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54話 フレグリッドside
しおりを挟むなぜ俺よりも爵位の低いやつに、このようなことを言われなければならないのか。
そう思った俺は、バカにしたように笑うブブタス公爵を思い切り睨みつけてやった。
だが、奴からするとそんな俺の行動も楽しませることの1つだったようで
「いやー.......あのアリスティア様のことを罵倒していたので、相当お勉強をサボっていたんだろう、とは思いましたが、まさかこれほどまでとは」
面白そうに笑いながらそう言ってきたではないか。
完全に俺のことをバカにしている、といのが伝わってきて腹立たしいが......何よりも、この男があのアリスティアと言っているのを見ると、俺が知らないだけでアリスティアは相当凄い奴なのか?
いや、だが奴は竜と契約をしているだけのただの女だ。
父上やブブタス公爵が大げさに言っているだけだろう。
そう思った俺は、ブブタス公爵を鼻で笑った後に
「なぜ奴がそこまで重宝されているのか理解が出来ないな。たかが竜騎士だろ?」
と言ってやった。
まぁ.....この国には竜騎士という存在がなかったからな。
だからアリスティアを重宝しているんだろう。
なんて思いながらブブタス公爵を見ると、俺の言葉に
「たかが竜騎士、ですって.........?」
と驚いた顔をしているではないか。
なんだ?別に本当のことを言っただけだが、なぜそんな顔をしているんだ?
これには思わず首を傾げてブブタス公爵が何を言うか、言葉を待っていると、
「あのですね、竜騎士というのはなりたいからと言ってなれるものではありません。しっかりと知識と実力がないといけないものなんですよ」
そう言ったブブタス公爵は信じられないものでも見る様な目で俺を見ているな。
確かに、竜騎士になるためには色々と条件がある、というのは昔聞いたことがある。
テストのようなものがあって、それに受からないと竜と契約することも出来ない、とか言っていたな。
だが
「それは知っているが......女にでもなれるような称号だぞ」
ブブタス公爵はさっきから竜騎士の凄さを俺に言って来るが、正直全く理解が出来ない。
そもそも、女がなれるなら剣術のテストで上位にいた俺でもなれるんじゃないか?
なんて思っていると、ブブタス公爵は目を大きく見開いてこう言ってきた。
「さっきから何を言っているんですか?アリスティア様はこの国の中でも一位、二位を争うほど剣術の実力者ですよ」
流石にこの言葉はなかなか理解できなくて固まってしまったが.......は?
アリスティアが国の中でも一位二位を争うほどの実力者?
「いやいや、そんなわけがないじゃないか。確かにこの国は剣術の実力はいまいちだが、それでも実力者は多くいるんだぞ?」
あまりにも信用できない話だから、そう言ったが、俺の反応を見たブブタス公爵は
「いえ、本当の話ですよ。陛下は知らないと思いますが陛下が主催の剣術大会で優勝していますからね。しかも圧倒的に」
と言った後に、付け足すように
「ちなみに、二位は陛下の護衛ですよ」
そう言ってきたではないか。
一応陛下の護衛.....つまり父上の護衛というのは国の中で実力がトップだったやつを選んでいる、と聞いたことがある。
そんな護衛を相手にアリスティアが勝っただと......?
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