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鰻丼と雷
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広げてドライで済むから、楽々だ。海苔は使い道が多い。ある程度は買うけど、こうして自分で作るのもいいな。
次の10階層はやっぱりボスが出るのかな?
「今日には10階層に進むのか?」
「まあ、階段が見付かれば。海苔を取りながら進むつもり」
今日はいつもの昼食は、海苔付きのおにぎりだ。みんな気に入ってくれるといいな。
さで、いよいよ10階層だ。魔物はカバの皮膚を硬化したような外見の、アームドヒッポ。
弾き飛ばされると、車に衝突された位の衝撃を受けるので、注意が必要だ。
麻痺の魔法をかけてみたけど、効いてなさそう。でも、少しは動きが鈍くなったかな?
剣で切りつけるも、硬化した皮膚が硬い。
ランスが切るというよりは剣で頭を叩いた。
ちょっと効いてるっぽい。なら、特大の岩を頭上に落とす。
やっと倒れたみたいだ。ドロップアイテムは、鎧の原料になりそうな硬い皮だ。
予想よりも結構日数がかかったかな。
まあ、美味しい魔物が多いから仕方ないよね。
おにぎりを食べて、みんなにリフレッシュをかけて、11階層に進む。
おおっ?!冒険者が多い!そして採っているのは…鰻?
鑑定 ヌメヌメウナドン その滑りで刃物を反らす。ヌメヌメの液体は保水力に優れ、肌を保護し、化粧ののりを良くする。また、食べても美味。
おお…にしてもウナドンて…名前が料理名なんて、哀れだな。
よし!ならば鰻丼にして食べてやろう!
みんな網で捉えてからとどめを刺しているみたいだけど、そのとどめに苦労している。この世界の剣は刃が殆どない。刃があると手入れが大変だからだ。
そのお陰で滑って攻撃が当たりにくい。あとは魔法でやるか。
うん。私は魔法で行こう。網で掬った物に雷を当てればいい。
「そこの子供…その魔法は何だ?見た事がない」
あ。忘れてた。雷の魔法は仕組みが理解出来ないからか、使える人が殆どいないんだった。
「雷の魔法だよ?魔物にも雷を使うのがいるよね?」
「は?けど魔物と同じ魔法を使えるのか?雷とか、そんな属性聞いた事もない」
「俺の娘は魔法の天才なんだ」
そういうランスは雷の特性持ちでしょうに。
「雨が降った時にたまに見る雷の小規模な物だよ。そんなに特別な魔法じゃない」
「こら、こんな小さな子供に絡んでどうする。…ここまで来られる子供も凄いけどな」
「メイは小さくても強いにゃ」
シュガーが手を獣化してみせる。私はヤブランの後ろに隠れながらだけど、ちゃんと言う事は言った。
「雷か…レアな属性なんだろうな…一人前の冒険者ならパーティーに誘ったのに」
「雷じゃなくても、風の鎌なんかなら倒せると思う」
「けど、網も駄目になるだろう」
まあね。出したら逃げられるかもだし。
学校で理科の実験的な事も教えれば理解して使う人も出てくるかもしれないな。
「あんまり属性とかに囚われない方がいいと思う。大切なのはイメージだから」
「ははは。天才の意見らしいな。けど、そんな事を言っていると生意気だと言われるぞ」
所詮は子供の意見か。まあ、絡んでくるような人にちゃんと教えてやるほど私も親切じゃない。
(主、我にもその雷の魔法を教えてくれ)
うん。ウナドンには雷魔法が一番だからね。
ドロップするのは半々位だ。ヌメヌメエキスはついでというか、ヤブランのギルドランクを上げる為でもある。
ヤブランも一つは上がったけど、同じDランクに上げておきたいからね。
実際の強さなら、ヤブランに勝てる冒険者はいないと思う。貢献度はまだそんなにないけど。
「ふふーん。鰻丼鰻重蒲焼き白焼き!」
(…主、物凄く楽しそうだな)
(メイはそういう所あるな)
(メイは美味しい物が大好きなのー)
(楽しみにゃ!)
