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湖ダンジョンとシジミー

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    帰ってきたシュガーに付けて実験したら、全然濡れなくて喜んでいた。
    酸等の有害な液体も通さないから、ミニスライムを蹴散らしても毛が溶かされる事もなくなる。

    これがあればシュガーもお風呂…意味ないか。でも、水中で活動は出来るかもね。

    毒は過信出来ない。空気は通すからね。でも、シュガーの耐性は無効だったね。

    脚の筋肉が発達したキックコッコ。腿肉は唐揚げにすると美味しい。
    そして、ミノタウロスもある。
「今回は何の料理にする?」

「すき焼きがいいにゃー」
「こら。狩った我に決める権利があるのではないか?…だが、久しぶりにすき焼きも良いな」
「じゃあ、そうするね」

「明日からはまたダンジョンか?」
「そうするつもりだけど?」
「そうか…」
「どうしたの?ランス」
「うむ…魔力温泉に浸かりたいなと」
「後でも良かろう。ダンジョンの合間の中休みに」

    泥々だけど、凄く気持ちいいんだよね…外が寒くなる前には行きたいな。

    今日は3階層からだ。魔物はミズトカゲ。一応食べられる魔物だ。尻尾の部分が珍味らしい。ちょっと癖があるから私はあんまり好きじゃないかな…
    ドロップアイテムは、やっぱり尻尾か小さな魔石。

    ドロップアイテムがせこいのは、未発見のダンジョンで、今まで迷い込む魚を栄養にするのが精々だったからだろう。

    魔物の種類も弱いからかな?

    運良く次の階段を見つけられたので、4階層へ進む。

    かなり大きいけど、タガメかな?足の先端が鎌みたいになっている。
    結構切れ味が鋭い。
「しかも揃いも揃って大きい」
「うん?何がだ?主」
「あ、ううん…魔石もこんなに小さかったら粉にするしか使い道ないね」
「うむ…主やフレイムには役に立つな」

    他のダンジョンと較べてはいけないけど、魅力が足りないかな。
    
    次は5階層だから少し期待しよう。

    沼地だ…一面の沼地。魔力感知で見ると、素早く動くのと、留まる別の魔力を感知した。
「二種類いるみたい?道はないし、沼地に入るしかないね」
    ちょっと嫌。

    深さはギリギリブーツが埋まる位?後でクリーンをかければいいかな。
    足を踏み入れると、20センチ位の黒い魚が跳ねた。

    うーん。看破が間に合わなかった。でも、食べられる魚かもしれない!
    
    取り敢えず、動かない小さな物先に調べてみよう。
    網で掬いだした物は…ヒル?!

    看破    ヨル    水中に住む虫系魔物。血を吸う

「げっ!」
    ヒルではなく、ヨルを投げた。
「血を吸う魔物か…足だけ結界を纏った方が良いのでは?我は問題ないが」

「取り敢えず、魚の方も調べてみよう」
    丁度近づいたそこに、網を入れる。

    看破    シジミー    独特の風味を持つ魚。汁物にすると美味

「な…!まさかのシジミ?!よし!いっぱい集めるよ!」

    貝から魚に変わってしまったシジミーに、オルニチンが含まれているかは分からないけど、是非とも味噌汁にして飲みたい!

    苦戦して捕まえても、止めを差した瞬間に消えてしまったりもするけど、そのまま残る事もある。
    とにかくみんな、クリーンの付与が間に合わないほど泥だらけになって、シジミーを捕獲した。

「主!夢中になるのは良いが、ヨルは警戒してくれ!」
    痛みはないけど、いつの間にか血を吸われていたみたいだ。
    剥がして潰すと、簡単に潰れて血が滲み出た。

「?!な…揺れている!」
「地震?ダンジョンの中でも地震て起きるんだね」
「メイ、地震て何なの?」
「え?…そういえば、この世界に来て地震て、なかったかも…でもすぐに止まったね」

「し、しかし、崩落の危険があるのでは?今日の所は戻ろう」
    ヤブランの考え過ぎな気がするけど、ダンジョンの事ならコアに聞いてみるのもいいかも?

    検索でダンジョンの事は調べられなくても、コアなら…


    眷属達を影に入れて、松の木までショートワープする。
「まだ昼間だし、別行動しようか」
    私は深淵の森ダンジョンへ。

    周囲に張られたテントは無人だ。
    無警戒だな…テントが魔物に壊されるとか思わないのかな。

    まあ、人目を気にしないでいいのは嬉しい。
    そのまま魔法石に触れてコアルームへ。

「ダンジョンで、地面が揺れる事はあるのかな?王都近くの湖の中のダンジョンなんだけど、未踏のダンジョンで」
『震えの長いものですか…マスター、そこでお怪我をされたのでは?』
「怪我というか…血を吸う魔物にやられたかな?でもちょっとだけだよ?」
『羨ましい…いえ。人目につかない所にあったダンジョンなら、栄養不足だったのでしょう…そんな状態の所にマスターの血液が吸収されたから、コアの方が驚いてしまったのでは?』

    えええ…

「私って、美味しいの?」
『マスターはご自分の事をしっかり自覚なさった方が宜しいかと』

    あれ?コアが呆れてる?
    血を吸われた可能性があるのはあとランスとフレイムか。シュガーは魔道具の影響で無傷だったろうし、ヤブランの血を吸えるとは思えない。

    こういう時は、ステータスかな…人族をいつも否定されてるけど。

「ええっ?何、野良って」

    種族が野良女神だった…ええと、神格を得ても、所属が決まらない存在…
    でも、野良って言い方は酷くない?
    レベルが100を越えた事も何か関係あるのかな。
    
    普通、レベルの限界は99って言われてて、まれに越えた人は、超越者って呼ばれる。冒険者だと間違いなくAランクだ。

    条件付きAランクっていうのも微妙だな…うん。個人情報だし、ギルドに申告しなきゃならない義務はないし、下手に騒がれるのも嫌だ。

    神格ね…神器を持っているからかな?今更な気もするけど。

    お。やっと15階層まで来た冒険者がいるのか…。遅くない?
    
    思った通り、ブラックワニーの所から先に進めない冒険者が多いみたいだ。
    私達のパーティーがこの国のトップなんて言われてる位だから、この国にはあんまり高位冒険者がいないのかも。

『急激な進化の原因ともなりかねません。怪我にはお気をつけてください』
「まずいのかな?」
『最悪、スタンピードを起こしかねません』

    そういえば…身に覚えがあるような、ないような…

「でも、そんな事言ってたらさ、冒険者が来られなくない?」
『マスターは、です』
    あ、そう…次に行く時は結界を纏おう。

    えへへ…早速シジミーの味噌汁を作ろうかな!

「これは…あのシジミーなのか」
「そうだよ!美味しいでしょうっ!」
    本当にシジミの味だ。これは、5階層にたくさん行かないと!
  
    

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