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264話 レオンハルトside

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僕が話をした内容、というのは、ユースティン様がまるでセリスティア様に喧嘩を売っているかのような、そんな行動をしていた、ということなんだけど、当然ながら普段のユースティン様を知っている夫人は、僕の話に対して

「はぁ!?」

と驚いた声をあげながら頷いていたけど、話が進むにつれて

「あー……なるほど…………そういうこと……」

となぜか納得したかのような、そんな反応をしていた。

正直、話をしていて何に頷いているのかわからないけど……ユースティン様と同じく女性だ、ということもあって何かしら思うことがあるんだろうか?

そう思いながら、夫人の隣で話を聞いていたブレイド様にチラッと視線を向けると、何故かわからないけど夫人と同じような表情をしながら

「あー…………」

となんとも言えない複雑そうな顔をしていた。

流石に2人から同じような反応をされると、なぜそんな顔をされるのか気になった僕は、

「え、えーっと……2人とも、どうしたんですか?」

思わず首を傾げながらそう質問をすると、一瞬顔を見合わせた2人は、物凄く複雑そうな表情を僕に向けながら

「いや、ユースティン様がなぜそのような行動をとってしまったのか、わかったけど言ってもいいのか、と思いまして……」

「まぁ、知らないよりかは知っている方がいいとは思うけど」

と言ってきた。

……えっと、言ってもいいのか、というのが正直なぜ?と疑問に思うところだけど、もしユースティン様の訳分からない行動についてわかることがあるなら、ぜひ教えて欲しい。

そう思った僕は、しっかりとブレイド様の目を見て小さく頷くと、ブレイド様はチラッと夫人を見た後にこう言ってきた。

「俺の口から言っていいのかわかりませんが、ユースティン様はレオンハルト様のことが好きなんですよ。なので急に現れたセリスティアが邪魔で仕方がないんだと思います」

しかも、そんなブレイド様に続くかのように

「多分だけど、パーティーでの行動は私の方がレオンハルトのことを知っているわ、みたいな感じでセリスティアに見せつけたかったんでしょうね」

という夫人は自信満々というか……最初に多分とは付いているものの確信を持ってそう言っているようにしか聞こえなかった。

え、えーっと……つまり、2人の言っていることを簡単に言うと…………ユースティン様は僕に好意をもっていた、ということだよね?

い、いやいや……そんなこと絶対にありえない話だ。

だって、ユースティン様とは幼い頃からの付き合いだけど、そのような素振りは見たことがなかったし……なにより、僕の婚約者候補、なんていわれていた事に関して謝罪までしてきたくらいで……。

とりあえず、2人の考えは違うとしか思えなかった僕は

「で、ですが、ユースティン様とは長い付き合いとはいえ、そのような話は1度も……」

となんとか否定をしようとしたけど、そんな僕の言葉を遮るように

「私の予想だけど、他の令嬢と同じような立ち位置にならないよう、必死だったんじゃないかしら?」

夫人は首を傾げながらそう言った。

他の令嬢と同じような立ち位置?

いや、そもそも幼馴染だ、という時点で最初から他とは少し違う立場だと思うんだけど……。

夫人は一体、何を言いたいんだ?
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