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218話
しおりを挟むニコニコと笑顔の伯母様がなぜ笑っているのか、と少し怖く感じますが、質問に対しては大体ではあったもののあった出来事を話しましたわ。
まずは、会場に入る前にアーリナ様に絡まれたことから始まったんですのよね。
そして次にユーティン様に絡まれ、カティ様には裏切りのような.......喧嘩を売られたような感じの事が起こって........あぁ、シャリア様と仲良くなったこともしっかりと伯母様には話をしておきましたわ。
だって、次期王妃様と仲良くなる、なんて伯母様も思っていないでしょうし、今度ゆっくりとお茶でも、と別れたので伝えておかないと、と思いましたのよね。
すると、私の話を黙って聞いていた伯母様でしたが、全ての話を聞き終えると
「凄いわね。あのシャリア嬢と仲良くなるなんて.....」
まず一番初めに感心したようにそう呟きましたわね。
レオンハルト様もシャリア様と仲良くなった、ということに驚いていましたが、まさか伯母様までもが同じような反応をするなんて思ってもいませんでしたわ。
それほどまでに、シャリア様は気難しい人なんだ、ということなんでしょうけど.......どうしても納得が出来なかった私は、レオンハルト様の時と同様に
「その、シャリア様と話をしていて相当優しいし話しやすい人だと思ったんですが、他の人に対してもそうなんじゃないんですか?」
と質問をしてみましたわ。
すると、私の質問に対して伯母様は
「あの子が話しやすい、ですって?」
と固まってしまいましたわね。
うーん.....なぜ毎回シャリア様のことを話すと驚かれてしまうのか.....。
私としてはシャリア様はとても気さくで、話もしやすかったですし、話題の展開もとても上手かった、という印象ですわ。
なので、本当に伯母様とレオンハルト様の反応について納得が出来ませんのよ。
なんて思っていると、どうやら私の顔を見て私の考えていることを察してくれたんでしょうね。
伯母様は苦笑しながら、ではありますが
「基本的に自分が気に入った相手じゃなかったら話すことすら拒否られるし、媚を売るために近付いた令嬢なんて再起不能なくらいボロボロに言い負かされていたわよ」
そう言って、肩をすくめていましたわ。
ボロボロに言い負かされる、ですか......。
正直想像が出来ないですが、伯母様がここまで言うということは相当シャリア様は気難しい人なんでしょうね。
レオンハルト様も似たようなことを言っていたので、本当なんだ、というのはわかっているんですが
「そ、そうなんですか...........?」
と何とも言えないような返事をするので精一杯でしたわ。
まぁ、シャリア様も私が隣国の令嬢だ、ということで仲良くしようと普段より気を遣ってくれたのかもしれませんわね。
自分に言い聞かせるようにそう思っていると
「でも、相当強い味方が出来て良かったわね。シャリア嬢の友人に喧嘩を売るような貴族は誰もいないわよ」
ニッコリと笑いながら伯母様がそう言ったので
「レオンハルト様も似たようなことを言っていましたわ」
と苦笑だけを返しておきましたわ。
だって、確かに喧嘩を売られることがないのかもしれませんが、それを利用するようなことはしたくないですもの。
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