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魔道具作成

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    夕飯の、フナマスの煮付けを食べながら、空気飴の話をする。
「レシピ自体は売ったんだから、他の錬金術師に任せていいと思うの」

    フレイムの言う通りだ。それに、自分達で作らなくても、レシピの利用料が戻ってくる。
    そんなに珍しい材料は使ってないし、面白半分に買った人はいただろうから、今まで全く売れてなかった訳でもない。

「討伐したからその代金も支払われるだろうし、新たなダンジョンを見つけたのだから、何かしら褒賞もあるだろう」
「そっちはどうでもいいかな…ダンジョン攻略出来るのが、一番の楽しみだし」

「でも、あんな目立つ目印があるのに、今まで未発見なのが信じられないの」
「だね。でもマスターの権限で、今まで人が入った事がないのは分かるんだ」

    管理権限というよりは、何となく分かる…って、いくら眷属でも信じて貰えないかな?私自身、説明しきれない。

    次の日。日課のスマホに入り、まずはチョコ作り。名前がチョエコットだから、チョコって呼んでもおかしくないよね。
    チョコを使ったお菓子や料理はとにかく多いから、収穫出来るようになってからは、毎日手軽に使えるように、チョコを加工しておくようにしている。

    今日は…チョコチップ入りのクッキーと、そのクッキーを砕いてチョコに混ぜ、一口で食べられるようにしたお菓子。それと…中にピーナッツを入れたチョコのボール。懐かしいお菓子だ。

    オカカの収穫量は、最初の頃に比べて倍に増えている。これはチョコを使ったお菓子を出荷するようにとのアルミネアからの無言の圧力だけではなくて、温室に空間拡張機能を増やした為だ。

    熟成小屋もこの機能を設備屋に注文したから、作れる量も倍に増えた。これは本当に有難い。
    肉大好き眷属のおやつのジャーキーやベーコンの作れる量も増えて、みんな遠慮なく食べられるようになった。

    設備投資の為の資金を稼ぐ為に、色々な料理に挑戦した。将来、料理人としても働けるようになるかも?

    実際は眷属達に喜んで欲しいから頑張っているんだけど。
    料理アプリは消えなくて良かった。

    さて。今日も湖ダンジョンの探索だ!
「メイ、もっと気軽に使える魔道具で、濡れない物は作れないかにゃー?」

「シュガー、我が儘が過ぎるぞ!主に負担をかけるのではなく、自分が我慢して、ドライ等で乾かすようにするべきだ」
「ううん。ダンジョン攻略が私の我が儘なんだから、その為に眷属に我慢を強いる事はしたくない…フレイム、そういう訳だから、相談に乗って?」

「では今日は俺達は肉の確保に動いた方が良いか?」
「うん…ヤブランとシュガーも今日は狩りね?」
「む…」

    ヤブランはまだ完全には納得してなかったみたいだけど、狩りはどのみちしなければならない。ダンジョンだけでは充分な食料が安定して確保出来るとは限らないのだから。

「結界を張る魔道具じゃだめだよね」
「それだと、剣が届かないの。水を弾く液体は、捨てちゃったし」

    ああ…Gの。有用でも使いたくないな…でも、水を弾ければいいんだよね?でも、薬品は身体にかけるから…どのみちシュガーは嫌がるだろう。

    雨よけ…傘…合羽。魔物と戦わなきゃならないから、動きを阻害する物はだめ…

「ね…シュガーは天空支配のスキルを持っているから、空間に関する魔法は得意だよね…」
    自分の周囲に空間を作ってしまえばいいんじゃないかな?
    でも、シュガーは同じ種類の魔法は同時発動出来ていたけど、違う魔法は…やっぱり魔道具で考えるしかないかな…

「メイが簡単にやってしまう事は、ボク達には難しい事も多いの。それは分かって欲しいの」
    ファンタジー小説と、想像力(妄想)のお陰かな…

    あ。出来そう?要するにバリアだ。私だって時空魔法は使い込んでいるから、どう発動してるか分かるもん。
    物理的な防御力も結果的に上げられるし、最強の竜の鱗に覆われているヤブラン以外のみんなの役にも立ちそうだ。

    早速紙束を持ってきて、発動基盤の図式を考える。
「メイ、やっぱり凄いの!天才なの!」
「ちょっと書いた物を理解しちゃうフレイムも充分凄いよ。見直して、手直しした方がいい所は直して」

    フレイムが紙を見ている間に、材料の用意をする。
「大丈夫なの。メイの想像力は凄いの!固有スキルなの?」
「えっ…どうして?」
「前にアロカシアに聞いたの。祝福や加護を与える為には、固有スキルがないとダメだって」

    元、想像のスキルだけどね。

「でもさ、分からないよ?アロカシアの加護だって消えちゃったし、私の祝福も消えるかも」
「それはないと思うの。メイは凄い主だと思うの」

    凄い、か。スマホとか神様達のお陰なんだけどね。

    問題ないし、魔道具の製作に取りかかろう。小さな基盤に銀と魔石の粉で書く作業は、フレイムにやってもらう。
    私は、ミスリルのインゴットとサファイアを出して、腕輪を作る。柄は…シュガーの好きな羽根の玩具だ。
    うん。アクセサリーとして売れる気はしないな。

    成型したそこに基盤を埋め込んで、取り敢えずサイズ自動調節の付与をつける。
    まずは自分で使ってみる…いい感じだ。動いても、問題なさそう。

    おやつのチョコのボールを出して、フレイムにもあげる。
「美味しい…甘い物は好きなの」
    甘い物は、頭を使った時には欲しくなるよね。それと、魔力の栄養になってる気がする。

    甘い物がちゃんとある世界で良かった。
    無いと人生の半分は損しちゃうからね!





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