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冬休み
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本格的に寒くなってきた。そろそろ雪が降るかもしれない。
そんな中行われたのが、クラス分けテストだ。
「別にクラスが変わったからといって待遇に違いはない。ただ、たった一年でも伸びる奴は伸びる。あまり拘る必要はない」
そうだけど、仲良くなった人達と別のクラスになるのは淋しい。
手を抜きたくなる事情はあるにせよ、そんな事で勝ちを譲られても余計に怒りそうだし。
特にシュガーとは絶対に別れたくないし、頑張ろう。
戦闘のテストで、多分隣のクラスの子に話かけられた。
「君がメイだよね?僕、一度噂の野生児と戦ってみたかったんだよね…いい?」
それは構わないけど…その呼び方、隣のクラスにも伝わってたんだ。
あ、結構面白いかも。攻撃が重い。恐らくは身体強化の影響だろうけど、ちゃんと視線も追い付いているし、戦えている。
でも残念。シュガーの身体強化してない攻撃に慣れてる私には通じない。
「あー…残念。でも面白かった。僕はトール。また戦って?」
「そうだね。機会があったら」
2年生になった。ほぼ同じ顔ぶれだけど、テストの時に戦ったトールの姿があった。
級長は私で、副はやっぱりボードだけど、前に戦った時以来、何となく避けられている。
「漸くメイに勝てましたわ」
「リア、そうなの?」
「結果は出ているじゃありませんの。勉学では私が満点で一位でしたわ。メイは二番」
んー?どこか間違ったかな?まあ、別にいいけど。
「メイってば、どうでもいいと思っているわね?」
「うん。これでリアにも戦う技術があれば、級長とかやれたんじゃない?」
「わ…私には不要ですわ。魔法なら少しは自信がありますけど…でもメイには敵いませんわね」
「メイは凄いんだね!頭もいいなんて。僕は入学前は名前位しか書けなくて」
総合的に見てAクラスは優秀な子達が集まるクラスだから、トールは去年頑張ったのだろう。
新入生の入学に伴って、2年生にも新年までの間、約一週間の休みがある。
雪もうっすらと積もったが、中央の本通りは雪がない。熱交換の魔道具はちゃんと機能しているようだ。
その影響か、店を開けている店舗もちらほら見掛けられる。
「シュガー、ちょっと寄っていい?」
「雑貨屋にゃ?」
ちょっとお洒落なリボンや、可愛い小物類を扱っている店だ。
以前に、中途半端に伸びた髪を留める為のクリップを買った事がある。
今はその時よりも伸びたから、髪を結ぶリボンが欲しい。
スマホ内に入っている影響か、髪が伸びるのが早い気がする。身長は…成長期だから分からないかな。
あ、これ可愛い。
掌に収まるサイズのブラシだ。ころんとした見かけがいいね。
「メイもブラッシングするにゃ?」
「髪の毛を梳かすんだよ。シュガーの毛とはまた違うからね」
そのブラシの側に、寝癖直し用の香油もある。
私の髪はコシのないストレートな髪質で、寝癖も付きにくい。これをフレイムの冠羽みたいなふわっと持ち上がった髪に付けたらどうなるんだろう?
