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12話
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さて、メイドに手伝ってもらいながら無事に準備を終えた私は、すぐにお父様達の待つ執務室へと向かいましたわ。
本当は朝ご飯を食べてから、と言いたいところでしたが、どうやらそんな時間もなさそうですしね。
後からサンドイッチでも持ってきてもらおうかしら?
そんなことを思いながら、執務室の中に入りましたわ。
すると
「あぁ、やっと来たか」
「アリスティアも昨日は疲れただろうしね。もう少し時間がかかると思っていたよ」
「まぁ、まだ寝起きの顔をしているけどね」
お父様、お兄様、お母様の順でそう声をかけてきましたが、3人の表情はなんだか晴れやかですわね。
この表情.......
「もしかして、3人とも朝稽古をしてきましたの?」
羨ましさと、申し訳なさの半々でそう尋ねると、3人とも、口では言いませんでしたが、もちろん、とでも言っているかのように、顔を見合わせて笑っていましたわ。
えぇ.......だったら私のことも起こしてくれていいと思いません?
いくら昨日想定外な事があって疲れていたとしても、剣を振りたかったですわよ。
そう思いながら、お父様達を見ると私の言いたいことを察したのか、お兄様が
「まぁまぁ、話し合いが早く終わったら稽古に付き合うから」
と言ってくれましたわ。
これは嬉しい申し出ですわね。
最近、お兄様と手合わせをしていなかったですし.....。
そう思った私は、お兄様に
「約束ですわよ?」
というと、優しく微笑みながら頷いてくれましたわ。
まぁ、とりあえず稽古に関しては終わってしまったんですから仕方がありませんわよね。
今は話し合いの方に集中しましょう。
そう思いながらお父様を見ると、私の視線を合図に
「さて、じゃあとりあえず現状の確認からしてみようか」
と言って、お父様は机の上から数枚の紙を私たちの前に置きましたわ。
その紙には、お父様が元々考えていたこと、そして今の現状が物凄くわかりやすく書かれていて、昨日の今日で用意できるとは思えないほどしっかりとした文が書かれていますわ。
なので、思わず
「もしかして、昨日の夜にこれを書きましたの?」
と聞いてみましたわ。
だって、昨日の話し合い?が終わった時間も結構遅い時間でしたのよ?
お父様だってディーヴァンに乗っての移動とはいえ、相当疲れているはずなのに.......凄いとしか言えませんわ。
私の質問にお父様は苦笑しながら
「まぁ、手伝ってもらいながらだけどな」
とお母様を見ていますが、
「こういう作業が好きだから私は楽しかったですわよ」
そう言ったお母様は本当に楽しかったみたいで、うふふ、と優雅に笑っていますわね。
この様子を見ると、多分ほとんどお母様が考えて、お父様が字を書いた、という感じなんじゃないでしょうか?
ただ、それでも凄いのは変わらないので
「結構遅い時間だったと思いますが、凄いですわね.........」
と呟くと、私の言葉に
「父上って変なところで気合が入るんだよね」
お兄様はそう言って苦笑していますわ。
まぁ、言っていることは物凄くわかりますけどね。
そこもまた、お父様の良いところ、と思いましょう。
本当は朝ご飯を食べてから、と言いたいところでしたが、どうやらそんな時間もなさそうですしね。
後からサンドイッチでも持ってきてもらおうかしら?
そんなことを思いながら、執務室の中に入りましたわ。
すると
「あぁ、やっと来たか」
「アリスティアも昨日は疲れただろうしね。もう少し時間がかかると思っていたよ」
「まぁ、まだ寝起きの顔をしているけどね」
お父様、お兄様、お母様の順でそう声をかけてきましたが、3人の表情はなんだか晴れやかですわね。
この表情.......
「もしかして、3人とも朝稽古をしてきましたの?」
羨ましさと、申し訳なさの半々でそう尋ねると、3人とも、口では言いませんでしたが、もちろん、とでも言っているかのように、顔を見合わせて笑っていましたわ。
えぇ.......だったら私のことも起こしてくれていいと思いません?
いくら昨日想定外な事があって疲れていたとしても、剣を振りたかったですわよ。
そう思いながら、お父様達を見ると私の言いたいことを察したのか、お兄様が
「まぁまぁ、話し合いが早く終わったら稽古に付き合うから」
と言ってくれましたわ。
これは嬉しい申し出ですわね。
最近、お兄様と手合わせをしていなかったですし.....。
そう思った私は、お兄様に
「約束ですわよ?」
というと、優しく微笑みながら頷いてくれましたわ。
まぁ、とりあえず稽古に関しては終わってしまったんですから仕方がありませんわよね。
今は話し合いの方に集中しましょう。
そう思いながらお父様を見ると、私の視線を合図に
「さて、じゃあとりあえず現状の確認からしてみようか」
と言って、お父様は机の上から数枚の紙を私たちの前に置きましたわ。
その紙には、お父様が元々考えていたこと、そして今の現状が物凄くわかりやすく書かれていて、昨日の今日で用意できるとは思えないほどしっかりとした文が書かれていますわ。
なので、思わず
「もしかして、昨日の夜にこれを書きましたの?」
と聞いてみましたわ。
だって、昨日の話し合い?が終わった時間も結構遅い時間でしたのよ?
お父様だってディーヴァンに乗っての移動とはいえ、相当疲れているはずなのに.......凄いとしか言えませんわ。
私の質問にお父様は苦笑しながら
「まぁ、手伝ってもらいながらだけどな」
とお母様を見ていますが、
「こういう作業が好きだから私は楽しかったですわよ」
そう言ったお母様は本当に楽しかったみたいで、うふふ、と優雅に笑っていますわね。
この様子を見ると、多分ほとんどお母様が考えて、お父様が字を書いた、という感じなんじゃないでしょうか?
ただ、それでも凄いのは変わらないので
「結構遅い時間だったと思いますが、凄いですわね.........」
と呟くと、私の言葉に
「父上って変なところで気合が入るんだよね」
お兄様はそう言って苦笑していますわ。
まぁ、言っていることは物凄くわかりますけどね。
そこもまた、お父様の良いところ、と思いましょう。
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