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試練の洞窟
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何だか早くに目が覚めてしまった。大窓から見えるのは、見事な庭園。
ちょっとだけ、降りてみようかな?
あ。食用の薔薇もあるんだ…まあ、ここの庭園のは観賞用だろうけど。
「あら、早起きなのね」
…!驚いた。気配が感じられなかった。まあ、殺気もないけど。
「楽しみで、目が覚めちゃいました」
「うふふ。ワタクシも楽しみよ!そういえばメイは、どこの国の出身なの?」
「クラーク王国です」
「やだ!深淵の森の向こう側じゃないの!うーん。移動系の魔法を使えるなら可能かしら」
「魔法は得意なので。だから私、ダンジョンでも足手まといになったりしませんよ?」
「そうね。お仲間もとても強いみたいだものね…ねえ?メイ。冒険者は定住しない者も多いみたいだけど、ネメシア王国に住む気はない?貴女なら魔素が濃く、住むには厳しい環境のこの国でも暮らしていけると思うわ」
「どうしてそこまで?私はどこにでもいるごく普通の冒険者なのに」
「うふふ。普通って定義は人それぞれだものね。強いて言うなら、メイがいると精霊が活性化するからかしら?」
「…!お、王様は精霊視のスキルを?」
それは恥ずかしい。電飾人間に見えてたって事?
「メイってば…エリー姉様よ!きっと美しい心と魔力を持つメイに惹かれたのね。精霊は、国に幸運と豊かな実りをもたらしてくれるわ。この国を、貴女の帰る場所にしてくれるだけでいいの」
帰る場所…私としては深淵の森ダンジョン付近がいいと思っているけど。だって米が無料で手に入るんだもん!
精霊がどうのというのは正直良く分からない。普段は精霊視のスキルは切っているし…ん?ならシュガーの方が話すのはいいんじゃ?だってクィーンキャットは聖獣だし…離れる選択肢はないから漏れなく一緒にいるけど。
偶々私が早起きしたから私に話したのかな?
それにしては見かけ子供な私にする話しじゃないけど。
どのみち、私が決める事だから、私に話してくれたのは間違いじゃない。
「家族にも話さないとですし、旅はしたいので、お約束は出来ません。もふもふに自由に会えるのは嬉しいですけど」
ちょっと微妙な表情をしてたけど、無理矢理触ったりはしないよ?精々がこっそり眺めてときめくだけ…ちょっと犯罪くさいかも。
「そうなのね…何にせよ、国に興味を持ってくれたのは、嬉しい事ね!来た時は必ずワタクシに会いに来てね!」
押しが強くてぐいぐい来るけど、悪い事を考えての事じゃないと思う。敢えて言うなら、国の為だし。
「あら、そろそろ朝食の時間だわ。準備もしないとね!」
ダンジョン入り口で待ち合わせて、来た王様を見て驚いた。ドレスアーマーだ。皮は再生能力があるという一つ目の巨人、サイクロプスの物らしい。
手に取って見せてもらったけど、オーガの物より質がいい。付与の容量的にも勝っているし、しなやかで動きも阻害しない。
武器はハルバードで、重そうな見た目なのに軽々と扱っている。
試練のダンジョンは、まるで鍾乳洞のような所で、普通のダンジョンとは違って、広大なフロアには、複数種類の魔物がいる。
鍾乳石自体がぼんやりと光っているので明るさも問題なく、更に神秘的だ。
夕べの夕食でも出たレッドコークも早速出て来た。
話し合って、ドロップアイテムは止めを刺した人の物になる。
動きも素早く非常に攻撃的。そして火を吐く。だけどどう動くかが事前に分かるから、剣だけでも倒せる。
「やっぱり魔法だけじゃないのね!メイ、素晴らしいわ!これならワタクシ、この階層で手出しする事もなさそうね!」
「じゃあ、レッドコークの肉は一人占めでいいの?!」
「こ、こらメイ!」
「うふふ。いいわよー?でも収納庫は使える?じゃないと腐っちゃうわよ?」
「当然、使え…ます」
「別に無理に敬語を使う必要はないわよ?ワタクシの臣下じゃないのだし…臣下の前では煩いから使った方がいいと思うけど」
一応、自分に向かってくるのだけはハルバードであっさりと倒している。
「エリー姉様、下層に行く階段は、どっちですか?」
「向こうの方だけど、焦らなくてもいいわよ?ほら、他ではなかなか見付からないイワゴケや、岩塩を採掘するポイントもあるの」
イワゴケ…胃腸の調子を整える
ヤブランには必要かも?
倒した魔物がドロップアイテムになるから確かにダンジョンなんだけど、果てが見えない位広い。
他にも、ここには外にない薬草の宝庫だ。
確かに魔物も強い。さっきのレッドコークだって。学校のみんななら倒せないだろう。
この辺からはオーガの住み処か。ちゃんと住み分け?されているらしい。
オーガはやっぱり強敵だけど、額を狙ったホーリーで一撃だ。私が薬草やキノコを採取している時は、仲間のみんながフォローしてくれるし。
ん。木に実がなっている。
鑑定 マンナンの実 食用可。味はないが、食感が独特
ん?…もしかして蒟蒻?やった!
「シュガー、あの実を落として」
「分かったにゃ」
落ちたのを集めてて、ふと入る所を広げればそのまま入るんじゃ?と、思いついた。
「あら、ふうん…そんな使い方も出来るのね!素敵!でもマンナンの実が欲しいなら、近くの町で栽培しているわよ」
あ、そうなんだ。
「どんな料理に使っているんですか?」
「そうね…主に焼いて食べるわ。殻が凄く硬いのよ。熱した方が剥きやすいわ」
焼くのか…殻さえ取れれば煮物に使いたいよね。でも、焼いて醤油を付けて食べるのも美味しいね!
「えへへ…」
「まあっ?!なんなの?」
「メイは美味しい物の事を考えているにゃ…気にしないでいいにゃ」
「そ…そうなのね」
結局、エリー姉様の出番はなかった。ちゃんと魔法石もあるから、明日は2階層からだ。…本当に広い。下に行くほど狭くなるらしいけど、魔物も強くなるからな…レッドコークの他にもハイオークとか、ホーンボアとか、肉も結構集められた。
蒟蒻も手に入ったし、満足だ。
ちょっとだけ、降りてみようかな?
あ。食用の薔薇もあるんだ…まあ、ここの庭園のは観賞用だろうけど。
「あら、早起きなのね」
…!驚いた。気配が感じられなかった。まあ、殺気もないけど。
「楽しみで、目が覚めちゃいました」
「うふふ。ワタクシも楽しみよ!そういえばメイは、どこの国の出身なの?」
「クラーク王国です」
「やだ!深淵の森の向こう側じゃないの!うーん。移動系の魔法を使えるなら可能かしら」
「魔法は得意なので。だから私、ダンジョンでも足手まといになったりしませんよ?」
「そうね。お仲間もとても強いみたいだものね…ねえ?メイ。冒険者は定住しない者も多いみたいだけど、ネメシア王国に住む気はない?貴女なら魔素が濃く、住むには厳しい環境のこの国でも暮らしていけると思うわ」
「どうしてそこまで?私はどこにでもいるごく普通の冒険者なのに」
「うふふ。普通って定義は人それぞれだものね。強いて言うなら、メイがいると精霊が活性化するからかしら?」
「…!お、王様は精霊視のスキルを?」
それは恥ずかしい。電飾人間に見えてたって事?
「メイってば…エリー姉様よ!きっと美しい心と魔力を持つメイに惹かれたのね。精霊は、国に幸運と豊かな実りをもたらしてくれるわ。この国を、貴女の帰る場所にしてくれるだけでいいの」
帰る場所…私としては深淵の森ダンジョン付近がいいと思っているけど。だって米が無料で手に入るんだもん!
精霊がどうのというのは正直良く分からない。普段は精霊視のスキルは切っているし…ん?ならシュガーの方が話すのはいいんじゃ?だってクィーンキャットは聖獣だし…離れる選択肢はないから漏れなく一緒にいるけど。
偶々私が早起きしたから私に話したのかな?
