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魔熊
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王都東にある山は、多くの薬草が採れ、食用肉としても一般的なオークも生息し、都の民に無くてはならない山だ。
が、魔素濃度も深淵の森程ではないが高く、同時に思いもよらない脅威になる魔物も現れたりする場所だ。
そんな山だが今は魔熊の出現で警戒態勢が敷かれ、入山規制されている。
そんな山に子供を含む、だけど高ランクなパーティーが入って行った。
「まさか、このランクの剣をあっさり作ってしまうとは、主は凄いな。この輝き、そして重さ。一級品だ。オリハルコンは凄い金属だ」
「にゃーの服も軽くて丈夫にゃ!そしてメイとお揃いにゃ!」
「ボクのもなの」
今回はヤブランも接近戦で戦ってくれる。魔法の効きにくい魔物にアロー系の魔法を放つ矢では効果が出ないと判断したようだ。
フレイムは、入山規制がされているから、人の気配さえなければ人化を解いて戦うかもしれない。
メタルだって協力してくれる。
シュガーには精霊魔法を試して貰うつもりだ。
最初は山の幸集めも兼ねていたけど、時期的にもそんなになかったし、途中からランスに乗せて貰った。そうしたらシュガーも一緒に乗ってきた。
二人位乗っても全然余裕だ。
「む…油断はするなよ?」
ヤブランがフォレストボアにとどめを差しながら、ランスに注意を促す。
標高が高くなるに従って、魔物も強くなってくる。
逆に、頂上に魔物は一匹しかいない。小山のように大きな漆黒の魔熊だ。
鑑定 ? 唯一種 キングベアーの特殊進化体
シュガーの精霊魔法はあんまり効いてないみたいだ。フレイムのブレスも、致命傷には至らない。
メイは少し考えて、呪いをかける。うん…効いているっぽい。動きが緩慢になり、仁王立ちも出来なくなる。闇魔法の方が有効か。
闇か…ブラックホールとか?
イメージを魔法に変える。極小さなブラックホールの粒が、魔熊を抉る。そこに狙いを定めてヤブランが大剣を振るう。
「やった…!」
早速血抜きして、収納庫にしまう。
地面を見ると、骸骨とギルドカードの切れ端が落ちていた。それと、装備の欠片。
「出来るだけ持って行こう」
「それにしても、主の魔法がなければ退治は難しかったな」
「でも、いざとなればヤブランが人化を解いて戦うつもりだったでしょ?」
「まあ…そうだな」
メタルを出すまでもなく、負ける要素はなかった。
「あの漆黒の粒はどういう魔法なのだ?我には理解出来なかった」
私も上手く説明出来なかったせいか、ヤブランにも伝え切れてないみたいだ。
ヤブランが同じ魔法を使うのは無理かも?
「今回ヤブランには前衛で戦って貰って助かったよ」
「あれだけの巨体にしては素早さもあったからな」
「唯一種っていう位だし、超レアな魔物だったみたいだし」
「あんな奴がそこら中にいたら、他の魔物は生きられないな」
王都に住む人達も、やっと安心して狩りに来られるだろう。
帰り道にも、レッドディアの群れに遭遇して倒したり、キックコッコを見つけたりと、料理しがいのある魔物を狩れた。
王都ギルドに戻り、完了報告と死骸を提出して、遺品も渡した。
「確かに、唯一種のようだな…本当に助かった。改めて礼を言わせてほしい。こんな魔物を狩れるなら、ランクを上げてもいいな…フレイム、昇格試験を受けるか?正直、ギルドに貢献した期間が短いから、元Aランクでもある俺が実力を見て判断するが」
「頑張って、フレイム」
そうなると、全員ランクB以上になるんだね。あ、私は条件付きだけど。
結果的には槍だけでなく、魔法の実力もあったからランクが上がった。フレイムの火魔法の実力は誰にも負けないからね。
但し、そこから上がるにはまだ槍の実力が上がらないと難しいみたいだけど。
「これで名実共に国内では最強のパーティーになったな」
「そうなんですか?」
「ああ。特にAランクの二人はAランクに収まらない実力者だ」
「Sランクとか?」
「S?そんなランクはないが…いいかもしれないな。スーパーランクなんて」
…それは…小売店しかないこの世界ではいいのか。品揃え豊富で物が安く買える施設はないもんね。
ある意味品揃え豊富?ドラゴンから神獣まで揃ってて、精霊魔法も使えたりして。
チョエコットの原産国の情報も貰えたから、今回の依頼を受けて良かったと思う。それと、簡易地図に行き方も教えて貰った。
島国だから海を渡らないといけないけど、船には是非乗りたい!乗らなくてもドローンで場所を確認してロングワープで行く事も出来るけど、遊覧船位しか乗った事なかったから、体験してみたい。
今から戻れば卒業前にみんなに会えるから、それが終わってからだね。
