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ダンジョンコア
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そういえば、とびっこはなかったな。農園でも飛び魚は釣れた事ないから食べられない。
全部食べ切ってしまう前に、出荷しよう。
「メタル、行くよ」
お代わりの刺身を切っているメタルに声をかける。
そういえば、釣れないといえばヌメヌメウナドンもだ。
また海岸ダンジョンにも行きたいな。イカ、タコ、鰻…
「えへへ…」
折角だから、この前集めた肉も調理してしまおう。
どうせなら、作った事がない物がいいな…料理図鑑は、一冊に収まりきっていない。
素材を出荷し忘れていたり、敢えて出荷していない物…マグロそのままとか。そういう物もある。
私達が出掛けている間、素材さえ用意しておけば、メタルは色々作ってくれる。
うどんとかパスタとか。今回はタルト生地だ。
もうすぐ私の誕生日だし、フルーツたっぷりのゴージャスなタルトを作ろう。
使いやすいので、どろどろ状態のチョエコットも甘くして固形にする。こうしておけば、すぐに食べられる。王都のチョエコットみたいに綺麗な芸術品にする必要はない。私と眷属達で食べるんだから。
それとココアだ。粉末状態にすると却って大変なので、味だけ整えて瓶に詰めてある。生クリームを乗せて飲むと美味しい。
チョエコットのお菓子は順調に増やしている。チョコを使ったお菓子はかなり多い。
ケーキにタルト、種類を増やして図鑑を埋めていく。
出荷も落ち着いたら、眷属達にも作ろう。
スマホを出て、眷属達にもココアを配った。
「甘くて美味しいの」
翌日は13階層から始めた。
「甲羅…?」
看破 グレートトータスの甲羅強度と軽さで良い防具になる
一応、役に立つんだ…でも、空納や収納庫を持っていない人には嫌がらせレベルの大きさだよね…私より大きいし。
亀肉はちょっとしか拾えないのにさ。
「鍋一回で終わりそうな量しか拾えなかったな」
えええ…まあ、ヤブランが食べるなら確かに一回分だけど、具材も色々入れれば、持つのに。
「みんな安全な狩りしかしないから、リソースが足りてないのかもね」
「ん?何だ、それは」
詳しい事は分からないけど、入った人の魔力で運営しているんだろうから…詳しくは知らないし、海岸のダンジョンをクリアしてもダンジョンコアはなかった。
あの時は蟹に浮かれてもいたから、もしかすると他にも何かあったかもだけど。
階段を登り、14階層へ。ここは迷路方式ではなく、広いだけのフロアだ。そこに人が乗れそうな程大きなトンボが飛んでる。
看破 オニヤンマ 鋭い噛みつきで、獲物を狙う。尻尾から放たれる爆弾に注意
うーん。大きさ以外はオニヤンマだ。私の知ってるオニヤンマも大きいトンボだったけど。
そして、変幻自在に飛び回る。私の造ったかなり丈夫な服も、穴が開くほど鋭い歯。でも、トンボなら弱点はその細い首だよね。そこを狙うのが難しかったりするんだけど。
卵爆弾もだけど、シュガーと同じように、尻尾を振る事で、ソニックウェーブも放ってくる。
やっとの事で倒すと、キラキラとした透明な羽根を落とした。
装飾品に使えるみたいだけど、私に細工のセンスはない。
エリー姉様に渡せば喜ぶかも?色々とお世話になってるし。
次はいよいよ15階層だ。5のつく階層だし、美味しい何かがあるかも?
念の為にリフレッシュをかけて、15階層へ。
へえ…ワイバーンなんだ。さっきのオニヤンマもだけど、フロアに一匹だけだ。
ただし、このフロアには障害物がある。木や大きな岩が転がっていて、上ばかり気にしていられない。
ただ、やっぱり天井があるから、地上より楽に相対する事が出来る。
ドロップしたのは肉だけど、深淵の森ダンジョンのワイバーン肉より小さい。
しかもこのダンジョンのボスだったらしく、宝箱が出てきた。
中身は…鳥の羽根?