うん…でも自分でも作れそうだな。香りは邪魔になるから要らないし。
ブラシだけ買って、亜空間に戻った。
「ただいまー。?フレイム、何を作っているの?」
綺麗なガラス細工だ。
「ボク、あの時の花火を再現したくて」
台の上に置いて魔力を流すと、赤や黄色に光って、本物の花火みたいだ。
「凄いよ、フレイム」
「えへへ。凄いのはメイだよ。ボクはただ再現しただけ」
「綺麗にゃー。また花火、見たいにゃ!」
「そうだね…でも花火は夏の風物詩だから、今はちょっとね」
それに今、こんなに寒い中で花火を見てたら風邪引きそうだし。
「メイ、冒険者達は引き上げたようだぞ」
「お帰り、ランス。やっぱり森の中で冬を越す冒険者はいないよね。それなら、明日は17階層に行ける階段を探してみようか」
一度干し肉にすると、旨みが凝縮される。それを知ってからは空納内で干し肉も作っているけど、なかなか上手くいかない。
かといって、亜空間内で作ると、干し肉になる前に誰かのお腹に入っちゃうんだよね。
多分、上手く乾燥しないのだろう。魔法で作るのが一番かな。
ちょっと前まで町の家庭で見られていた風景は、庭に干し肉がぶら下がっていて、私もやりたかったんだけど…まあ、美味しく食べてくれたのなら、いいんだけど。
今年は香辛料も使って、サラミに挑戦してみたい。
スマホ内で買うと高いけど、香辛料はダンジョンで種類が割と豊富に取れるからね。
本当は畑で育てられればいいんだけど、ショウガやニンニク位しか種が出てこないんだよね。
今夜はアロカシアの作った改良番角煮だ。以前より美味しくなっている。
「そういえば、みんなはお酒、飲む?」
「ふむ…興味がない事はないが、態々買ってまではな…」
エールやワインは、そこまで高くはない。ただ、子供の私が買っていいものか判別付かない。
特に年齢制限はないし、子供でも新年や、収穫祭等のお祭りには薄めた物を飲むらしいけど、前世の感覚が抜けないから、飲もうと思わないんだよね。
ランスやフレイムが大きくなったから、最近は少々ベッドが狭い。大きくなったもふもふに不満はないけど、また進化があるとしたらベッドも考えなきゃならないな。
「アロカシア…何かまた大きくなってない?」
(うむ…そうだな。大きくなっていると思う)
「本体が大きくなっても、仮の姿は変わらないの?」
(問題ない。ダンジョンで元の姿で戦うような事があれば、通路など狭いかもしれないが)
ちょっと羨ましい。人は進化しないし、一気に大きくなったりしない。
オーガとの戦いは楽しめるけど、次は食料階かと思うと、どうしても先に進みたい。
明日は頑張ろう!
そんな中行われたのが、クラス分けテストだ。
「別にクラスが変わったからといって待遇に違いはない。ただ、たった一年でも伸びる奴は伸びる。あまり拘る必要はない」
そうだけど、仲良くなった人達と別のクラスになるのは淋しい。
手を抜きたくなる事情はあるにせよ、そんな事で勝ちを譲られても余計に怒りそうだし。
特にシュガーとは絶対に別れたくないし、頑張ろう。
戦闘のテストで、多分隣のクラスの子に話かけられた。
「君がメイだよね?僕、一度噂の野生児と戦ってみたかったんだよね…いい?」
それは構わないけど…その呼び方、隣のクラスにも伝わってたんだ。
あ、結構面白いかも。攻撃が重い。恐らくは身体強化の影響だろうけど、ちゃんと視線も追い付いているし、戦えている。
でも残念。シュガーの身体強化してない攻撃に慣れてる私には通じない。
「あー…残念。でも面白かった。僕はトール。また戦って?」
「そうだね。機会があったら」
2年生になった。ほぼ同じ顔ぶれだけど、テストの時に戦ったトールの姿があった。
級長は私で、副はやっぱりボードだけど、前に戦った時以来、何となく避けられている。
「漸くメイに勝てましたわ」
「リア、そうなの?」
「結果は出ているじゃありませんの。勉学では私が満点で一位でしたわ。メイは二番」
んー?どこか間違ったかな?まあ、別にいいけど。
「メイってば、どうでもいいと思っているわね?」
「うん。これでリアにも戦う技術があれば、級長とかやれたんじゃない?」
「わ…私には不要ですわ。魔法なら少しは自信がありますけど…でもメイには敵いませんわね」
「メイは凄いんだね!頭もいいなんて。僕は入学前は名前位しか書けなくて」
総合的に見てAクラスは優秀な子達が集まるクラスだから、トールは去年頑張ったのだろう。
新入生の入学に伴って、2年生にも新年までの間、約一週間の休みがある。
雪もうっすらと積もったが、中央の本通りは雪がない。熱交換の魔道具はちゃんと機能しているようだ。
その影響か、店を開けている店舗もちらほら見掛けられる。
「シュガー、ちょっと寄っていい?」
「雑貨屋にゃ?」
ちょっとお洒落なリボンや、可愛い小物類を扱っている店だ。
以前に、中途半端に伸びた髪を留める為のクリップを買った事がある。
今はその時よりも伸びたから、髪を結ぶリボンが欲しい。
スマホ内に入っている影響か、髪が伸びるのが早い気がする。身長は…成長期だから分からないかな。
あ、これ可愛い。
掌に収まるサイズのブラシだ。ころんとした見かけがいいね。
「メイもブラッシングするにゃ?」
「髪の毛を梳かすんだよ。シュガーの毛とはまた違うからね」
そのブラシの側に、寝癖直し用の香油もある。
私の髪はコシのないストレートな髪質で、寝癖も付きにくい。これをフレイムの冠羽みたいなふわっと持ち上がった髪に付けたらどうなるんだろう?