ボクも参加したいな…でもここのダンジョンは人が多いから無理だよね…人がいなくなっても、いきなり強い魔物とは戦えないし。
却ってナイフの方が倒しやすいので、みんなにナイフを渡した。
私の双剣は刃がちゃんと付いてるので、網を傷つけないように、刺した。
でもやっぱり、すぐに網はボロボロになる。魔法で修復も可能だけど、ここでは自重した。
さっきの騒ぎのせいで無駄に注目を浴びている。
もう。どっかの偉い魔道師とかが、雷の魔法を広めればいいのに。静電気の仕組みから教えれば行けると思うんだよね。
魔法使いの人達は、早々に音を上げている。あの青汁味のマジックポーションを飲みながら頑張っている。
他人の数値までは鑑定で見られないけど、元の数値が低いのかな?私も飲むふりだけはしておいた方がいいかな。
網を張り変えるのも面倒になってきたから、雷魔法を使っている。ウナドン一匹に対してだから、そんなに魔力は要らない。
「そろそろ陽も暮れる。階段だけでも探しておかないか?」
「うん…そうだね」
「ねえ…待って、あなたの魔法を真似して同じ事ができないか頑張っているんだけど、どうしても出来ないの」
収納庫に手を突っ込んだままガラス板を作る。取り出してこすると埃がつく。
「物凄く弱い力ですけど、これが静電気です」
魔法使いのお姉さんは、首を思い切り傾げている。
「いえ、雷魔法を…」
説明難しいな。この世界には電気なんて必要ないもんね。
「ええと…それのとっても弱い物だと思ってもらえれば」
「…ごめんなさい。やっぱり分からないわ。階段はあっちにあるわ」
「ありがとうございます」
ここはとっても見晴らしがいいからね。実は見えていた。
(それが前に言ってた電気なのー?)
(そうだね。物凄く弱いから使い物にはならないけど)
フレイムには家電の話とかしてたから、電気について分かったのかな?フレイムは、結構賢い子だからな。
(電気の代わりに魔石を使うのが魔道具なんだよね?)
(そうだね)
(分かったのー)
フレイムは魔道具にも興味があるみたいだし、何か面白い物を考えてくれるかも。
次の10階層はやっぱりボスが出るのかな?
「今日には10階層に進むのか?」
「まあ、階段が見付かれば。海苔を取りながら進むつもり」
今日はいつもの昼食は、海苔付きのおにぎりだ。みんな気に入ってくれるといいな。
さで、いよいよ10階層だ。魔物はカバの皮膚を硬化したような外見の、アームドヒッポ。
弾き飛ばされると、車に衝突された位の衝撃を受けるので、注意が必要だ。
麻痺の魔法をかけてみたけど、効いてなさそう。でも、少しは動きが鈍くなったかな?
剣で切りつけるも、硬化した皮膚が硬い。
ランスが切るというよりは剣で頭を叩いた。
ちょっと効いてるっぽい。なら、特大の岩を頭上に落とす。
やっと倒れたみたいだ。ドロップアイテムは、鎧の原料になりそうな硬い皮だ。
予想よりも結構日数がかかったかな。
まあ、美味しい魔物が多いから仕方ないよね。
おにぎりを食べて、みんなにリフレッシュをかけて、11階層に進む。
おおっ?!冒険者が多い!そして採っているのは…鰻?
鑑定 ヌメヌメウナドン その滑りで刃物を反らす。ヌメヌメの液体は保水力に優れ、肌を保護し、化粧ののりを良くする。また、食べても美味。
おお…にしてもウナドンて…名前が料理名なんて、哀れだな。
よし!ならば鰻丼にして食べてやろう!
