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60話

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さて、そんな感じでやっと静かになった応接室ですが、やっぱり2人ともコシューミアのことが気になっているみたいで、チラチラと私の様子を窺っていますわね。

2人とも、どうにかしてコシューミアを隠さないで欲しい、と思っているのがバレバレですが........まだ気付いていないふりをしておきましょう。

なんて思っていると、応接室の扉が開きましたわ。

皆で反射的にパッと扉に視線を向けると、そこには執務室で仕事をしているはずの陛下とリーファイ様、そして、呼びに行ってくれたカイロス様が立っていたんですが、皆竜の子供が気になっているんでしょうね。

応接室の中をキョロキョロとして、コシューミアの姿を探していますわ。

そんな姿がなんだか面白くて、思わず笑いそうになってしまいましたがグッと堪えていると

「竜の赤ちゃんがいると聞いたんだが..........」

私の思っていた通り、陛下が小さめの声ではありますがそう呟きましたわね。

当然ですが、ここにいる是認が竜の赤ちゃんを見たことがないので、興味津々という様子ですわ。

ただ、今のコシューミアは私の近くで隠れてしまっているので、どうにかしてコシューミアを皆に見える様にしたいんですが.....。

そう思いながらコシューミアを見ると、まだディーヴァンとガルファーに怯えているのか、私の髪の毛に隠れて小さくなっていますわね。

そんなコシューミアを優しく撫でながら

「えぇ、ここにいますわ」

と言って、さりげなく見える様な一に連れてこようとしますが、なかなかコシューミアは動きませんわね。

3人とも、どこにいるんだ、と不思議そうな顔をして私のことをジロジロと見ていますわ。

な、なんだかこんなにジロジロと見られることは滅多にないので少し緊張といいますか......どんな顔をしたらいいかわからなくなりますわね。

まぁ、私のことを見ているわけではありませんし、コシューミアを探すのに必死なので私の顔なんて見ていないということはわかっていますが.....。

わかっていても、一気に視線が向くと緊張しますわよね。

なんて思いながら、私のことを凝視している3人に

「さっきディーヴァンとガルファーが怖がらせてしまったので、隠れていますの」

と言って苦笑すると、少し離れたところから

「ちょっ.....」

という声が聞こえてきましたわ。

まさか私がそれを言ってしまうとは想像もつかなかったんでしょうね。

陛下とリーファイ様、カイロス様から一気に視線を向けられたガルファーは都合の悪そうな顔をしながら

「い、いや、俺だけのせいじゃなくて.......」

と必死に言い訳をしようとしていますわ。

ここからだと3人がどのような顔をしているのかわかりませんが......ガルファーだけではなくディーヴァンも顔が強張っているので、きっと相当怖い顔をしているんでしょう。

そう思いながら、ずっとこのまま隠れているわけにもいかない、ということで

「コシューミア、出てきても大丈夫ですわよ。ここにいる人達は皆優しい人ばかりですわ」

とコシューミアに声をかけてみましたわ。

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