うん…でも自分でも作れそうだな。香りは邪魔になるから要らないし。
ブラシだけ買って、亜空間に戻った。
「ただいまー。?フレイム、何を作っているの?」
綺麗なガラス細工だ。
「ボク、あの時の花火を再現したくて」
台の上に置いて魔力を流すと、赤や黄色に光って、本物の花火みたいだ。
「凄いよ、フレイム」
「えへへ。凄いのはメイだよ。ボクはただ再現しただけ」
「綺麗にゃー。また花火、見たいにゃ!」
「そうだね…でも花火は夏の風物詩だから、今はちょっとね」
それに今、こんなに寒い中で花火を見てたら風邪引きそうだし。
「メイ、冒険者達は引き上げたようだぞ」
「お帰り、ランス。やっぱり森の中で冬を越す冒険者はいないよね。それなら、明日は17階層に行ける階段を探してみようか」
一度干し肉にすると、旨みが凝縮される。それを知ってからは空納内で干し肉も作っているけど、なかなか上手くいかない。
かといって、亜空間内で作ると、干し肉になる前に誰かのお腹に入っちゃうんだよね。
多分、上手く乾燥しないのだろう。魔法で作るのが一番かな。
ちょっと前まで町の家庭で見られていた風景は、庭に干し肉がぶら下がっていて、私もやりたかったんだけど…まあ、美味しく食べてくれたのなら、いいんだけど。
今年は香辛料も使って、サラミに挑戦してみたい。
スマホ内で買うと高いけど、香辛料はダンジョンで種類が割と豊富に取れるからね。
本当は畑で育てられればいいんだけど、ショウガやニンニク位しか種が出てこないんだよね。
今夜はアロカシアの作った改良番角煮だ。以前より美味しくなっている。
「そういえば、みんなはお酒、飲む?」
「ふむ…興味がない事はないが、態々買ってまではな…」
エールやワインは、そこまで高くはない。ただ、子供の私が買っていいものか判別付かない。
特に年齢制限はないし、子供でも新年や、収穫祭等のお祭りには薄めた物を飲むらしいけど、前世の感覚が抜けないから、飲もうと思わないんだよね。
ランスやフレイムが大きくなったから、最近は少々ベッドが狭い。大きくなったもふもふに不満はないけど、また進化があるとしたらベッドも考えなきゃならないな。
「アロカシア…何かまた大きくなってない?」
(うむ…そうだな。大きくなっていると思う)
「本体が大きくなっても、仮の姿は変わらないの?」
(問題ない。ダンジョンで元の姿で戦うような事があれば、通路など狭いかもしれないが)
ちょっと羨ましい。人は進化しないし、一気に大きくなったりしない。
オーガとの戦いは楽しめるけど、次は食料階かと思うと、どうしても先に進みたい。
明日は頑張ろう!
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