掘してるんだろう。
扉が閉まっているって事は、誰かがボスと戦っているのだろう。
暫く待つと、扉が開いた。
よし!突入!…なんだ。ホブゴブ君か。
宝箱が出た。中身は結界石だ。
売るか、ダンジョンの栄養にするか。
「このように多数の人が訪れるボス部屋でも宝箱が出るのは、とても運がいいのだろうな」
私には必要ないけどね。でも、買えばそれなりにする物なのかな?新しい魔道具じゃないからレシピは一般的な物だけど。
後で知った事だけど、宝箱は滅多に出なくて、出たとしてもポーション類らしい。
とにかく、やっと11階層だ。魔物はフォレストボア。
猪狩りだー!そういえば、暫く食べてないな、モツ鍋。
蒟蒻もあるし、久しぶりに作りたい…でも、落とすのは肉が多い。モツが食べたいなら、深淵の森に行けばいい。
フォレストボアは小型だけど、落とす肉は割と大きめ。外で狩った方が効率がいいけど、ついでだから、集めていく。
ふと、壁が気になった。
「どうしたにゃ?罠はにゃーよ?」
「んー?そうなんだけど…」
暫くその辺を探っていたけど、特に何もない。
「気のせいかな…」
コンコンッと、ノックしてみる。反応はない。もう一度。
『山』
…え?
「壁が喋ったにゃ!」
「罠か?!」
「か…川?」
『………』
「皮!」
ゴゴゴと音がして、壁が開いた。
「おおー。宝箱!」
中身は…確認しようとした途端、シュガーが飛びついた。
「ちょ…だめ!確認してから!」
この白っぽい蔓は…
看破 マタタタビ 一部魔物が喜ぶ植物。
タが1つ多いけど、マタタビだよね。
「亜空間に戻ったらね!」
喉を鳴らしてスリスリしてくるシュガー。
「うにゃ~、この気分は何なのかにゃー?」
「マタタビは初めて?珍しい物なのかな?」
「何でもいいにゃー。カミカミしたいにゃー」
「せめて階段は見つけようね?」
もう結構進んだから、そろそろ階段が見つかるかもしれない。
「シュガーの我が儘の為に中断してもいいのか?」
「いいよ。冒険者ギルドでレア情報とか、ちょっと知りたいし」
「確かに、それは我も気になっていた」
「だよねー」
まだ夕食には早い時間だから、店の2、3件寄れそう。
間もなく階段を見つけたので、魔法石に触れて、1階層に転移した。
152
お気に入りに追加
2,034
あなたにおすすめの小説
滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!
白夢
ファンタジー
何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。
そう言われて、異世界に転生することになった。
でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。
どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。
だからわたしは旅に出た。
これは一人の幼女と小さな幻獣の、
世界なんて救わないつもりの放浪記。
〜〜〜
ご訪問ありがとうございます。
可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。
ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。
お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします!
23/01/08 表紙画像を変更しました
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!

スローライフとは何なのか? のんびり建国記
久遠 れんり
ファンタジー
突然の異世界転移。
ちょっとした事故により、もう世界の命運は、一緒に来た勇者くんに任せることにして、いきなり告白された彼女と、日本へ帰る事を少し思いながら、どこでもキャンプのできる異世界で、のんびり暮らそうと密かに心に決める。
だけどまあ、そんな事は夢の夢。
現実は、そんな考えを許してくれなかった。
三日と置かず、騒動は降ってくる。
基本は、いちゃこらファンタジーの予定。
そんな感じで、進みます。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる