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スマホ農園の進化

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    どうにか納得のいくサラミを作れた。薄切りにして出荷して、あとの残りはみんなのおやつだ。
    胡椒は特に、畑で育てられると楽なんだけどな…
    町でも香辛料は高い。庶民にはちょっと手が出ない値段だ。
    種が出ないのは、それが原因かもしれないな。

    それなりに収入のある私だから買えるような物だ。スマホ農園内でも香辛料は高いからね。

    驚いたのは次の日だ。出荷額が高いのは予想出来ていたけど、新しい設備が買えるようになっていた。
    熟成小屋。今まで不可能だった一夜干しも出来るし、醤油や味噌、ベーコンやハムも作れる。勿論、サラミもだ。
    あとはお酒かな?樽に材料…日本酒だったら米を入れておけば作れるらしい。

    ハム等も肉を置いておくだけだ。
    これは多少無理しても買うべきだろう。

    メタルには資金稼ぎの為に宝石ダンジョンに入ってもらう。
    私はお菓子を中心とした料理作りだ。
 
    熟成小屋は、網や木箱、樽などが置いてあって、視線を合わせるだけでかかる日数等が分かる。
    大瓶サイズになった牛乳を置いておけばチーズも作れる。
    味噌や醤油は大豆だけ、たったの1日だ。
    お酒はあんまり要らないけど、ワインとかならブドウだけだし、図鑑コンプの為に色々やってみるつもりだ。

    きっと熟成小屋の為に頑張ってくれたのだろうアルミネアには、蜂蜜を使ったお菓子を多めに出荷して、お礼の手紙も添えた。

    そして、その他にも調味料が作りやすくなった。ケチャップもソースも、オート調理出来るようになった。
    これは非常に助かる。結構調味料を作るのは手間も材料もかかるからね。
    ただし、一度出荷した調味料に限る。コンソメの素とか作れないかな…オート調理で作れれば、かなりの料理を時短で作れる。  
    色々、試行錯誤してみよう。

    本当に感謝しきれないな。私の負担を軽減してくれる。
    でも、じゃないとスマホに籠る時間が増えて、気がついたら一人だけおばあちゃんになってそうだもんね。
    大きくなれるのはちょっと嬉しいけど。

    転生前のDNAだったら成長は期待出来ないけど、今の所は年相応の身長だ。
    魔法での時間を進めたり戻したりは、生物相手だと物凄く魔力を使うし、時が経つと戻る力が働くようだ。
    小さな虫相手に実験したけど、見た目に変化が現れるまでは実践出来なかった。
    ただ、効果が現れている事は実感出来る。
    
    私に使ったらどうなるかな?ちょっとだけ…
    身長、少し伸びたかな?でもこれでも魔力限界だ。袖が短く感じる。いつもより、ちょっとだけ視界が高い…ああ、でも…もう終わりか。残念。

    亜空間の外に出て、なるべく多くの魔素を取り込んだ。
「メイ、大丈夫か?魔力が少なくなっているみたいだが」
「ちょっと実験してただけだから、大丈夫だよ。今日もダンジョンに行こう」
「うむ。久しぶりにジンギスカンが食べたいな」

「ん。モコモコのお肉もだけど、オーク肉も欲しいね。焼き肉にしようか。あ!ミノタウロスのお肉もいいね!私にも戦わせて!」
「うむ…あれの肉は旨いからな。我も食べたい」

    すき焼きでなくなっちゃったんだよね…恐るべしブラックホールの胃袋。

    でもアロカシアには何度も助けられている。竜鱗結界の加護のお陰で、怪我も免れている。
    だからいっぱい食べてもしょうがない…?

    次の日。熟成小屋にはハムやベーコン、干しいもが出来ていた。
    そう。一夜干しだけじゃない。大好きおやつの干しいもも、干し柿もここで作れる。みんなが大好きなベーコンも、ばら肉を置いておくだけだ。

    それと、料理用の日本酒も出来ている。樽一つは使わないから、勿論出荷するけど。

    ソーセージはハーブも一緒に置けばハーブ入りの物が作れるみたいだ。
    やったー!色々作ってみよう!

    とりあえず、このソーセージでポトフでも作ってみようかな。
    そのついでにコンソメにも挑戦してみる。
    色々なガラを、臭みを取るハーブを入れて煮込んで、じっくりと水分を飛ばしていく。
    それと、ウォーターバッファローの肉、玉ねぎだ。

    うろ覚えの知識で作ってみたけど、こんな感じだったかな?

    半練りになったそれを、少しだけ出荷してみた。

    たっぷりの野菜とソーセージ。塩胡椒で味を整えて…うん!いい感じ。

    そういえば、ちゃんちゃん焼きは結構出荷額が高かった。
    脂の乗った鮭で、凄く美味しかったんだよね。農園で釣れるシャケの進化系っぽいし、あのシャケは狙い目だね。

    農園も進化してるから、あのシャケもここで釣れる日が来るかもしれないな。
    
    こんな風に、突然ゲームになかった設備が増える事があるなら、種分を確保した上で貯金出来る位までゲーム内のお金は確保しておきたいな。

    メタルが戻ってきた所でアクセサリーをオート制作して、付与もかけていく。
    魔晶石を作る分も確保しておかないと。
    精密魔力操作のスキルレベルも上がっていて、ようやく魔石を砕かずに魔晶石が作れるようになってきた。
    まあ、その上の魔宝石はまだ作れないんだけど。

「メタル、どうしても魔宝石じゃないと駄目なの?」
(オージェ様よりそう言い付かっております)
「そっか…まだ時間はかかりそうだけど、頑張るよ」

    アロカシアを眷属に出来ない事もだけど、まだまだ私は半人前だ。スマホはチートアイテムだけど、私は普通の5歳児だから仕方ないよね。

    次の日からはまた学校だ。ここでは新年を祝うとかそういう事はしないようだ。
    いや、お祭り自体が少ない。秋の収穫祭位だ。
    と言っても別に特別な事をする訳じゃなくて、国民の休日的な扱いだ。教会では一応神を祀り、捧げ物をしたりするみたいだけど。

    お祭り的行事が少ないのは寂しいね。

    そういえば、コンソメの扱いがどうなったか確認の為だけにスマホに入ったけど、驚いた。
    オート調理位出来ていたらいいなと思ってたら、コンゾーメの実がなる木があるらしく、売りに出されていた。
    勿論買って、樹木用の畑に植えた。今からどんな実がなるか楽しみだ。

    醤油の実といい、コンソメといい…凄いな、この世界は。
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