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14話

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温室から出た私とリーア様は、とりあえず何を話せばいいのかわからなかったので一旦教室へと向かいましたわ。

今の時間ですと、帰宅しているかお茶を楽しんでいるか、のどちらかなので、誰もいないと思ったんですの。

その私の予想通り、教室には誰もいなくて話をするには絶好の場所ですわ。

そう思いながら、教室の椅子に座ると、リーア様は

「あ、あの........私なんかがこのクラスに入っても良いんでしょうか」

不安そうな顔をしながらそう聞いてきましたわ。

このクラス、というのは私の所属するSクラスに、ということですわね。

リーア様はCクラスなので遠慮しているんでしょう。

成績順でクラスが振り分けられていますが、まぁ、一応Sクラスはトップですわ。

一番下はFクラスなので、リーア様は特別頭が悪い、というわけでもないですし......気にしなくても良いんですけど。

なんて思いながら

「今は誰もいないし良いんじゃないかしら?先生も見たとして何も言ってきませんわよ」

と私が言うと

「じゃ、じゃあ......失礼します」

リーア様はなんだか緊張しながらも、キョロキョロしながら中に入ってきましたわ。

なんだか他のクラスって同じような作りなのに、雰囲気が違いますわよね。

戸惑うのもわかりますわ。

なんて思いながら、何とか椅子に座ったリーア様に

「このような騒ぎに巻き込んで申し訳ないですわ」

そう言って私が頭を下げると

「い、いえ!ジュリエッタ様のせいではありません!」

と言いながら頭を上げるように言われてしまいましたわ。

でも、リーア様だって何も悪くないのに私に謝ってくれましたもの。

私だってしっかりと謝罪しないと気が済まないですわ。

なので

「そうかもしれませんが、リーア様だって謝ってくれましたもの」

と言って苦笑すると、リーア様は一瞬驚いた顔をした後に、苦笑してしまいましたわ。

うーん.....困らせるつもりはありませんでしたが、そんな顔をさせてしまうのは申し訳ないのでもうやめましょう。

なんて思っている私に

「ジュリエッタ様は、私に対して何も嫌味を言ってきませんでしたよね」

と急にリーア様が言ってきましたわ。

これに関しては、嫌味なんて言う必要もなかったから、というのが私の考えだったので

「だってどう見てもリーア様が子息達を誑かしているなんて思えませんでしたもの。まぁ、しっかりと話をしたことがなかったので私の勘でしたけど」

と私が言うと

「そ、それに、私の噂を否定してくれていましたし.......っ!」

なんだか興奮気味にそう言われましたわね。

噂の否定ですか。

忘れていましたが確かにそのようなことをした記憶がありますわ。

確か、変にリーア様の噂を広めている人たちに

「私はそう思いませんけど...」

と否定していきましたのよね。

なんだか本人がいないのに悪口を言っている、というのが気に食わなかった、という記憶がありますわ。

でも、それをリーア様に言うのはなんだか違うと思って

「それはまぁ.........なんとなくですわ。結局噂が広まる方が早かったので意味はなかったですけどね」

と苦笑すると

「でも私、嬉しかったです!」

そう言ってきたリーア様は本当に嬉しかったみたいで、笑顔が輝いていますわ。

それに、取り巻きの人達......いや、付き纏っていた人達にもハッキリといえたのでスッキリしたんでしょうね。

これでリーア様の噂も良い方に変わってくれるでしょうし、私もなんだか嬉しいですわ。

なんて思っていると

「それで.......その........」

となんだかリーア様がモジモジとして下を向いていますわ。

これには思わず首を傾げてリーア様の言葉を待つと

「男爵令嬢ごときが何を言っているんだ、と思うかもしれませんが、私と友人になってくれませんか?」

と言われて驚いてしまいましたわ。

だって、私が言おうとしていたのを越されてしまいましたもの。

ですが、それと同時に私と同じことを思ってくれたんだ、と嬉しい気持ちにもなりましたわ。


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