(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる

文字の大きさ
上 下
100 / 166

チョコとカレー

しおりを挟む
    やっと船が港に着いた!
    とても暑い国だとは分かっていたけど…シュガーなんて半分溶けてるよ。もふもふの毛が暑いのだろうか?
「大丈夫?」
「にゃーは、暑いのも寒いのも苦手にゃ…」
    うん…猫ってそういう物だよね…ランスもばて気味だ。
 
    ヤブランとフレイムは涼しい顔してる。フレイムは暑さには強そうだし、ヤブランは元々の体温が低いからか、平気そう。
    私は…寒いよりはいいかな…
     
「凄い!民族衣裳!」
    空気が抜けて涼しそうだけど、スタイルが良くないと似合わないかも。
「アロカシアなら似合うよね!」
「む?だが走るのには裾が邪魔になるな」
「ああー。ここにはヤブランとして入ってきてる訳だしね」

    オカカの木は、ここ数年で特産品にする為に増やしたようだ。
    チョエコットにする為のレシピは教えて貰えなかった。
    でも、実そのものは買えたから、自分で色々試して、駄目なら検索で調べればいい。

    ここまで気温が違うと、農園で育てるのは難しいのかな…でもパイナップルは畑で普通に育つし、ナナの木も育つ。
    どうなるかは分からないけど、手に入るようになるといいな!

    とにかく速攻で出荷箱に入れて、他に良さそうな物はないか見て回っていたら、いい匂いが漂ってきた。
    隣の食堂からで、お客さんに聞いたら、スープカリー!

    覚えがある。農園の道具屋に売っているのはカレー粉末で、とても辛い。
    小麦粉やトマト、リンゴ等で当初は随分苦労して味を整えて作ったものだ。
    ゲームで遊んでいた時は、道具屋で買うしか出来なかったけど、上手くすれば調味料として買えるかも!

    驚いた。豆粒みたいな物がカリーで、石臼で挽いて使うらしい。
「なかなか刺激的な香りだな」
「文字通り、食べたら火を吹くかもよ?」
「なんと!人族でもブレスを吐くようになれるのか?」
「…違う。凄く辛いんだよ。興味あるなら食べてみたら?」
    甘い物が好きなフレイムは、首を振って嫌がっている。ヤブランは一杯だけ頼むみたい。
「鼻がおかしくなりそうだ」
    犬…じゃなくて狼にはきついね。

    一応、買って出荷箱には入れるつもりだ。
    因みに畑で育てる物ではなくて、ザクロみたいに木になって、中身の種を乾燥させてから挽いて使うようだ。

    ダンジョンで蜂蜜も手に入るし、今ならそんなに辛くないカレーが作れるかも。
    現地の人はナンみたいなパンに付けて食べているけど、ご飯にかけて食べたいな!

    ヤブランが頼んだスープを少し舐めさせて貰ったけど、やっぱり凄く辛くて、慌ててハチミツ飴を口に放り込んだ。
「どうした?主」
「だって辛くて!ヤブランは平気なの?!」
「普通に、人の食べる物だな…」
    もしかして、味オンチ?
     でも…美味しい物はちゃんと美味しいって言うよね?

    私の魔力の味が美味しいとかは分からないけど、教えた料理はちゃんと美味しく作るし。
    単に嗜好の問題かな?私も転生前には辛い物が好きだったし。
    カレーも辛口。ワサビも大丈夫だし、辛さ調節が出来るお店では、多少辛くしてた。

    もし栽培が出来るようになっても激辛カレーは作らないけど、いいよね?私だけじゃなくてフレイムも苦手そうだし。

    町で、空飛ぶ島の話を聞いた。
    天気がいいと見る事が出来るらしい。
    そこは不思議な島で、鳥獣人の人も入る事が出来ないらしい。神様が住んでるなんて言う人もいるけど、あり得ない事は神様の所に住んでた私が一番良く分かっている。

    でも…飛べても入れない島か。凄く気になるし、見てみたい!
    宿の部屋でとりあえず出荷の為に一度スマホに入り、ウミボーズ鍋を作る。
    熱をかけると白い身も透明なぷるぷるになり、見ていて面白い。

    もう1つ鍋を用意して、作る。その間にムニエルにもしてみる。柔らかいから、焼くのが難しい。

    あんかけとか、色々作って出荷した。
    多めに買ったオカカの実からほぼ液状の中身を取り出した。
「うーん。予想外。そしてやっぱり凄く苦い」
    甘水と混ぜて、ドライで水分を抜いてみた。
    
「うわ。抜き過ぎた!」
    粉になったけど、ココアみたいに使えるかも?
    ちょっとずつお湯を入れて、練りながら、味も確かめる。
    ミルクもあるといいな。

    久しぶりのココアだ。美味しい。

    とりあえず出荷して、オカカが育てられるといいなと思う。

    夕食にウミボーズ鍋を出すと、みんな喜んで食べた。
    ヤブランは、亜空間に入った時点で、女性体になっている。
「さっきカリーも食べていたよね?」
「主の作った物は別腹だ」

「とろとろで美味しいにゃー!」
    本当に、あんな不気味な姿からは想像もつかない美味しさだ。
    そして、解体も大変だった。メタルがいなかったら解体出来なかった。それと触手。ロングハンドに戻る気配はないけど、複数だからかな?
    もう…便利だからいいよ。

    海の主だからもう出会えないかもしれないけど、せめて精一杯美味しく頂くね!

    そうして次の日。苗木がないか道具屋に確認に行ったら、設備屋に新入荷した物があると聞いた。

    早速行ってみると、温室セットが売っていた。
    熟成小屋以降大きな買い物もなかったからお金は充分に貯まっている。勿論買って家に戻ると、熟成小屋の隣に温室が出来ていて、苗木も植えてあった。

    オカカと、カリーとコーヒー?…コーヒーか。子供になってしまった私に飲めるかな?辛口好きだった私がカレーも無理だったし、ワサビもそうだ。

    でも、カフェオレにするという手もあるし、ティラミスにもコーヒーは必要だもんね。
    焙煎の仕方とかは分からないけど、検索もあるし、森羅万象で知る事も出来るだろう。

    あとは眷属達かな…動物にはそういうの、ダメなんだよね…でも、オレンジジュースとか飲んでるし、平気かな?

    苗木だから数日かかるだろうし、その間に色々考えてみよう。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!

白夢
ファンタジー
 何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。  そう言われて、異世界に転生することになった。  でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。  どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。  だからわたしは旅に出た。  これは一人の幼女と小さな幻獣の、  世界なんて救わないつもりの放浪記。 〜〜〜  ご訪問ありがとうございます。    可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。    ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。  お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします! 23/01/08 表紙画像を変更しました

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。 女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。 前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る! そんな変わった公爵令嬢の物語。 アルファポリスOnly 2019/4/21 完結しました。 沢山のお気に入り、本当に感謝します。 7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。 2021年9月。 ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。 10月、再び完結に戻します。 御声援御愛読ありがとうございました。

幼女と執事が異世界で

天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。 当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった! 謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!? おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。 オレの人生はまだ始まったばかりだ!

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

処理中です...