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234話
しおりを挟むその後、レオンハルト様とシャリア様とお話をして、解散、ということになったのはいいですが.....どうやらシャリア様も色々と問題を抱えているみたいですわね。
正直、私がシャリア様の立場だったら逃げ出していますわよ。
だって、婚約者が決まっていなくてー.....というのは知っていることでしたが、ここ最近は陛下が
「王子の中で一番マシな奴を選んでくれてもいいぞ」
なんてことを言っているらしいんですの。
仮にも次期国王を決めるんですのよ?
それなのに、全てシャリア様に任せる、って........荷が重いにも程がありますし、心の底から勘弁してほしいですわよね。
しかも、少し複雑なのがシャリア様としては、自分で選ぶなら年齢が一緒で関わることも多いジャミン様を、と思うんですが、そうなると第一王子がどうなってしまうのか、と考えたら言い出せない、とのことなんですのよね。
はぁ.......正直これは完全に陛下が悪い、としか言えませんわよ。
ただ、少し考えかたを変えると、陛下も王妃も、それほどまでにシャリア様を信用していて、頼りにしている、ということなんでしょうね。
だからこそ、このようなことをしているのであって、誰に対しても出来るわけではない.......と思いますわ。
あぁ、ちなみにここでそのようなことを話した、というのは内緒にしておいて欲しい、とのことなので、これは私の心の中に秘めておかないと、ですわね。
まぁ、そもそも私には言いふらすような人もいませんし、心配しなくても大丈夫だ、とシャリア様もわかっているでしょうけど。
そう思いながら、私の斜め後ろを歩くユーリに
「ここから侯爵家だとどれくらい時間がかかったかしら?」
今考えていたことと全く関係のない話題をふりましたわ。
というのも、誰にも話さないように、と言われた話題なので、出来るだけ頭の片隅に追いやっておいた方が思い出さなくて済みますからね。
どうせこの話はしないといけないと思っていましたし、ということでの話題ですわ。
急に話しかけられたユーリは、というと一瞬驚いた顔をしていましたが、すぐに
「1週間もかからなかった、と記憶していますが.....」
と返事をしてくれましたわね。
この国に逃げてきたのは半年前ですが、随分と時間が経ったような気がしますのよね。
既にこの国に3年ほどは住んでいるような、そんな感覚があるので、凄く違和感を感じますわ。
なんて思いながら、持ってきた鞄の大きさを思い出しながら
「そうよね?だとしたら洋服はー.......3着くらいで良いかしら?」
と呟くと
「旦那様が食料はしっかりと用意してくれる、と言ってくれているので、今回は前回より早く到着できそうです」
ユーリが嬉しそうにそう言いましたわね。
確かに、ここに来るときは食料を馬車に積んでいなかったので、途中で調達をしないといけなかったんですのよね。
なので急いでも多少、時間がかかってしまいましたのよね。
今回はそれがなくなる、ということなので、物凄くありがたいですわ。
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