5 / 15
お茶会
しおりを挟む
私とリーファ様は、不安な毎日を送っていました。
そんなある日。公爵令嬢のロゼリア様と、侯爵令嬢のエミーナ様にお茶のお誘いを受けました。私とリーファ様の二人ですわ。
リーファ様が一緒だった事に少しだけ安堵してしまったのは、内緒ですわ。
流石公爵家のタウンハウス。家と比べるのも烏滸がましく思える位広くて、素晴らしいです。
出されたお菓子も、一つ一つが宝石のように繊細で、美しい。
「単刀直入に申しますわ。あなた方の婚約者様もあの女に誘惑されているのでしょう?」
本当に直球で来ましたわね。
「私達は、情報の共有をするべきだと思うのです。まずはケント男爵について。法衣貴族なので、領地等はありませんわ。奥様が亡くなられたので、昔からの愛人であった酒場の給仕、エラを娘共々受け入れた」
「前妻との間に子供はおりませんの?」
「ええ。元子爵令嬢で、身体の弱い方だったようです」
「随分前から浮気されてたのね」
夫人が気の毒ですわ。
「男爵の事は取り敢えずいいのよ…いいえ、娘に礼儀作法の教育もせずに学園に入れたのはまずいわね。娘の素行の悪さで、家が没落するとは思わなかったのかしら?」
「とにかく、私達は情報を共有すべきだと思うのですわ。あの方、たまに訳の分からない事を言っていますし…自分はヒロインだとか、私達は悪役令嬢だとか」
そうですわね…わざとロゼリア様達に意地悪されたと虚言を連発して、悲劇のヒロイン気取りですわ。
「お芝居の悪役でしょうか?私はモブと言われましたわ」
「モブ…とは何でしょう?」
「分かりません。ですが、何か馬鹿にされたような気持ちになりましたわ…それと、エメラルドの瞳の方を探しているとか」
「…何人かは知っていますけど…新たな方を毒牙にかけるつもりでしょうか…とにかく、何か分かり次第、こうして集まる事に致しましょう」
「分かりましたわ」
本当に、何が起きているのでしょう?
婚約者のいる男性ばかり狙って、虜にする。いつの間にかマリアナ様は、学園でも有名なアバズレ女認定されている事、本人は分かっていらっしゃらないのかしら?
そんなある日。公爵令嬢のロゼリア様と、侯爵令嬢のエミーナ様にお茶のお誘いを受けました。私とリーファ様の二人ですわ。
リーファ様が一緒だった事に少しだけ安堵してしまったのは、内緒ですわ。
流石公爵家のタウンハウス。家と比べるのも烏滸がましく思える位広くて、素晴らしいです。
出されたお菓子も、一つ一つが宝石のように繊細で、美しい。
「単刀直入に申しますわ。あなた方の婚約者様もあの女に誘惑されているのでしょう?」
本当に直球で来ましたわね。
「私達は、情報の共有をするべきだと思うのです。まずはケント男爵について。法衣貴族なので、領地等はありませんわ。奥様が亡くなられたので、昔からの愛人であった酒場の給仕、エラを娘共々受け入れた」
「前妻との間に子供はおりませんの?」
「ええ。元子爵令嬢で、身体の弱い方だったようです」
「随分前から浮気されてたのね」
夫人が気の毒ですわ。
「男爵の事は取り敢えずいいのよ…いいえ、娘に礼儀作法の教育もせずに学園に入れたのはまずいわね。娘の素行の悪さで、家が没落するとは思わなかったのかしら?」
「とにかく、私達は情報を共有すべきだと思うのですわ。あの方、たまに訳の分からない事を言っていますし…自分はヒロインだとか、私達は悪役令嬢だとか」
そうですわね…わざとロゼリア様達に意地悪されたと虚言を連発して、悲劇のヒロイン気取りですわ。
「お芝居の悪役でしょうか?私はモブと言われましたわ」
「モブ…とは何でしょう?」
「分かりません。ですが、何か馬鹿にされたような気持ちになりましたわ…それと、エメラルドの瞳の方を探しているとか」
「…何人かは知っていますけど…新たな方を毒牙にかけるつもりでしょうか…とにかく、何か分かり次第、こうして集まる事に致しましょう」
「分かりましたわ」
本当に、何が起きているのでしょう?
