どうやら我が家は国に必要ないということで、勝手に独立させてもらいますわ~婚約破棄から始める国づくり~

榎夜

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14話

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色々と思うことはありますが、とりあえずは婚約破棄することが出来た、ということで喜んでおくしかありませんわよね。

だって、今更グダグダ言ってももう遅いですものね。

そう思った私は、途中で読むのが止まっていた書類と再び読み始めましたわ。

さて、書類の続きですが.......えーっと......次に書いてあるのは我が家の現状、ということですわね。

私の婚約が白紙になった、ということで、元々計画を立てていた独立の件は話を進めても良くなった.....とのことですわ。

この件に関しては、領民たちも納得していることですし、そもそも我が家の領地自体、この国の物ではありませんからね。

国にとって少し兵士が少なくなる、というくらいで、大きな被害はないと思いますわ。

というのも、この領地は最初から独立していて、どこかの国......というよりどこの国にも所属していない土地だったらしいんですのよ。

ただ、当然ですが土地を管理といいますか.....まとめ役的な存在はしっかりといて、それが我が家の先々代のー......いわゆる初代というやつですわね。

まぁ、私も詳しくはわかりませんが、初代が当時の国の陛下と何かしらのやり取りをして、それで辺境伯という形で貴族として迎え入れられたのが最初らしいですわ。

その時の契約で、我が家の領地は我が家の物で、国の物ではない、ということもしっかりと誓約書に書いているらしく、とりあえず我が家はすぐにでも独立できる環境にいる、ということになっています。

ですが、私としては1つ気になることがあって

「我が家に協力をしていた貴族たちはどうなりますの?」

とお父様に聞くと

「あー.......とりあえずは、報告だけする、という形になるだろうな」

なんとも言えないような表情でそう言うと、お兄様も

「まぁ、流石に領地を持っているんだから自由には動けないしね」

苦笑しながらそう言っていますわ。

こればかりは仕方がありませんわよね。

なんて思いながら、

「もし、一緒に来たい、と言ったらどうしますの?」

お兄様にそう尋ねると

「うーん......手段としては2つあるかな」

そう教えてくれましたわ。

とはいえ、表情的にあまりいい方法ではないんでしょうね。

お兄様の表情が眉間に皺を寄せて、複雑そうな顔をしていますわ。

ただ、2つの手段というのは凄く気になりましたが、お兄様がなかなか話してくれないので、助けを求める様にお母様の顔を見ると、私が言いたいことをすぐに察してくれて

「そうね。1つは領地を返納して私たちの従者、または領民としてついてくる。2つ目は国から領地を買い取る、という感じかしら?」

ニコニコと微笑みながらそう教えてくれましたわ。

これは、なるほど....ですわよね。

だって、書いとるなんてことが出来るのは知りませんでしたし.....従者か領民としてついて来て、領地を広くしてから爵位を与えるものだと思っていました。

まぁ、領地を広げるなんて、そんなに簡単な話ではないでしょうけど........。


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