看破 羽根の魔道具 装着して魔力を流せば飛べる
まあ…このダンジョンにはお似合いなんだろうけど、私は…でも眷属達は全員飛べるしな…
少しだけ試してみよう。装着して魔力を少しずつ流すと、羽ばたいてふわりと体が浮く。
「にゃ?メイも飛べるにゃー!一緒に飛ぶにゃ!」
「いや、飛ばないよ?試しただけだし」
反重力で浮くよりは自分の意思で動けるけど、やっぱり怖いよー!
…うん?あっちの隅に何かある?
何となくそんな気がして、隅まで歩いていくと、突然足元に魔法陣が現れ、私は吸い込まれた。
夕焼けが綺麗だ…いい眺め。ここはもしかして、山の頂上?
(主!何があったのだ!今どこに?!)
(転移の魔法陣かな…山の頂上だよ。特に何もない…?危険はないよ)
大きな木に抱かれるように、巨大な魔石が填まっている。
看破 ダンジョンコア ダンジョンの制御装置
うわ…コアがあったよ。私にも制御出来るのかな?
コアに近づくと、光を発した。
『?!何故、人が…いや、人ではないのでしょう』
「人だよ?魔法陣の転移で来たんだよ?」
『失礼しました。神よ。我が力は枯渇寸前です…どうかお力を分けて下さい』
「うーん…神様全員から加護貰ってるから誤解されやすいな…でも、ドロップアイテムがせこいのって、力とやらに関係してる?」
『その通りです…このままですと、いずれダンジョンが崩壊します』
それは大変。もふもふ冒険者達が困るよ。
魔力を、流せばいいのかな?
無警戒に触れたのは、魔宝石の大きな物だと思ってしまったからだ。
体の奥底にある謎の力…ダンジョンが求めていたのはそれだった。
触れた掌から吸い出されるようにその力がコアに流れた。
「ちょっと…待っ…」
凄まじい脱力感。私はあっさりと意識を手放した。
全部食べ切ってしまう前に、出荷しよう。
「メタル、行くよ」
お代わりの刺身を切っているメタルに声をかける。
そういえば、釣れないといえばヌメヌメウナドンもだ。
また海岸ダンジョンにも行きたいな。イカ、タコ、鰻…
「えへへ…」
折角だから、この前集めた肉も調理してしまおう。
どうせなら、作った事がない物がいいな…料理図鑑は、一冊に収まりきっていない。
素材を出荷し忘れていたり、敢えて出荷していない物…マグロそのままとか。そういう物もある。
私達が出掛けている間、素材さえ用意しておけば、メタルは色々作ってくれる。
うどんとかパスタとか。今回はタルト生地だ。
もうすぐ私の誕生日だし、フルーツたっぷりのゴージャスなタルトを作ろう。
使いやすいので、どろどろ状態のチョエコットも甘くして固形にする。こうしておけば、すぐに食べられる。王都のチョエコットみたいに綺麗な芸術品にする必要はない。私と眷属達で食べるんだから。
それとココアだ。粉末状態にすると却って大変なので、味だけ整えて瓶に詰めてある。生クリームを乗せて飲むと美味しい。
チョエコットのお菓子は順調に増やしている。チョコを使ったお菓子はかなり多い。
ケーキにタルト、種類を増やして図鑑を埋めていく。
出荷も落ち着いたら、眷属達にも作ろう。
スマホを出て、眷属達にもココアを配った。
「甘くて美味しいの」
翌日は13階層から始めた。
「甲羅…?」
看破 グレートトータスの甲羅強度と軽さで良い防具になる
一応、役に立つんだ…でも、空納や収納庫を持っていない人には嫌がらせレベルの大きさだよね…私より大きいし。
亀肉はちょっとしか拾えないのにさ。
「鍋一回で終わりそうな量しか拾えなかったな」
えええ…まあ、ヤブランが食べるなら確かに一回分だけど、具材も色々入れれば、持つのに。
