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220話
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私の話を聞いたレオンハルト様は、眉間に皺を寄せながらではありますが、静かに頷きながらしっかりと話を聞いていてくれましたわ。
正直、話をしている間カティ様の悪口を言っているような感覚になって複雑な気持ちになりましたが.....仕方がないですわよね。
そもそも、カティ様が私に喧嘩を売ってくるような、バカげたことをしなければカティ様の本当の気持ちも気づくことなく、そして悪い印象も持たずに済んだんですけど.....。
なんて思っていると、話を聞き終えたレオンハルト様が
「だから、僕も警戒しておくように、と言ったはずだよ」
と少し呆れたような顔でそう言われましたわね。
確かに、レオンハルト様からはカティ様について多少ではありますが言われていたのは覚えていますわ。
私も忘れていたわけではありません。
ですが、その話を聞く前に関りがあった、ということで、心のどこかでカティ様は私に対してあのようなことはしない、と思っていましたのよね。
なので、今回の結果は本当に残念ですわ。
ただ、レオンハルト様と伯母様に注意されていたのに油断していたのは私の責任なので、しっかりと謝罪はしましたよ。
さて、足は簡単にですが治療してもらえましたし、どうせパーティーに戻ることは出来ない、ということで私はこのまま帰宅ということになるんでしょうか?
流れ的に、私とレオンハルト様は一緒に帰ることになるんでしょうけど、やっぱり会場にいる人達が帰宅してからの方が良いんでしょうかね?
そう思いながら、どのような判断をするのか、と伯母様に視線を送りましたわ。
すると、それとほぼ同時くらいにコンコンと客室をノックする音が聞こえてきましたわね。
まさか、人が来るとは思ってもいませんでしたが.......もしかして伯母様は人が来るのを待っていたんでしょうか?
そう思った私は、首を傾げながらですが、中に入ってくる人のことを見つめましたわ。
すると
「足の様子はどうだ?」
なんと、そう言って陛下が応接室の中に入ってきたではありませんか。
ま、まぁ....王宮の一室を借りているので、私が足を怪我した、ということは陛下の耳に入りますわよね。
それは当然だと思いますわ。
ですが、まさか陛下が私の様子を見に来るとは思わないですし、てっきりパーティーの後は、他の貴族達と話をしたり仕事をするために執務室に行くだろう、と思っていましたわ。
なので、本当に驚いて足の様子を聞かれているのに言葉に詰まらせてしまいました。
伯母様も陛下が来るのは想定外だったみたいで
「わざわざ陛下が来てくれるとは思わなかったわね。何かあったのかしら?」
と首を傾げていますし......隣のレオンハルト様もそんな伯母様の言葉に頷いていますわ。
そんな私たちに思わず苦笑している陛下ですが、
「あぁ、シャリア嬢とセリスティア嬢が友人になった、と聞いてな」
そう言って私を見てきた陛下の顔を見ると、興味津々だというのが伝わってきましたわ。
........え?もしかしてシャリア様と友人になっただけなんですが、相当凄いことなんですの?
伯母様とレオンハルト様の話を聞いて、珍しい事だ、というのはわかったんですが、陛下まで聞いてくるのは少し異常といいますか.......驚きですわよ?
なんて思いながら、助けを求める様に伯母様に視線を送ったんですが、陛下の言葉に
「やっぱりその話は気になるわよね」
と頷いていますわね。
正直、話をしている間カティ様の悪口を言っているような感覚になって複雑な気持ちになりましたが.....仕方がないですわよね。
そもそも、カティ様が私に喧嘩を売ってくるような、バカげたことをしなければカティ様の本当の気持ちも気づくことなく、そして悪い印象も持たずに済んだんですけど.....。
なんて思っていると、話を聞き終えたレオンハルト様が
「だから、僕も警戒しておくように、と言ったはずだよ」
と少し呆れたような顔でそう言われましたわね。
確かに、レオンハルト様からはカティ様について多少ではありますが言われていたのは覚えていますわ。
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ですが、その話を聞く前に関りがあった、ということで、心のどこかでカティ様は私に対してあのようなことはしない、と思っていましたのよね。
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ただ、レオンハルト様と伯母様に注意されていたのに油断していたのは私の責任なので、しっかりと謝罪はしましたよ。
さて、足は簡単にですが治療してもらえましたし、どうせパーティーに戻ることは出来ない、ということで私はこのまま帰宅ということになるんでしょうか?
流れ的に、私とレオンハルト様は一緒に帰ることになるんでしょうけど、やっぱり会場にいる人達が帰宅してからの方が良いんでしょうかね?
そう思いながら、どのような判断をするのか、と伯母様に視線を送りましたわ。
すると、それとほぼ同時くらいにコンコンと客室をノックする音が聞こえてきましたわね。
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すると
「足の様子はどうだ?」
なんと、そう言って陛下が応接室の中に入ってきたではありませんか。
ま、まぁ....王宮の一室を借りているので、私が足を怪我した、ということは陛下の耳に入りますわよね。
それは当然だと思いますわ。
ですが、まさか陛下が私の様子を見に来るとは思わないですし、てっきりパーティーの後は、他の貴族達と話をしたり仕事をするために執務室に行くだろう、と思っていましたわ。
なので、本当に驚いて足の様子を聞かれているのに言葉に詰まらせてしまいました。
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「わざわざ陛下が来てくれるとは思わなかったわね。何かあったのかしら?」
と首を傾げていますし......隣のレオンハルト様もそんな伯母様の言葉に頷いていますわ。
そんな私たちに思わず苦笑している陛下ですが、
「あぁ、シャリア嬢とセリスティア嬢が友人になった、と聞いてな」
そう言って私を見てきた陛下の顔を見ると、興味津々だというのが伝わってきましたわ。
........え?もしかしてシャリア様と友人になっただけなんですが、相当凄いことなんですの?
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なんて思いながら、助けを求める様に伯母様に視線を送ったんですが、陛下の言葉に
「やっぱりその話は気になるわよね」
と頷いていますわね。
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