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235話
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国に帰ることになっている前日、私の手には一通の手紙が握られていましたわ。
というのも、今日の朝に殿下からの手紙と一緒に届いたものなんですが、送ってきた人の名前を見て驚いてしまいましたのよね。
「これ......何が書かれていると思う?」
そう言って、名前が書かれている部分をユーリにも見せながら尋ねると
「なんでしょう.......領地経営が大変だから戻ってこい、とか、そんな感じでしょうか?」
と言って、私と同様に思いっきり眉間に皺を寄せていますわ。
まぁ、そうですわよね、という感じなんですが。
私とユーリが思わず眉間に皺を寄せてしまう相手........手紙の送り主というのは子爵....いや、叔父様だったんですのよね。
一応、この手紙を開ける前に殿下からの手紙も読ませてもらいましたが、叔父様が送りたい、と言ったから送ったけど読むか読まないか、は任せると書かれていましたわ。
きっと殿下と陛下はこの手紙の内容を見てから私に送ってきていると思っているので、読んでも大丈夫な内容だ、というのは確かなんですのよね。
ただ、叔父様からの、というのが読む気のなくなる.......い、いや、別に叔父様が嫌いなわけではありませんわよ?
領地経営も私の自由にさせてもらっていましたし、婚約破棄されるたびに新しく婚約者を用意してくれて叔父様なりに私のことを考えているのはわかりますのよ。
ただ、あの人たちに対しては何もしないと言いますか.....自分の妻と娘を蔑ろにしすぎていて、その結果私に被害が、ということを考えると好きにはならないんですのよね。
うーん......改めて叔父様の立場や立ち位置を考えてみたら、難しいのかもしれませんけどね。
なんて思いながら、封筒をジッと見つめていると
「でも、お母さんからの手紙には子爵は物凄く反省していて、お母さんたちにも謝罪をしに来た、って書いてありましたよ?」
ミリアが布団のカバーを抱えながらそう言いましたわね。
というのも、一昨日メイド長から手紙があって、家の状況は聞いていましたのよ。
その際に叔父様が急に侯爵家に来たかと思ったら、お屋敷に残っている従者たち全員に深々と頭を下げて謝罪して回ったんだとか..........。
これには
「まぁ、メイド長が嘘をつくとは思えないから本当のことなんでしょうけど、なぜこのタイミングなのかしら?しかも謝罪って......なんの謝罪なんでしょう?」
というのが私の本音ですわね。
だって、今更になって謝罪って.......何のための謝罪なのか、何を思っての謝罪なのか。
こう言ったら可哀そうかもしれませんが、私からすると何を意味しているのかさっぱりわかりませんわ。
そう思いながら苦笑していると、私の言葉にミリアは
「私も詳しくはわかりませんが、今まで申し訳ない、みたいな感じだった、とのことです」
と言ってつられて苦笑していますが、今までのことの謝罪、って、それこそ今更過ぎますのよ。
もしかして、この手紙も訳のわからない謝罪、とかそんな感じなんでしょうか?
そう思った瞬間、開けるか捨てるか、で悩んでいましたが急にこの手紙がいらなく思えてきましたわね。
ですが、そんな私に対して今までのやり取りを見ていたディアが
「とりあえず、開けてみましょうよ!読んでみないと始まりませんよ!」
と言ってニッコリと満面の笑みでペーパーナイフを渡してきましたわ。
というのも、今日の朝に殿下からの手紙と一緒に届いたものなんですが、送ってきた人の名前を見て驚いてしまいましたのよね。
「これ......何が書かれていると思う?」
そう言って、名前が書かれている部分をユーリにも見せながら尋ねると
「なんでしょう.......領地経営が大変だから戻ってこい、とか、そんな感じでしょうか?」
と言って、私と同様に思いっきり眉間に皺を寄せていますわ。
まぁ、そうですわよね、という感じなんですが。
私とユーリが思わず眉間に皺を寄せてしまう相手........手紙の送り主というのは子爵....いや、叔父様だったんですのよね。
一応、この手紙を開ける前に殿下からの手紙も読ませてもらいましたが、叔父様が送りたい、と言ったから送ったけど読むか読まないか、は任せると書かれていましたわ。
きっと殿下と陛下はこの手紙の内容を見てから私に送ってきていると思っているので、読んでも大丈夫な内容だ、というのは確かなんですのよね。
ただ、叔父様からの、というのが読む気のなくなる.......い、いや、別に叔父様が嫌いなわけではありませんわよ?
領地経営も私の自由にさせてもらっていましたし、婚約破棄されるたびに新しく婚約者を用意してくれて叔父様なりに私のことを考えているのはわかりますのよ。
ただ、あの人たちに対しては何もしないと言いますか.....自分の妻と娘を蔑ろにしすぎていて、その結果私に被害が、ということを考えると好きにはならないんですのよね。
うーん......改めて叔父様の立場や立ち位置を考えてみたら、難しいのかもしれませんけどね。
なんて思いながら、封筒をジッと見つめていると
「でも、お母さんからの手紙には子爵は物凄く反省していて、お母さんたちにも謝罪をしに来た、って書いてありましたよ?」
ミリアが布団のカバーを抱えながらそう言いましたわね。
というのも、一昨日メイド長から手紙があって、家の状況は聞いていましたのよ。
その際に叔父様が急に侯爵家に来たかと思ったら、お屋敷に残っている従者たち全員に深々と頭を下げて謝罪して回ったんだとか..........。
これには
「まぁ、メイド長が嘘をつくとは思えないから本当のことなんでしょうけど、なぜこのタイミングなのかしら?しかも謝罪って......なんの謝罪なんでしょう?」
というのが私の本音ですわね。
だって、今更になって謝罪って.......何のための謝罪なのか、何を思っての謝罪なのか。
こう言ったら可哀そうかもしれませんが、私からすると何を意味しているのかさっぱりわかりませんわ。
そう思いながら苦笑していると、私の言葉にミリアは
「私も詳しくはわかりませんが、今まで申し訳ない、みたいな感じだった、とのことです」
と言ってつられて苦笑していますが、今までのことの謝罪、って、それこそ今更過ぎますのよ。
もしかして、この手紙も訳のわからない謝罪、とかそんな感じなんでしょうか?
そう思った瞬間、開けるか捨てるか、で悩んでいましたが急にこの手紙がいらなく思えてきましたわね。
ですが、そんな私に対して今までのやり取りを見ていたディアが
「とりあえず、開けてみましょうよ!読んでみないと始まりませんよ!」
と言ってニッコリと満面の笑みでペーパーナイフを渡してきましたわ。
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