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248話 義父side
しおりを挟むユーミアが俺の言葉を聞いてどのような反応をするのか、大体想像は出来るが期待が1割くらいで待っていた。
俺に言われたことを理解するのに時間がかかっているみたいだからな。
今まで見たこともないくらいアホ面をして固まってしまっている。
そんなユーミアを無表情で眺めながら、謝罪してくれるのか、それとも訳のわからないことを言って来るのかと思っていると、やっと言われたことを理解したんだろうな。
急にハッとした顔をしたユーミアは、徐々に顔を真っ赤にさせて体を徐々にプルプルと震わせ始めた。
多分だが、俺にここまでハッキリと言われたことに対して少しずつ苛立ってきたんだろうな。
ただ、今更だな、としか思わないくらいにはユーミアに対して興味がなくないんだけど。
なんて思っていると、俺の想像通り顔を真っ赤にしたユーミアは口をパクパクとさせて
「な.....なっ........」
と言葉にならないような声を出している。
そんなユーミアに、俺は追い打ちをかけるかのように
「言われたことが理解出来ないか?今までの自分の行動を思い出したら俺に謝罪しようと思うのが普通だと思うんだけどな」
わざとらしく、はぁ.....とため息をつきながらそう言うと、ユーミアは顔を真っ赤にしたまま
「なんで私があんたなんかに謝罪をしないといけないのよ!大体、謝罪してほしいとか言うけど私に対して何も言ってこなかったのはそっちでしょう!?」
良い年齢になったにも関わらず、ヒステリックに叫ぶ姿は見ていてみっともない、としか思えないな。
なんて思いながら、興奮しているのか少し息を切らしてしまっているユーミアを俺はただただ冷たい目で見て
「何も言わなかったのは言っても無駄だと思って諦めていたからだ」
冷たく吐き捨てる様にそう言うと、ユーミアは驚いたのか目を大きく見開いた。
そんなユーミアに対して、俺は言葉を続けた。
「じゃあ聞くが、俺がやめて欲しい、と言ったらユーミアは自分の行動を改めたのか?昔、軽くではあったが注意をしたら俺のことを小馬鹿にして終わっただろう」
そう言うと、当時のことを思い出したのかユーミアは都合の悪そうな顔をして
「そ、それは......」
と視線を逸らしてしまった。
そう.......こう見えても結婚した当初はユーミアのこの自由奔放な性格をどうにかしようとしたことがあるんだ。
それなのに、ユーミアはそんな俺のことをうっとおしそうに睨みつけて、挙句の果てに
「結婚したからっていい気にならないでくれる?」
とまで言ってきた。
そんなことを毎回のように言われると諦めてしまうだろう。
ユーミアの親になるために結婚したわけでもなければ、俺だって精神的に強いような人ではないからな。
なんて思いながら、真っ赤だった顔が徐々にもとに戻っていくユーミアを確認した後に
「まぁ、謝罪をするつもりがないことはよくわかった」
と言って背中を向けると、何を思ったのか
「どこに行くのよ!」
と俺を引き留める様に声をかけて来たから
「明日家を出るんだ。片付けをするに決まっているだろう」
そう言ってユーミアの部屋を後にした。
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