それにしては見かけ子供な私にする話しじゃないけど。
どのみち、私が決める事だから、私に話してくれたのは間違いじゃない。
「家族にも話さないとですし、旅はしたいので、お約束は出来ません。もふもふに自由に会えるのは嬉しいですけど」
ちょっと微妙な表情をしてたけど、無理矢理触ったりはしないよ?精々がこっそり眺めてときめくだけ…ちょっと犯罪くさいかも。
「そうなのね…何にせよ、国に興味を持ってくれたのは、嬉しい事ね!来た時は必ずワタクシに会いに来てね!」
押しが強くてぐいぐい来るけど、悪い事を考えての事じゃないと思う。敢えて言うなら、国の為だし。
「あら、そろそろ朝食の時間だわ。準備もしないとね!」
ダンジョン入り口で待ち合わせて、来た王様を見て驚いた。ドレスアーマーだ。皮は再生能力があるという一つ目の巨人、サイクロプスの物らしい。
手に取って見せてもらったけど、オーガの物より質がいい。付与の容量的にも勝っているし、しなやかで動きも阻害しない。
武器はハルバードで、重そうな見た目なのに軽々と扱っている。
試練のダンジョンは、まるで鍾乳洞のような所で、普通のダンジョンとは違って、広大なフロアには、複数種類の魔物がいる。
鍾乳石自体がぼんやりと光っているので明るさも問題なく、更に神秘的だ。
夕べの夕食でも出たレッドコークも早速出て来た。
話し合って、ドロップアイテムは止めを刺した人の物になる。
動きも素早く非常に攻撃的。そして火を吐く。だけどどう動くかが事前に分かるから、剣だけでも倒せる。
「やっぱり魔法だけじゃないのね!メイ、素晴らしいわ!これならワタクシ、この階層で手出しする事もなさそうね!」
「じゃあ、レッドコークの肉は一人占めでいいの?!」
「こ、こらメイ!」
「うふふ。いいわよー?でも収納庫は使える?じゃないと腐っちゃうわよ?」
「当然、使え…ます」
「別に無理に敬語を使う必要はないわよ?ワタクシの臣下じゃないのだし…臣下の前では煩いから使った方がいいと思うけど」
一応、自分に向かってくるのだけはハルバードであっさりと倒している。
「エリー姉様、下層に行く階段は、どっちですか?」
「向こうの方だけど、焦らなくてもいいわよ?ほら、他ではなかなか見付からないイワゴケや、岩塩を採掘するポイントもあるの」
イワゴケ…胃腸の調子を整える
ヤブランには必要かも?
倒した魔物がドロップアイテムになるから確かにダンジョンなんだけど、果てが見えない位広い。
他にも、ここには外にない薬草の宝庫だ。
確かに魔物も強い。さっきのレッドコークだって。学校のみんななら倒せないだろう。
この辺からはオーガの住み処か。ちゃんと住み分け?されているらしい。
オーガはやっぱり強敵だけど、額を狙ったホーリーで一撃だ。私が薬草やキノコを採取している時は、仲間のみんながフォローしてくれるし。
ん。木に実がなっている。
鑑定 マンナンの実 食用可。味はないが、食感が独特
ん?…もしかして蒟蒻?やった!
「シュガー、あの実を落として」
「分かったにゃ」
落ちたのを集めてて、ふと入る所を広げればそのまま入るんじゃ?と、思いついた。
「あら、ふうん…そんな使い方も出来るのね!素敵!でもマンナンの実が欲しいなら、近くの町で栽培しているわよ」
あ、そうなんだ。
「どんな料理に使っているんですか?」
「そうね…主に焼いて食べるわ。殻が凄く硬いのよ。熱した方が剥きやすいわ」
焼くのか…殻さえ取れれば煮物に使いたいよね。でも、焼いて醤油を付けて食べるのも美味しいね!
「えへへ…」
「まあっ?!なんなの?」
「メイは美味しい物の事を考えているにゃ…気にしないでいいにゃ」
「そ…そうなのね」
結局、エリー姉様の出番はなかった。ちゃんと魔法石もあるから、明日は2階層からだ。…本当に広い。下に行くほど狭くなるらしいけど、魔物も強くなるからな…レッドコークの他にもハイオークとか、ホーンボアとか、肉も結構集められた。
蒟蒻も手に入ったし、満足だ。
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