「みんな安全な狩りしかしないから、リソースが足りてないのかもね」
「ん?何だ、それは」
詳しい事は分からないけど、入った人の魔力で運営しているんだろうから…詳しくは知らないし、海岸のダンジョンをクリアしてもダンジョンコアはなかった。
あの時は蟹に浮かれてもいたから、もしかすると他にも何かあったかもだけど。
階段を登り、14階層へ。ここは迷路方式ではなく、広いだけのフロアだ。そこに人が乗れそうな程大きなトンボが飛んでる。
看破 オニヤンマ 鋭い噛みつきで、獲物を狙う。尻尾から放たれる爆弾に注意
うーん。大きさ以外はオニヤンマだ。私の知ってるオニヤンマも大きいトンボだったけど。
そして、変幻自在に飛び回る。私の造ったかなり丈夫な服も、穴が開くほど鋭い歯。でも、トンボなら弱点はその細い首だよね。そこを狙うのが難しかったりするんだけど。
卵爆弾もだけど、シュガーと同じように、尻尾を振る事で、ソニックウェーブも放ってくる。
やっとの事で倒すと、キラキラとした透明な羽根を落とした。
装飾品に使えるみたいだけど、私に細工のセンスはない。
エリー姉様に渡せば喜ぶかも?色々とお世話になってるし。
次はいよいよ15階層だ。5のつく階層だし、美味しい何かがあるかも?
念の為にリフレッシュをかけて、15階層へ。
へえ…ワイバーンなんだ。さっきのオニヤンマもだけど、フロアに一匹だけだ。
ただし、このフロアには障害物がある。木や大きな岩が転がっていて、上ばかり気にしていられない。
ただ、やっぱり天井があるから、地上より楽に相対する事が出来る。
ドロップしたのは肉だけど、深淵の森ダンジョンのワイバーン肉より小さい。
しかもこのダンジョンのボスだったらしく、宝箱が出てきた。
中身は…鳥の羽根?
看破 羽根の魔道具 装着して魔力を流せば飛べる
まあ…このダンジョンにはお似合いなんだろうけど、私は…でも眷属達は全員飛べるしな…
少しだけ試してみよう。装着して魔力を少しずつ流すと、羽ばたいてふわりと体が浮く。
「にゃ?メイも飛べるにゃー!一緒に飛ぶにゃ!」
「いや、飛ばないよ?試しただけだし」
反重力で浮くよりは自分の意思で動けるけど、やっぱり怖いよー!
…うん?あっちの隅に何かある?
何となくそんな気がして、隅まで歩いていくと、突然足元に魔法陣が現れ、私は吸い込まれた。
夕焼けが綺麗だ…いい眺め。ここはもしかして、山の頂上?
(主!何があったのだ!今どこに?!)
(転移の魔法陣かな…山の頂上だよ。特に何もない…?危険はないよ)
大きな木に抱かれるように、巨大な魔石が填まっている。
看破 ダンジョンコア ダンジョンの制御装置
うわ…コアがあったよ。私にも制御出来るのかな?
コアに近づくと、光を発した。
『?!何故、人が…いや、人ではないのでしょう』
「人だよ?魔法陣の転移で来たんだよ?」
『失礼しました。神よ。我が力は枯渇寸前です…どうかお力を分けて下さい』
「うーん…神様全員から加護貰ってるから誤解されやすいな…でも、ドロップアイテムがせこいのって、力とやらに関係してる?」
『その通りです…このままですと、いずれダンジョンが崩壊します』
それは大変。もふもふ冒険者達が困るよ。
魔力を、流せばいいのかな?
無警戒に触れたのは、魔宝石の大きな物だと思ってしまったからだ。
体の奥底にある謎の力…ダンジョンが求めていたのはそれだった。
触れた掌から吸い出されるようにその力がコアに流れた。
「ちょっと…待っ…」
凄まじい脱力感。私はあっさりと意識を手放した。
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