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チョコとカレー
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やっと船が港に着いた!
とても暑い国だとは分かっていたけど…シュガーなんて半分溶けてるよ。もふもふの毛が暑いのだろうか?
「大丈夫?」
「にゃーは、暑いのも寒いのも苦手にゃ…」
うん…猫ってそういう物だよね…ランスもばて気味だ。
ヤブランとフレイムは涼しい顔してる。フレイムは暑さには強そうだし、ヤブランは元々の体温が低いからか、平気そう。
私は…寒いよりはいいかな…
「凄い!民族衣裳!」
空気が抜けて涼しそうだけど、スタイルが良くないと似合わないかも。
「アロカシアなら似合うよね!」
「む?だが走るのには裾が邪魔になるな」
「ああー。ここにはヤブランとして入ってきてる訳だしね」
オカカの木は、ここ数年で特産品にする為に増やしたようだ。
チョエコットにする為のレシピは教えて貰えなかった。
でも、実そのものは買えたから、自分で色々試して、駄目なら検索で調べればいい。
ここまで気温が違うと、農園で育てるのは難しいのかな…でもパイナップルは畑で普通に育つし、ナナの木も育つ。
どうなるかは分からないけど、手に入るようになるといいな!
とにかく速攻で出荷箱に入れて、他に良さそうな物はないか見て回っていたら、いい匂いが漂ってきた。
隣の食堂からで、お客さんに聞いたら、スープカリー!
覚えがある。農園の道具屋に売っているのはカレー粉末で、とても辛い。
小麦粉やトマト、リンゴ等で当初は随分苦労して味を整えて作ったものだ。
ゲームで遊んでいた時は、道具屋で買うしか出来なかったけど、上手くすれば調味料として買えるかも!
驚いた。豆粒みたいな物がカリーで、石臼で挽いて使うらしい。
「なかなか刺激的な香りだな」
「文字通り、食べたら火を吹くかもよ?」
「なんと!人族でもブレスを吐くようになれるのか?」
「…違う。凄く辛いんだよ。興味あるなら食べてみたら?」
甘い物が好きなフレイムは、首を振って嫌がっている。ヤブランは一杯だけ頼むみたい。
「鼻がおかしくなりそうだ」
犬…じゃなくて狼にはきついね。
一応、買って出荷箱には入れるつもりだ。
因みに畑で育てる物ではなくて、ザクロみたいに木になって、中身の種を乾燥させてから挽いて使うようだ。
ダンジョンで蜂蜜も手に入るし、今ならそんなに辛くないカレーが作れるかも。
現地の人はナンみたいなパンに付けて食べているけど、ご飯にかけて食べたいな!
ヤブランが頼んだスープを少し舐めさせて貰ったけど、やっぱり凄く辛くて、慌ててハチミツ飴を口に放り込んだ。
「どうした?主」
「だって辛くて!ヤブランは平気なの?!」
「普通に、人の食べる物だな…」
もしかして、味オンチ?
でも…美味しい物はちゃんと美味しいって言うよね?
私の魔力の味が美味しいとかは分からないけど、教えた料理はちゃんと美味しく作るし。
単に嗜好の問題かな?私も転生前には辛い物が好きだったし。
カレーも辛口。ワサビも大丈夫だし、辛さ調節が出来るお店では、多少辛くしてた。
もし栽培が出来るようになっても激辛カレーは作らないけど、いいよね?私だけじゃなくてフレイムも苦手そうだし。
町で、空飛ぶ島の話を聞いた。
天気がいいと見る事が出来るらしい。
そこは不思議な島で、鳥獣人の人も入る事が出来ないらしい。神様が住んでるなんて言う人もいるけど、あり得ない事は神様の所に住んでた私が一番良く分かっている。
でも…飛べても入れない島か。凄く気になるし、見てみたい!