みんな網で捉えてからとどめを刺しているみたいだけど、そのとどめに苦労している。この世界の剣は刃が殆どない。刃があると手入れが大変だからだ。
そのお陰で滑って攻撃が当たりにくい。あとは魔法でやるか。
うん。私は魔法で行こう。網で掬った物に雷を当てればいい。
「そこの子供…その魔法は何だ?見た事がない」
あ。忘れてた。雷の魔法は仕組みが理解出来ないからか、使える人が殆どいないんだった。
「雷の魔法だよ?魔物にも雷を使うのがいるよね?」
「は?けど魔物と同じ魔法を使えるのか?雷とか、そんな属性聞いた事もない」
「俺の娘は魔法の天才なんだ」
そういうランスは雷の特性持ちでしょうに。
「雨が降った時にたまに見る雷の小規模な物だよ。そんなに特別な魔法じゃない」
「こら、こんな小さな子供に絡んでどうする。…ここまで来られる子供も凄いけどな」
「メイは小さくても強いにゃ」
シュガーが手を獣化してみせる。私はヤブランの後ろに隠れながらだけど、ちゃんと言う事は言った。
「雷か…レアな属性なんだろうな…一人前の冒険者ならパーティーに誘ったのに」
「雷じゃなくても、風の鎌なんかなら倒せると思う」
「けど、網も駄目になるだろう」
まあね。出したら逃げられるかもだし。
学校で理科の実験的な事も教えれば理解して使う人も出てくるかもしれないな。
「あんまり属性とかに囚われない方がいいと思う。大切なのはイメージだから」
「ははは。天才の意見らしいな。けど、そんな事を言っていると生意気だと言われるぞ」
所詮は子供の意見か。まあ、絡んでくるような人にちゃんと教えてやるほど私も親切じゃない。
(主、我にもその雷の魔法を教えてくれ)
うん。ウナドンには雷魔法が一番だからね。
ドロップするのは半々位だ。ヌメヌメエキスはついでというか、ヤブランのギルドランクを上げる為でもある。
ヤブランも一つは上がったけど、同じDランクに上げておきたいからね。
実際の強さなら、ヤブランに勝てる冒険者はいないと思う。貢献度はまだそんなにないけど。
「ふふーん。鰻丼鰻重蒲焼き白焼き!」
(…主、物凄く楽しそうだな)
(メイはそういう所あるな)
(メイは美味しい物が大好きなのー)
(楽しみにゃ!)
ボクも参加したいな…でもここのダンジョンは人が多いから無理だよね…人がいなくなっても、いきなり強い魔物とは戦えないし。
却ってナイフの方が倒しやすいので、みんなにナイフを渡した。
私の双剣は刃がちゃんと付いてるので、網を傷つけないように、刺した。
でもやっぱり、すぐに網はボロボロになる。魔法で修復も可能だけど、ここでは自重した。
さっきの騒ぎのせいで無駄に注目を浴びている。
もう。どっかの偉い魔道師とかが、雷の魔法を広めればいいのに。静電気の仕組みから教えれば行けると思うんだよね。
魔法使いの人達は、早々に音を上げている。あの青汁味のマジックポーションを飲みながら頑張っている。
他人の数値までは鑑定で見られないけど、元の数値が低いのかな?私も飲むふりだけはしておいた方がいいかな。
網を張り変えるのも面倒になってきたから、雷魔法を使っている。ウナドン一匹に対してだから、そんなに魔力は要らない。
「そろそろ陽も暮れる。階段だけでも探しておかないか?」
「うん…そうだね」
「ねえ…待って、あなたの魔法を真似して同じ事ができないか頑張っているんだけど、どうしても出来ないの」
収納庫に手を突っ込んだままガラス板を作る。取り出してこすると埃がつく。
「物凄く弱い力ですけど、これが静電気です」
魔法使いのお姉さんは、首を思い切り傾げている。
「いえ、雷魔法を…」
説明難しいな。この世界には電気なんて必要ないもんね。
「ええと…それのとっても弱い物だと思ってもらえれば」
「…ごめんなさい。やっぱり分からないわ。階段はあっちにあるわ」
「ありがとうございます」
ここはとっても見晴らしがいいからね。実は見えていた。
(それが前に言ってた電気なのー?)
(そうだね。物凄く弱いから使い物にはならないけど)
フレイムには家電の話とかしてたから、電気について分かったのかな?フレイムは、結構賢い子だからな。
(電気の代わりに魔石を使うのが魔道具なんだよね?)
(そうだね)
(分かったのー)
フレイムは魔道具にも興味があるみたいだし、何か面白い物を考えてくれるかも。
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