(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる

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ダンジョン13階層

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    魔法石にだけ触れて、外に出た。
    鰻丼のタレ、再現出来るかな…早速スマホ農園で研究だね!

    研究の為に少し残して、ヌメヌメエキスは全部売った。
「こ…これだけ採れたなら、ウナドンは?」
「売らないよ?」
「いや…でも、旨くても、取っておくと腐るぞ?」
「大丈夫なの!だから売らない」

「そ…そうか。まあ、何を売るかは冒険者の自由だからな」
    それにしても…空納持ちの冒険者か…随分小さいが、Dランクだから、それなりの実力はあるのだろう。11階層まで守って貰うだけで突破するなんて無理な話だからな…それに長年色々な冒険者を見てきた俺には分かる。小さくて可愛い見た目に騙されると、痛い目を見る。

    亜空間に入ると早速スマホを手に取る。
「美味しい鰻丼、期待しておいてね!」
    老舗の鰻重なんて食べた事なかったから、味の参考になるのはスーパーの鰻丼だ。
   酒、みりん、砂糖代わりの甘水、そして醤油。
    海の側だからか、醤油の実は手軽な値段で買えた。今ここで買えるならと、たくさん買った。
    分量は分からないから適当になるけど、まあまあいい感じかな。

    蒲焼きといえば炭火だけど、夏場は使わない燃焼石が入った火鉢で代用する。
    醤油が豊富に使えるなら、色々作ってみたい物もある。
    学校に行っている間にみんな色々と狩ってくれたお肉達。

    みんなお肉大好きだからなー…うん。角煮を作ろう。オークの角煮だ。
    前に作ったローストビーフ…じゃなくて、ローストウォーターバッファロー。あれも
もう一度作りたい。オージェはお酒が好きみたいだし、おつまみとして出荷したい。

    ここにいる限り、時間は無限に使えるからね。
    従魔の誰かが見つけたたくさんのベリーもある…タルトが食べたいな。
    
    まあ、今は鰻丼だ。あくまでスーパーレベルだけど、それなりに美味しい物が出来たと思う。
   
    主食系は夏休みに入った直後にそれなりに作ったけど、デザート系はそんなにない。
 
    夏だし、果物を使ったシャーベットもいいな。
    分量をギリギリまで減らしたジュレ。冷やした状態で収納庫に入れた。
    それと、ポテ芋から採れた片栗粉を使ったわらび餅風のデザート。これは出荷もしておこう。

    かき氷用のシロップも、果物を半殺しにしたものをたっぷりと使用する。

    今日は収穫を後回しにしてお菓子作りに専念してしまった。本当に、従魔達も入れるようになればいいのにな。

    スマホから戻った私に、みんな集まってくる。料理をした後は匂いが染み付くからね。
「みんな、これが鰻丼だよ」
    みんな喜んで食べてくれている。私も、久しぶりの味に満足だ。米のお陰だね。まだ米が売られているのは見た事ないから、農園で作るしかない。
「今日はデザートもあるよ」
    かき氷を出してやると、一斉に食べたみんなは頭を抱えてうずくまる。

「あはは。かき氷はちょっとずつ食べないと、頭が痛くなるんだよ」
「早く言って欲しいにゃ」
「ごめんごめん」
    ちょっとした悪戯心だ。
「でも美味しいでしょ?」
「むう…それはそうだが」
「そのうちアイスクリームとかも作る予定だから」
    バニラアイスじゃなくて、ミルクアイスしか作れないけどね。

    欲しい物は沢山ある。バニラもそうだけど、メイプルシロップも欲しい。
    あとはもち米とか、蕎麦とか。ゲームには入ってなかったけど、この世界は地球と似た所あるから、探せばあるかも。
    それとチョコレート。でもカカオが見付かったとしても、そこからチョコレートを作る方法は知らないんだよね…どこかのダンジョンで、チョコレートをドロップする魔物とか出て来ないかなー?

    次の日。今日も鰻丼エリアは冒険者でいっぱいだ。なので、先に進む事にする。

    多足虫…大きいけどこのフォルム…フナムシ?

    鑑定    フナムシ    甲殻は傷つけにくい。噛みつきと体当たり注意

    むう…たかが釣り餌の分際で、驚かせて!台所に侵入するアレかと思ったじゃん!

   アレが今後も出ない事を祈りつつ、先に進む。因みにドロップアイテムは、釣り針やら釣り糸等の、釣りグッズ。
    ここなら魔物の心配なく釣りが出来るかな?まあ…魚も魔物だったりするけど。
    ダンジョン探索だけじゃなくて、釣りもやってみようかな?

    Gじゃなくても気色悪い!というか、サイズでかすぎ!50センチはあるんだもん。釣り餌にならないじゃん!

    こんな不毛な階層には、冒険者の姿もない。
   人の気配がないのをいいことに、フレイムを出してやる。炎のブレスで焦げていくフナムシ。

 「やっぱり虫系には炎だね」
    燃えながらたくさんある足をワキワキと動かすのは嫌な気持ちになるけど、耐えられなくはない。
  
    ドロップアイテムはどうでもいいから、フレイムがブレスで焼いてくれた道を安全に進む。
    ラッキー。すぐに階段を見つけた。

    人の気配があるので、フレイムを影に入れる。
    ?!何か飛んできた!素早く避けると、壁に当たる前にそれは、器用に方向転換した…え?ホタテ?高速回転しながら飛んできた所を、避けつつ双剣で斬る。
    顔位のホタテが落ちた。やった!
    嬉々として狩っていると、小さな粒に変化した?
    え…ホタテから真珠に変化した。
  
    普通なら嬉しいんだろうけど、私はホタテがいい。
    まあ、売れそうだから拾うけどね。
    成る程。他の冒険者は一攫千金狙いかな?ホタテになるとがっかりして、でも拾っている。

    真珠になる確率は結構低い。倒すと多少縮むけど、それでも大振りのホタテに、嬉しくなる。
    是非ともバター醤油で食べたい。

    動体視力も結構鍛えられてるから、確実に避けられるけど…姿がぶれて、来る方向が分かる?
    何かスキルが生えたかな…予見か。小説では定番のスキルだね。

    ヤブランも、弓を仕舞って短剣で対処している。
    誰も見てなかったらきっと、拳で対処してただろうな。

    予見で見てると、この付近の湧くポイントが分かった。みんなにも教えたから、これで対処もしやすくなっただろう。

(何かスキルが?)
(予見だって。私にはあそこから出てくる所がブレて見える)
(そうか…既にたくさんのスキルを持っているのにまだ取れるのは、アルミネア様の加護のお陰だな)
    そう…なのか。あんまり意識してなかったけど、アルミネアには感謝しないとね。
    という事は、スキルは魂に関係があるのか。

    従魔に関する事だけじゃなかったんだな…今度プリンアラモードとか、アルミネアが好きなデザートをたくさん出荷しよう。
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