宿の部屋でとりあえず出荷の為に一度スマホに入り、ウミボーズ鍋を作る。
熱をかけると白い身も透明なぷるぷるになり、見ていて面白い。
もう1つ鍋を用意して、作る。その間にムニエルにもしてみる。柔らかいから、焼くのが難しい。
あんかけとか、色々作って出荷した。
多めに買ったオカカの実からほぼ液状の中身を取り出した。
「うーん。予想外。そしてやっぱり凄く苦い」
甘水と混ぜて、ドライで水分を抜いてみた。
「うわ。抜き過ぎた!」
粉になったけど、ココアみたいに使えるかも?
ちょっとずつお湯を入れて、練りながら、味も確かめる。
ミルクもあるといいな。
久しぶりのココアだ。美味しい。
とりあえず出荷して、オカカが育てられるといいなと思う。
夕食にウミボーズ鍋を出すと、みんな喜んで食べた。
ヤブランは、亜空間に入った時点で、女性体になっている。
「さっきカリーも食べていたよね?」
「主の作った物は別腹だ」
「とろとろで美味しいにゃー!」
本当に、あんな不気味な姿からは想像もつかない美味しさだ。
そして、解体も大変だった。メタルがいなかったら解体出来なかった。それと触手。ロングハンドに戻る気配はないけど、複数だからかな?
もう…便利だからいいよ。
海の主だからもう出会えないかもしれないけど、せめて精一杯美味しく頂くね!
そうして次の日。苗木がないか道具屋に確認に行ったら、設備屋に新入荷した物があると聞いた。
早速行ってみると、温室セットが売っていた。
熟成小屋以降大きな買い物もなかったからお金は充分に貯まっている。勿論買って家に戻ると、熟成小屋の隣に温室が出来ていて、苗木も植えてあった。
オカカと、カリーとコーヒー?…コーヒーか。子供になってしまった私に飲めるかな?辛口好きだった私がカレーも無理だったし、ワサビもそうだ。
でも、カフェオレにするという手もあるし、ティラミスにもコーヒーは必要だもんね。
焙煎の仕方とかは分からないけど、検索もあるし、森羅万象で知る事も出来るだろう。
あとは眷属達かな…動物にはそういうの、ダメなんだよね…でも、オレンジジュースとか飲んでるし、平気かな?
苗木だから数日かかるだろうし、その間に色々考えてみよう。
とても暑い国だとは分かっていたけど…シュガーなんて半分溶けてるよ。もふもふの毛が暑いのだろうか?
「大丈夫?」
「にゃーは、暑いのも寒いのも苦手にゃ…」
うん…猫ってそういう物だよね…ランスもばて気味だ。
ヤブランとフレイムは涼しい顔してる。フレイムは暑さには強そうだし、ヤブランは元々の体温が低いからか、平気そう。
私は…寒いよりはいいかな…
「凄い!民族衣裳!」
空気が抜けて涼しそうだけど、スタイルが良くないと似合わないかも。
「アロカシアなら似合うよね!」
「む?だが走るのには裾が邪魔になるな」
「ああー。ここにはヤブランとして入ってきてる訳だしね」
オカカの木は、ここ数年で特産品にする為に増やしたようだ。
チョエコットにする為のレシピは教えて貰えなかった。
でも、実そのものは買えたから、自分で色々試して、駄目なら検索で調べればいい。
ここまで気温が違うと、農園で育てるのは難しいのかな…でもパイナップルは畑で普通に育つし、ナナの木も育つ。
どうなるかは分からないけど、手に入るようになるといいな!
とにかく速攻で出荷箱に入れて、他に良さそうな物はないか見て回っていたら、いい匂いが漂ってきた。
隣の食堂からで、お客さんに聞いたら、スープカリー!
覚えがある。農園の道具屋に売っているのはカレー粉末で、とても辛い。
小麦粉やトマト、リンゴ等で当初は随分苦労して味を整えて作ったものだ。
ゲームで遊んでいた時は、道具屋で買うしか出来なかったけど、上手くすれば調味料として買えるかも!