亜空間移動をすれば一瞬で着くけど、帰りは止めておこうと思う。移動系の魔法は伝説級の魔法らしいからね。
が、魔素濃度も深淵の森程ではないが高く、同時に思いもよらない脅威になる魔物も現れたりする場所だ。
そんな山だが今は魔熊の出現で警戒態勢が敷かれ、入山規制されている。
そんな山に子供を含む、だけど高ランクなパーティーが入って行った。
「まさか、このランクの剣をあっさり作ってしまうとは、主は凄いな。この輝き、そして重さ。一級品だ。オリハルコンは凄い金属だ」
「にゃーの服も軽くて丈夫にゃ!そしてメイとお揃いにゃ!」
「ボクのもなの」
今回はヤブランも接近戦で戦ってくれる。魔法の効きにくい魔物にアロー系の魔法を放つ矢では効果が出ないと判断したようだ。
フレイムは、入山規制がされているから、人の気配さえなければ人化を解いて戦うかもしれない。
メタルだって協力してくれる。
シュガーには精霊魔法を試して貰うつもりだ。
最初は山の幸集めも兼ねていたけど、時期的にもそんなになかったし、途中からランスに乗せて貰った。そうしたらシュガーも一緒に乗ってきた。
二人位乗っても全然余裕だ。
「む…油断はするなよ?」
ヤブランがフォレストボアにとどめを差しながら、ランスに注意を促す。
標高が高くなるに従って、魔物も強くなってくる。
逆に、頂上に魔物は一匹しかいない。小山のように大きな漆黒の魔熊だ。
鑑定 ? 唯一種 キングベアーの特殊進化体
シュガーの精霊魔法はあんまり効いてないみたいだ。フレイムのブレスも、致命傷には至らない。
メイは少し考えて、呪いをかける。うん…効いているっぽい。動きが緩慢になり、仁王立ちも出来なくなる。闇魔法の方が有効か。
闇か…ブラックホールとか?
イメージを魔法に変える。極小さなブラックホールの粒が、魔熊を抉る。そこに狙いを定めてヤブランが大剣を振るう。
「やった…!」
早速血抜きして、収納庫にしまう。
地面を見ると、骸骨とギルドカードの切れ端が落ちていた。それと、装備の欠片。
「出来るだけ持って行こう」
「それにしても、主の魔法がなければ退治は難しかったな」
「でも、いざとなればヤブランが人化を解いて戦うつもりだったでしょ?」
「まあ…そうだな」
メタルを出すまでもなく、負ける要素はなかった。
「あの漆黒の粒はどういう魔法なのだ?我には理解出来なかった」
私も上手く説明出来なかったせいか、ヤブランにも伝え切れてないみたいだ。
ヤブランが同じ魔法を使うのは無理かも?
「今回ヤブランには前衛で戦って貰って助かったよ」
「あれだけの巨体にしては素早さもあったからな」
「唯一種っていう位だし、超レアな魔物だったみたいだし」
「あんな奴がそこら中にいたら、他の魔物は生きられないな」
王都に住む人達も、やっと安心して狩りに来られるだろう。
帰り道にも、レッドディアの群れに遭遇して倒したり、キックコッコを見つけたりと、料理しがいのある魔物を狩れた。
王都ギルドに戻り、完了報告と死骸を提出して、遺品も渡した。
「確かに、唯一種のようだな…本当に助かった。改めて礼を言わせてほしい。こんな魔物を狩れるなら、ランクを上げてもいいな…フレイム、昇格試験を受けるか?正直、ギルドに貢献した期間が短いから、元Aランクでもある俺が実力を見て判断するが」
「頑張って、フレイム」
そうなると、全員ランクB以上になるんだね。あ、私は条件付きだけど。
結果的には槍だけでなく、魔法の実力もあったからランクが上がった。フレイムの火魔法の実力は誰にも負けないからね。
但し、そこから上がるにはまだ槍の実力が上がらないと難しいみたいだけど。
「これで名実共に国内では最強のパーティーになったな」
「そうなんですか?」
「ああ。特にAランクの二人はAランクに収まらない実力者だ」
「Sランクとか?」
「S?そんなランクはないが…いいかもしれないな。スーパーランクなんて」
…それは…小売店しかないこの世界ではいいのか。品揃え豊富で物が安く買える施設はないもんね。
ある意味品揃え豊富?ドラゴンから神獣まで揃ってて、精霊魔法も使えたりして。
チョエコットの原産国の情報も貰えたから、今回の依頼を受けて良かったと思う。それと、簡易地図に行き方も教えて貰った。
島国だから海を渡らないといけないけど、船には是非乗りたい!乗らなくてもドローンで場所を確認してロングワープで行く事も出来るけど、遊覧船位しか乗った事なかったから、体験してみたい。
今から戻れば卒業前にみんなに会えるから、それが終わってからだね。
亜空間移動をすれば一瞬で着くけど、帰りは止めておこうと思う。移動系の魔法は伝説級の魔法らしいからね。
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