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66話
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さて、やっと話も終わった、ということで、国に帰らないとですわね。
今頃、お父様も首を長くして待っていることでしょうし、お兄様もソワソワしていると思いますわ。
そう思った私は、話しにひと段落が付いたタイミングで、スッと椅子から立ち上がりましたわ。
本当はやってはいけないことなんですけどね。
ただ、このままだと話が長引いてしまっていつまで経っても帰宅することが出来ない、と思いましたのよ。
私が急に立ち上がったことで、陛下もリーファイ様も驚いた顔をしていましたがカイロス様はなぜ私がこのような行動をとったのか察してくれたみたいで
「あぁ、いい加減に帰らないと流石に遅くなってしまうか」
と言ってくれましたわ。
その言葉のおかげでキョトンとしていた2人も納得したように頷いてくれましたわね。
そのおかげで、私が
「では、1ヶ月後にまた来ますね」
と言ってニッコリと微笑むと、陛下は何も言わずに静かに頷いて、リーファイ様は
「あぁ、楽しみにしているよ」
と微笑みながら、私の肩に乗っているコシューミアの背中を優しく撫でていましたわ。
その姿を見て、ガルファーとディーヴァンの2人もスッと手を伸ばそうとしていましたが、やっぱり怖がられている、ということもあって遠慮していますわね。
これには思わず笑いそうになってしまいましたわよ。
ー-----------
帰宅する、ということでリーファイ様が竜専用の扉を開けてくれましたわね。
正直、今から王宮の門まで行って竜の姿になったディーヴァンに乗る、というのは結構面倒だったので感謝しかありませんわよ。
それに、ディーヴァンからしても地面から飛ぶよりも楽だ、といいことなんですのよね。
うーん.....お父様に頼んで我が家にも竜専用の入り口を作った方が良いんでしょうか?
今まではディーヴァンだけでしたし、特に何も言ってこないので気にしたことがなかったですが、コシューミアのことを考えると今よりも過ごしやすい場所を作ってあげたいですわよね。
なんて思っていると、既に竜の姿に戻っているディーヴァンに
「コシューミアはどうするんだ?」
と聞かれましたわね。
どうするんだ、というのはどこに入れておくのか、ということなんでしょうけど
「またリュックの中に入ってもらった方が良いかしら?」
そう言ってコシューミアを見ると、不思議そうに
「ぴぃ?」
と首を傾げていますわ。
うーん.....ついさっきまで寝ていた、ということもあって、目がしっかりと開いていますわね。
それなのにリュックの中に入れてしまうと暗闇の中で1人、ということなので、少し可哀そうにも思えてきますわ。
ですが、ずっと肩の上に乗っている、というのは不可能でしょうし.......。
そう思った私は、首を傾げているコシューミアに
「せっかくだし、ディーヴァンと一緒に飛んで帰る?」
と尋ねると、元気に
「ぴぃ!」
と返事をしてくれましたわ。
その横ではディーヴァンが嬉しそうに頬を緩めていましたが........まぁ、気付かないことにしておきましょうか。
今頃、お父様も首を長くして待っていることでしょうし、お兄様もソワソワしていると思いますわ。
そう思った私は、話しにひと段落が付いたタイミングで、スッと椅子から立ち上がりましたわ。
本当はやってはいけないことなんですけどね。
ただ、このままだと話が長引いてしまっていつまで経っても帰宅することが出来ない、と思いましたのよ。
私が急に立ち上がったことで、陛下もリーファイ様も驚いた顔をしていましたがカイロス様はなぜ私がこのような行動をとったのか察してくれたみたいで
「あぁ、いい加減に帰らないと流石に遅くなってしまうか」
と言ってくれましたわ。
その言葉のおかげでキョトンとしていた2人も納得したように頷いてくれましたわね。
そのおかげで、私が
「では、1ヶ月後にまた来ますね」
と言ってニッコリと微笑むと、陛下は何も言わずに静かに頷いて、リーファイ様は
「あぁ、楽しみにしているよ」
と微笑みながら、私の肩に乗っているコシューミアの背中を優しく撫でていましたわ。
その姿を見て、ガルファーとディーヴァンの2人もスッと手を伸ばそうとしていましたが、やっぱり怖がられている、ということもあって遠慮していますわね。
これには思わず笑いそうになってしまいましたわよ。
ー-----------
帰宅する、ということでリーファイ様が竜専用の扉を開けてくれましたわね。
正直、今から王宮の門まで行って竜の姿になったディーヴァンに乗る、というのは結構面倒だったので感謝しかありませんわよ。
それに、ディーヴァンからしても地面から飛ぶよりも楽だ、といいことなんですのよね。
うーん.....お父様に頼んで我が家にも竜専用の入り口を作った方が良いんでしょうか?
今まではディーヴァンだけでしたし、特に何も言ってこないので気にしたことがなかったですが、コシューミアのことを考えると今よりも過ごしやすい場所を作ってあげたいですわよね。
なんて思っていると、既に竜の姿に戻っているディーヴァンに
「コシューミアはどうするんだ?」
と聞かれましたわね。
どうするんだ、というのはどこに入れておくのか、ということなんでしょうけど
「またリュックの中に入ってもらった方が良いかしら?」
そう言ってコシューミアを見ると、不思議そうに
「ぴぃ?」
と首を傾げていますわ。
うーん.....ついさっきまで寝ていた、ということもあって、目がしっかりと開いていますわね。
それなのにリュックの中に入れてしまうと暗闇の中で1人、ということなので、少し可哀そうにも思えてきますわ。
ですが、ずっと肩の上に乗っている、というのは不可能でしょうし.......。
そう思った私は、首を傾げているコシューミアに
「せっかくだし、ディーヴァンと一緒に飛んで帰る?」
と尋ねると、元気に
「ぴぃ!」
と返事をしてくれましたわ。
その横ではディーヴァンが嬉しそうに頬を緩めていましたが........まぁ、気付かないことにしておきましょうか。
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