驚いた。豆粒みたいな物がカリーで、石臼で挽いて使うらしい。
「なかなか刺激的な香りだな」
「文字通り、食べたら火を吹くかもよ?」
「なんと!人族でもブレスを吐くようになれるのか?」
「…違う。凄く辛いんだよ。興味あるなら食べてみたら?」
甘い物が好きなフレイムは、首を振って嫌がっている。ヤブランは一杯だけ頼むみたい。
「鼻がおかしくなりそうだ」
犬…じゃなくて狼にはきついね。
一応、買って出荷箱には入れるつもりだ。
因みに畑で育てる物ではなくて、ザクロみたいに木になって、中身の種を乾燥させてから挽いて使うようだ。
ダンジョンで蜂蜜も手に入るし、今ならそんなに辛くないカレーが作れるかも。
現地の人はナンみたいなパンに付けて食べているけど、ご飯にかけて食べたいな!
ヤブランが頼んだスープを少し舐めさせて貰ったけど、やっぱり凄く辛くて、慌ててハチミツ飴を口に放り込んだ。
「どうした?主」
「だって辛くて!ヤブランは平気なの?!」
「普通に、人の食べる物だな…」
もしかして、味オンチ?
でも…美味しい物はちゃんと美味しいって言うよね?
私の魔力の味が美味しいとかは分からないけど、教えた料理はちゃんと美味しく作るし。
単に嗜好の問題かな?私も転生前には辛い物が好きだったし。
カレーも辛口。ワサビも大丈夫だし、辛さ調節が出来るお店では、多少辛くしてた。
もし栽培が出来るようになっても激辛カレーは作らないけど、いいよね?私だけじゃなくてフレイムも苦手そうだし。
町で、空飛ぶ島の話を聞いた。
天気がいいと見る事が出来るらしい。
そこは不思議な島で、鳥獣人の人も入る事が出来ないらしい。神様が住んでるなんて言う人もいるけど、あり得ない事は神様の所に住んでた私が一番良く分かっている。
でも…飛べても入れない島か。凄く気になるし、見てみたい!
宿の部屋でとりあえず出荷の為に一度スマホに入り、ウミボーズ鍋を作る。
熱をかけると白い身も透明なぷるぷるになり、見ていて面白い。
もう1つ鍋を用意して、作る。その間にムニエルにもしてみる。柔らかいから、焼くのが難しい。
あんかけとか、色々作って出荷した。
多めに買ったオカカの実からほぼ液状の中身を取り出した。
「うーん。予想外。そしてやっぱり凄く苦い」
甘水と混ぜて、ドライで水分を抜いてみた。
「うわ。抜き過ぎた!」
粉になったけど、ココアみたいに使えるかも?
ちょっとずつお湯を入れて、練りながら、味も確かめる。
ミルクもあるといいな。
久しぶりのココアだ。美味しい。
とりあえず出荷して、オカカが育てられるといいなと思う。
夕食にウミボーズ鍋を出すと、みんな喜んで食べた。
ヤブランは、亜空間に入った時点で、女性体になっている。
「さっきカリーも食べていたよね?」
「主の作った物は別腹だ」
「とろとろで美味しいにゃー!」
本当に、あんな不気味な姿からは想像もつかない美味しさだ。
そして、解体も大変だった。メタルがいなかったら解体出来なかった。それと触手。ロングハンドに戻る気配はないけど、複数だからかな?
もう…便利だからいいよ。
海の主だからもう出会えないかもしれないけど、せめて精一杯美味しく頂くね!
そうして次の日。苗木がないか道具屋に確認に行ったら、設備屋に新入荷した物があると聞いた。
早速行ってみると、温室セットが売っていた。
熟成小屋以降大きな買い物もなかったからお金は充分に貯まっている。勿論買って家に戻ると、熟成小屋の隣に温室が出来ていて、苗木も植えてあった。
オカカと、カリーとコーヒー?…コーヒーか。子供になってしまった私に飲めるかな?辛口好きだった私がカレーも無理だったし、ワサビもそうだ。
でも、カフェオレにするという手もあるし、ティラミスにもコーヒーは必要だもんね。
焙煎の仕方とかは分からないけど、検索もあるし、森羅万象で知る事も出来るだろう。
あとは眷属達かな…動物にはそういうの、ダメなんだよね…でも、オレンジジュースとか飲んでるし、平気かな?
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