婚約者のいる男性ばかり狙って、虜にする。いつの間にかマリアナ様は、学園でも有名なアバズレ女認定されている事、本人は分かっていらっしゃらないのかしら?
64
お気に入りに追加
147
あなたにおすすめの小説
虐げられていた姉はひと月後には幸せになります~全てを奪ってきた妹やそんな妹を溺愛する両親や元婚約者には負けませんが何か?~
***あかしえ
恋愛
「どうしてお姉様はそんなひどいことを仰るの?!」
妹ベディは今日も、大きなまるい瞳に涙をためて私に喧嘩を売ってきます。
「そうだぞ、リュドミラ!君は、なぜそんな冷たいことをこんなかわいいベディに言えるんだ!」
元婚約者や家族がそうやって妹を甘やかしてきたからです。
両親は反省してくれたようですが、妹の更生には至っていません!
あとひと月でこの地をはなれ結婚する私には時間がありません。
他人に迷惑をかける前に、この妹をなんとかしなくては!
「結婚!?どういうことだ!」って・・・元婚約者がうるさいのですがなにが「どういうこと」なのですか?
あなたにはもう関係のない話ですが?
妹は公爵令嬢の婚約者にまで手を出している様子!ああもうっ本当に面倒ばかり!!
ですが公爵令嬢様、あなたの所業もちょぉっと問題ありそうですね?
私、いろいろ調べさせていただいたんですよ?
あと、人の婚約者に色目を使うのやめてもらっていいですか?
・・・××しますよ?
婚約破棄でみんな幸せ!~嫌われ令嬢の円満婚約解消術~
春野こもも
恋愛
わたくしの名前はエルザ=フォーゲル、16才でございます。
6才の時に初めて顔をあわせた婚約者のレオンハルト殿下に「こんな醜女と結婚するなんて嫌だ! 僕は大きくなったら好きな人と結婚したい!」と言われてしまいました。そんな殿下に憤慨する家族と使用人。
14歳の春、学園に転入してきた男爵令嬢と2人で、人目もはばからず仲良く歩くレオンハルト殿下。再び憤慨するわたくしの愛する家族や使用人の心の安寧のために、エルザは円満な婚約解消を目指します。そのために作成したのは「婚約破棄承諾書」。殿下と男爵令嬢、お二人に愛を育んでいただくためにも、後はレオンハルト殿下の署名さえいただければみんな幸せ婚約破棄が成立します!
前編・後編の全2話です。残酷描写は保険です。
【小説家になろうデイリーランキング1位いただきました――2019/6/17】
義妹に婚約者を取られて、今日が最後になると覚悟を決めていたのですが、どうやら最後になったのは私ではなかったようです
珠宮さくら
恋愛
フェリシティーは、父や義母、義妹に虐げられながら過ごしていた。
それも、今日で最後になると覚悟を決めていたのだが、どうやら最後になったのはフェリシティーではなかったようだ。
※全4話。
【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。
すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした
珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。
色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。
バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。
※全4話。
勘違いも凄いと思ってしまったが、王女の婚約を破棄させておいて、やり直せると暗躍するのにも驚かされてしまいました
珠宮さくら
恋愛
プルメリアは、何かと張り合おうとして来る令嬢に謝罪されたのだが、謝られる理由がプルメリアには思い当たらなかったのだが、一緒にいた王女には心当たりがあったようで……。
※全3話。
その令嬢は、実家との縁を切ってもらいたい
キョウキョウ
恋愛
シャルダン公爵家の令嬢アメリは、学園の卒業記念パーティーの最中にバルトロメ王子から一方的に婚約破棄を宣告される。
妹のアーレラをイジメたと、覚えのない罪を着せられて。
そして、婚約破棄だけでなく公爵家からも追放されてしまう。
だけどそれは、彼女の求めた展開だった。
元婚約者がマウント取ってきますが、私は王子殿下と婚約しています
マルローネ
恋愛
「私は侯爵令嬢のメリナと婚約することにした! 伯爵令嬢のお前はもう必要ない!」
「そ、そんな……!」
伯爵令嬢のリディア・フォルスタは婚約者のディノス・カンブリア侯爵令息に婚約破棄されてしまった。
リディアは突然の婚約破棄に悲しむが、それを救ったのは幼馴染の王子殿下であった。
その後、ディノスとメリナの二人は、惨めに悲しんでいるリディアにマウントを取る為に接触してくるが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる