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288話

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情けなく私に頭を下げている叔父様に、

「何度でも言いますが、叔父様がここに住むことは不可能です。今までの自分の行動を考えてくださいませ」

冷たくそう言い放ちましたわ。

いや、むしろここまでハッキリと言われてなお、引き下がらないのであればそれもそれで凄いですわよね。

私だったら、ここまで言われてしまう前に引いてしまうと思いますが.....まぁ、流石の叔父様も諦めてくれますわよね。

そう思いながら、呆れ半分で叔父様を見ると、驚きなことに

「そ、そんなことを言ってもいいのか?離婚した今、俺もこの家の領主になる権利があるんだぞ」

ついさっきまで縋るような目で私を見てきて頭を下げていたというのに、今の叔父様は、まるで憎いものでも見るかのような、そんな鋭い目をしながらニヤッと嫌な笑みを浮かべましたわ。

これには少しゾッとしましたわよ。

だって、まさかこのような状況で脅してくるとは思わないじゃないですか。

もしかして、叔父様ってあの2人に負けないくらいのおバカさんなんじゃないですかね。

なんて思いながら、咄嗟に出てきた言葉は

「だからなんですの?」

でしたわ。

いや、まさか私もそのような言葉が出て来るとは思ってもいなかったので、言ってしまった後にマズいと思いましたが、出てしまった言葉が取り消せるわけもなく、一瞬私の言葉に驚いた叔父様でしたが、すぐに

「お前が年齢の問題で領主になれない間に、俺が正式にここの領主になることも出来る、ということだ」

嫌な笑みを浮かべたまま、そう言ってきましたわ。

うーん......まぁ、確かにその通りなんですのよね。

ただ、今の私の年齢的には領主になれなくても、今までの実績と年齢、それからお父様の娘、ということを考えたら叔父様より、私の方が後継ぎとして優先されますのよ。

それを知っていての発言なんでしょうか?

なんて思いながら、得意げに笑みを浮かべる叔父様に

「あら、脅しですの?」

と言って首を傾げると顔色を少し悪くさせて黙り込んでしまったので、

「そんなことをしたら陛下はどんな反応をするでしょうね?」

そう言って微笑むと青かった顔は一瞬で白く変わって、下を向いてしまいましたわ。

その反応を見ると、陛下に言ったらどのような状況になるのか理解は出来ているみたいですわね。

まぁ、お父様が亡くなってから殿下との関りが少なくなっていたので、すっかり忘れていたんでしょうけど。

とにかく、どうにかしてでも我が家に居続けようと考える叔父様にはうんざりですわね。

こうなったら叔父様には期限を伝えて、明日陛下達のところに行ったついでにこの件を話しておいた方が良いかもしれませんわ。

そう思った私は、下を向いて黙り込んでしまった叔父様に

「今すぐとは言いませんわ。3日後までにこの家を出て行ってください」

と言いましたわ。

すると、私の言葉は想定外だったみたいで叔父様は目を血走らせながら

「なっ.....離婚して行く当てのない叔父を追い出すというのか!?」

と叫んできましたわ。

そんな叔父様に対して、私は慈悲のかけらもなくこう言いましたの。

「自分の意思で離婚したんですから私には関係ありませんわ」
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